表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
chain  作者: 神崎美柚
過去を変えて
86/143

第八十六話 母娘の確執

 私はナトリに全てを託した。私の体がなぜボロボロなのか、ソフィアに聞くことにした。

 ソフィアは私を楽園に入れたくなかったみたいだが、無理矢理入った。


「母親であるイリス様が鍵だと思われます。彼女はもう悪魔ではないのに過去を遡っているみたいです」

「え? そ、それじゃあ私どうなるの」

「──私が止めます。それまで、あなたをしっかりと守ります」

「ありがとう、ソフィア」


 私はソフィアに寄り添う。息苦しくて、声はもう出ない。ソフィアが優しく抱きしめてくれる。


「あ、あなたは」

「ソフィアにハナ。どうしたの? 」


 お母さんが現れた。ソフィアが身構える。その格好は私が屋敷で会った時よりも不気味だった。


「私は魔女。だからこそ時の遡りについていけるのよ」

「人間でありながら魔女なのか」

「ええ、まあそうね。──ハナ、大分弱ったわね」

「やはりイリス様の仕業ですか」

「私に邪魔者はいらないの。役立たずは余計にいらない」

「──! 」


 邪魔者……? 役立たず……? お母さん、どうして、そんなことを言うの? 私は……。


「それはハナのことですか」

「当たり前でしょう? 私、無理矢理ハナと再会したようなものだから」

「──さすが冷酷な魔女」

「誉め言葉としては上出来ね」

「イリス様、あなたは間違ってます」

「それはどうかしら」


 笑うお母さんは昔の優しいお母さんと全く違っていた。泣きそうになりつつ、私はこらえる。


「リサテアはきちんと理解していたけど……あなたには私がどう見えていたわけ」

「……優しいお母さん」

「リサテア以下ってところかしら、理解力」


 お母さんは私をにらんだ。リサテアの両親の話なんて聞いたことはないが、確か戦争の時に死亡したと……。

 お母さんは私の体を踏みつけた。痛い……でも、私が……。


「ハナ! 」

「時の管理者は(オモチャ)で遊んでいるみたいだからとことん邪魔してあげようと思うのよ」

「っ……」

「文句言ったって無駄だよ、これが私の本性なのだから」

「……」


 お母さんは去っていった。踏みつけられ、かなり痛む。


「しばらく一緒に身を潜めましょう」

「ええ……」


 まず、治療してもらう。ここには魔法を使えるものがいないので包帯巻くレベルだけど。


「……リサテアの母親は傲慢な女でした。異父姉妹であるイリス様はそんなのとは違う優しい方という印象でした」

「本性だとか言っていたわ、どういうこと」

「恐らく、他の者の知らないところであの様な性格だったのでしょう」

「……ねえ、さっき言っていた異父姉妹って」

「イリス様の母親は傲慢で浮気性のある女です。本当に罪深い女ですよ」


 ソフィアの顔つきが険しくなる。そう、だったのか。

 私にもその血が流れているんだろうな……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ