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仮面
薄く赤く剥がせよ、生を吼える仮面。
尖らせて満ちよ、彩りの宝玉。狭く閉じ込めるほどに、その煌めきは深く濃くなる。
新しいものは次々と生まれる。
宝は湧いては腐り屑と化して夜空に輝く。
赤紫の衣をまとった童女が座っている。
何か、ひどく重いものを背負ってでもいるかのような顔をして。
苦は軽んじられ幸いに満ちよ。
凍える人には温もりを与え、熱に浮かされる人には清涼を。
あるべきものが、あるべきところに納まると、整えられた庭園にも似た美しさが生まれる。
泣き声。
涙は報われればいい。
ぬぐってくれる手があるといい。
くるんでくれる腕があるといい。
すると童女はきっと笑うから。
年に似合わぬしかつめらしい仮面を脱ぎ捨てて。