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夢のかけら  作者: 高原 涼子
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 入学式。

 俺が和己と二度目に出会った日。

 その時には翌年に俺も生徒会の腕章をつけて、同じ場所にいるとは思ってもいなかった。

 とはいえ、俺は内部進学してきた生徒と外部からの入学生の区別がつかないから専ら講堂の方に詰めてるわけだけど。

「昨年は誰かさんが気がついたら姿を消すし、その後はギリギリまで戻ってこないしで大変だったなあ」

 高槻さんと弘幸さんが二人で話してる内容に、なぜか俺が罪悪感を覚えて、当の本人は何とも思ってなさそうなのはなんでだ。

「今年は大人しくしてるからいいだろ」

 胸を張って答える和己にため息しかでない。

 そんなやりとりにも一年の間に慣れきってしまって、なまぬるく笑ってることにしている。

 お昼前には新入生のホームルームも終わって、新しい役員が生徒会室にやってくる。昨年はいきなり色々ありすぎて、緊張する間もなく全てが始まってしまったから、今年の後輩たちがそんな風にならなくてよかったと純粋に思う。

 でも、春休みの間に自分の役割が決まってしまって、それに向けての心づもりをしておくのが負担になる場合もあるのか。

「うーん?」

 思考の迷路に入ってしまった俺に三者三様の視線を向けられる。考えていることをそのまま伝えると、弘幸さんがくすりと笑った。

「内部進学者だと、自分の立ち位置は凡そわかっているから、そんなに深く考えないと思うよ。

 実際クラス分けは、入試の日に同じ問題を中等部では学年末テストとして実施して、その結果で行われるから、クラスメイトもほぼ変わらないのが当たり前なんだよね。その中での役割って、割とはっきりしているんだよ」

 そんなものなのかなと曖昧に頷くと、高槻さんが続きを引き取って話してくれる。

「中等部も高等部も、成績順でのクラス分けになってるし、そうすると余程のことがない限り、クラス委員とか生徒会役員なんて決まってしまうんだよ。むしろ恒みたいな無茶ぶりされる方が稀だから」

 思わず和己を見上げるけれど、笑顔を見せられて頭を撫でられると、それがなかったら今の関係もないことに気づいてしまった。

「俺は、その無茶ぶりのおかげで楽しい生活も遅れてるから……」

「結果オーライだよな〜」

 ……人の言葉を遮って元凶が言う言葉ではないと思うんだ。




 俺はちょっと浮かれていたのかなと思う。

 今の和己との関係を、周りから当たり前のように受け入れてもらっているけれど、それが万人に受け入れられるものではないということ。

 学年の差は埋められないし、毎日のように放課後の時間を過ごせる日々が少なくなっていること。

 忘れてはいけないはずのことから、俺は目を逸らしてしまっていた。

出会ってから一年経って、これから少し悩んだり悩んだりする感じになるのかなと思っています。

ムーンな感じの話もあげたいものがいくつかあるけど追いついてなくて申し訳ないです。近々なんとかしたいな〜。

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