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入学式の再会
青蘭学院は、幼稚園から大学までのエスカレーター式の学校だ。中等部と高等部は男子校と女子校に分かれている。もちろん、全員が幼稚園からの持ち上がりというわけではなくて、それぞれの一年次に若干名の編入を受け入れている。
俺、川崎恒は、二ヶ月前に高等部の編入試験を受けて、無事合格できたので、今日この場に立っているわけなのだけれど。分かっていたこととはいえ、ほぼ全員が持ち上がりというこの状況は、正直きまずい。
とりあえず入学式の前に新しい教室へ行くことになっていたのでクラス分けの掲示を確認しようと、人だかりのある方へ向かって行く。
七クラスの中から自分の名前を探すのは大変だろうなと思っていたのだけれど、案外簡単に一組の中に名前を見つけることができた。
「クラスが分かったら教室まで案内するよ」
後ろから声をかけられて振り返ると、陽に透けて金色に見える髪と薄い茶色の瞳の持ち主が、人懐こい笑顔で微笑んでいた。生徒会と刺繍された腕章を着けているから、先輩なのだろう。見た目から勝手に判断すると、ハーフなのかななんて考えながら
「あ、ありがとうございます」
頭を下げる。
「悠ちゃん、彼は俺が案内するから」
不意に聞こえた、覚えのある声。
そっと声の方に視線を向けると、あの時と同じ瞳が俺を見ていた。改めて格好良い人だなあと見惚れてしまった俺は、しっかりと合わさった視線に、それだけで緊張してしまう。
「和己ちゃん、入学式の準備があるって言ってたのは?」
最初に声をかけてくれた先輩が笑いながら問いかける。その言葉が耳に届いて初めてその人も生徒会の腕章を着けていることを意識する。
「そんな事より新入生の誘導の方が重要」
もっともらしいことを軽い口調で返して、俺を手招きする。
「新入生一名様ご案内。……さあ、教室に行こうか、川崎君」
名乗ってもないのに名前を呼ばれた。




