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アミスタード アスール  作者: おがわかなた
第6章 コンプレット
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ボーイペロアスール8


夕闇が迫っている。

公園は、暗くなり始めていた。

外灯は1つのみで、公園全体を照らすには不十分すぎた。

遊具や砂場などは視認が難しくなっている。

公園には、恩田と雄哉、そして、天田しかいなかった。

もともと、人が少ない上に、こんな時間である。

公園にいる人なんていない。

そんな中、2人の雄哉と恩田が対峙している。

とはいっても、その力の差は雲泥の差があった。


雄哉は、ラファエルを見つめる。

しかし、逆光の為、その表情をうかがい知ることは出来ない。

ただ、分かっていることは、雄哉に近づいているということだ。

恩田の影が少しずつ大きくなっていく。

そのスピードは何かをためらっているかのようで、歩みは遅い。

先ほどから話を聞いていると、恩田の意識とラファエルの意識が

入れ替わっているようである。

いまはどちらなのか。

雄哉にそれを推測するすべはなかった。

いちかバチか声をかけてみる。

「恩田?」

返答はない。

やはり、今はラファエルの意識が支配しているのだろうか?

しかし、その歩みが止まり、か細い声が聞こえる。

「ゆうや先輩?」

先ほどのような殺気は感じられない。

スキだらけという表現が最適かも知れない。

しかし、雄哉の足は振るえ、動けない。

目の前の圧倒的な力を肌で感じていたからなのか、それとも、先ほどの戦闘に

圧倒されてしまっていたからなのかは分からない。

いまは、声をかけることしかできない。

再度、声をかけてみる。

「お前は、恩田健太郎だろ。

 ラファエルの任務なんて関係ないよ」

「ゆうや先輩、、、僕は、僕は」

もはや、恩田の意識なのか、ラファエルの意識なのか分からない。

雄哉も最後の力を振り絞り、後ずさりしようとする。

しかし、それも無駄な動きであった。

ついに、雄哉はラファエルに倒されてしまう。

雄哉の首に恩田の手がかかる。

しかし、その手に全く力がない。

「雄哉先輩、俺は、俺」

恩田の目には涙が溢れていた。

雄哉の頬にその涙があたる。

彼の想いを雄哉は痛いほど分かっていた。

「初めて出会った頃のこと覚えているか?」

恩田の返答はない。

「鉄道模型のショップだったよな。

 運命的な出会いだったと思うよ。

 まさか、同じ高校の後輩だとは思わなかったよ」

恩田の口は何かを言おうとしていたが、その声が発せられることはなかった。

「恩田、僕、お前と過ごせてよかったよ。

 きっと忘れないよ」

雄哉は意を決した。

恩田の存在をこの世界から消すことを。

雄哉が、天田から預かり、恩田につけていた転送装置の起動させる。

そして、恩田の体が光を放ち始める。

少しずつ、その存在が消え始める。

「ゆうやせ、、、」

恩田の声はなくなっていた。

戦いは終わった。

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