ミエルコレス
【あらすじ】
天貝雄哉は、未来から狙われている。
暗殺者4人が送り込まれてきた。
その未来は、雄哉を殺すという決定を下した後に、
それを撤回したが、送り込まれた暗殺者への撤回命令が
間に合わず、現在の世界での捜索活動が始まったのだが。
【登場人物】
・鉄道研究部
天貝雄哉 本編の主人公、未来の暗殺者に狙われているが自覚なし
刈谷朱音 鉄道研究部部長、3年
奥府正也 鉄道研究部副部長、3年、撮り鉄
黒崎真二 鉄道研究部2年、野球部と兼務
布良肇 鉄道研究部2年、乗り鉄
恩田健太郎 鉄道研究部1年、雄哉の誘いで鉄道研究部へ入部
浜河百合子 鉄道研究部1年、雄哉に一目惚れし入部
佐々木 鉄道研究部1年
・未来人
ウリエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在は、雄哉を守る立場として居候中
ミカエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
ガブリエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
ラファエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
天田由紀子 未来から来た謎の女性、臨時教員、鉄道研究部顧問
「そう言えば、聞いた?」
「なになに」
「体育祭の100m走で、天貝先輩と黒崎先輩のツーショットみれるらしいわよ」
「そうなの?」
「先輩に聞いたんだけど、去年も2人のツーショットだったらしいわ。
その写真が1枚数万円になったっていう噂もあるらしいのよ」
「数万円、ちょっと高いけど、でも、私買っちゃうかも」
浜河百合子は、横にいる女子たちの会話に耳を傾けていた。
この2人とは、部活で一緒なので、その名前が出てきても驚きはしなかった。
「浜河、鉄研でしょ。
いいなぁ、ツーショットが毎日見れて」
「毎日は見れないわよ。
ツーショットが見れるのは、毎週水曜日だけね」
「なんで?」
「黒崎先輩が、野球部と兼務だから、野球部のない水曜日だけ」
「今日、水曜日じゃん。いいなぁ~」
「まぁね」
「それでも、天貝先輩の顔を毎日見れるなんてうらやましい。
私も鉄道研究部に入ればよかった」
あの鉄道熱に耐えられたらね、と心のなかでつぶやいた。
最近、浜河も雄哉の鉄道熱がありすぎること、そしてそれによって
雄哉から女子が離れていくことも痛感していた。
私が自分で選んだ道よ。
そう決心して部室に入った。
まだ、誰も来ていなかった。
浜河はたいてい最後の方に来るので、驚いてしまった。
「まだ、誰もいないのか」
彼女は、間違えたフリをして、雄哉がいつも座っている席に座った。
「雄哉先輩の席か~」
「あれっ、浜河」
浜河は驚いて、席を立ってしまった。
雄哉が部室に来ていた。
「早いね。
その意欲、関心、関心」
浜河の向かい側に座った。
「今日は何の話をしようかな?」
「天貝先輩、体育祭って、何の種目出るんですか」
「えっ、体育祭」
明らかに雄哉は鉄道の話をしたがっていたが、それを浜河は遮り、
体育祭の話をふったのだ。
「体育祭は100m走と応援合戦、あとは騎馬戦かな」
「そんな少ないんですか?」
「去年は100m走と200m走で走ったんだけど、100m走で1位をとったけど、
200m走はへばって4位だったんだ。
だから、今回はさらに絞ったんだ」
「えっ、足速いんですか?」
「ゆうは、陸上選手並みに足が速いよ」
いつの間にか部室に来ていた黒崎が応えた。
「スポーツ向きだと思うんだけどな。
逃げ足だけはどんどん速くなっていくよ」
「僕がいつ黒崎から逃げたんだ」
「いつも」
「去年も、天貝先輩と黒崎先輩が対決したって話聞きましたけどどうだったんですか?」
「俺が、最後に抜かされたよ」
「そう、僕が滑ってスタートが遅れちゃったんだよね」
「まぁ、今も滑ってばかりだけどな」
「僕はすべることは少ないよ、ひかれることは多いけど」
「なんだ、分かっているんじゃないか。
そうしたらもう少し自重したらどうなんだ」
「止めたいと思っているんだけど、止めらんないんだよね」
「それが雄哉君よ、別に気にする必要はないわ。
もう諦めているから」
「何、今日は皆で僕をいじめる日?」
「そうよ、雄哉君をいじって楽しむ日、それが水曜日よ」
雄哉の顔が引きつるが、部室の雰囲気は最高潮に達したのだった。




