第十三話 視察
「大体の防衛設備は整ったのでこれから敵の視察に向かいましょー!おー!」
ラルムは1人テンション高くこれからの計画を熱弁に語りだす。
「視察に行く人たちは適当に此方で決めましたので発表しまーす。こほん、えーと最初に魔王様。次にペットのローザさんそして最後にアルテミスさんの三人です!」
「おい愚昧ふざけるなよ。こんないかれた面子で魔王様を視察に送り出すなどできるわけないだろ!」
「何故私がメンバーに入っていないんですか!?それにこのメンバーはどう見ても視察には不向きです。かなり目立ちますよ!」
紫苑とアンジュは断固拒否とばかりにラルムに詰め寄っている。
「でもランダムに選んだらこの結果になったので文句を言っても結果は変わりませんよー。」
ラルムは楽しそうに話してはいるけど、私としても子のメンツで行くのはかなり心配だったりする。
「魔王様と視察フフッはあはあ。」
普段の服装に首輪を足した格好の変質者に
「視察かあ美味しい物があるといいな!」
笑顔で楽しみにしている幼女。
そして最後に私、傍から見ればどんな関係何だかさっぱりわからないでしょうね。
「でもズルいです。私もご一緒したかったですのに。」
月夜も残念そうに呟いた。でも片手には毒便を所持していてそれをローザに振りまいていた。
「ガハッ」
ローザは吐血し倒れた。
「フフッそんな物。今の私には効果はありませんよ。」
何事もなかったかのように再び起き上がる。確かに血を吐いていたのに元気そうだった。
「死んでくださればよかったのに……っち!」
月夜は心底残念そうに舌打ちをしていた。
「決まったものは仕方ないわね。なら視察に行くわよ。」
あんまりもたもたしているとまた死人が出そうだと思った私はさっさと視察に向かう事にした。
「ラルムテレポートお願い。」
私がそう言うと
「人間界の都会の入り口にテレポートさせますね。因みに職業設定はアルテミスさんがハンターで魔王様が魔法剣士そしてローザさんが魔法使いとなっています。最初から王族と出会うことはできないでしょうからまずはギルドに行って登録だけしてみてください。」
「分かったわ。」
「それじゃ人間界の大都市イーゼルブルグにテレポート!」
景色が一瞬で変わり私たちの目の前には大きな門があった。