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【温泉】スキルでスローライフしていたら、冒険者と魔獣が押し寄せ、女神の泉扱いされるようになったんだが  作者: あきかたりれお


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9話 カスハラ!ダメ!絶対!

さて、異世界生活にも慣れてきて、コツコツ依頼をこなし硫黄温泉を手に入れるために少しずつお金を貯めていたのだが……


「うむ。今日もいい湯だ」


この魔獣、否、珍獣レオクシスは本当に毎日温泉を求めてくる。それも狭いから妻と子どもを分け、合計三回も湯船を張り直せというのだ。


その結果――


「もう無理!疲れたぁ!アイツらのせいでMPいっぱい消費するから他の依頼がこなせないよ!疲れすぎて私とラーちゃん分の温泉出せないし……」


ホテル備え付けのお風呂はぬるすぎる。今日も疲れが取れぬままベッドに突っ伏す。


「けどナツ、相手はグリフォンだぜぇ。しかも五匹。天空の剣パーティでも勝てるかわかんねぇぞ」


「分かってるよぉ……私みたいなヒョロヒョロ人間、一噛みであの世行きだよ〜」


「幸いナツのレベルは9まで上がったしスキルレベルもどんどんあがってるしなぁ。三回分の湯張りにも慣れくるだろ」


「それでも疲れるの〜。いくらスキルレベル上がったって浴槽が買えないんじゃ意味無いし。あの温泉好き魔獣をどうにかしなきゃ……」


かといって力の差がありすぎるから怒らせるのも怖いんだよね〜過度なサービス求めてくるカスハラ客みたい……客?


「そうだ客だよ!」


ベッドから飛び起きる。


「私はスキル【温泉】を使って銭湯開くつもりなんだから、魔獣だろうとお代は貰わないと!」


「ぐ、グリフォンからお代ィ?!お前殺されちまうぞ!」


「いい?ラーちゃん。下手に出たら客はもっと付け上がる。早い段階でキッパリ線引きしないと!よし、今日はもう寝ちゃお!明日ハッキリ物申してやるんだから!」


「大丈夫かぁ……?」


私の接客業魂に火がついた。


◾︎◾︎◾︎


「レオクシスさん、温泉ですが、今日からお代をいただきます!」


「なぬ……我に供物を捧げよと、そう言いたいのか、小娘」


「そうよ!でないと私の生活も困るし、新しい温泉が増やせないんです」


「新しい……温泉?」


レオクシスの尻尾が左右に揺れる。


やはり、伝説級の魔獣だとか噛み付いてやるとか偉そうに言ってたけど、コイツ……ただの温泉好きだ!


「うん。新しい温泉を入れるには新しい浴槽が必要なの。それを造るためにはお金が必要。温泉に入りたければお金を払ってもらう。それが私の異世界銭湯よ!」


「小娘が、調子に乗るなよ……貴様と我々は対等ではない。痛めつけてでも無理やり温泉を出してもらうぞ」


「私が怪我すると温泉の質が落ちるよ(嘘)それでもいいの?」


「ぐ……フン、造作もないことだ。たかが金で温泉に入れるのなら安いものよ。暫しここで待て」


レオクシスは羽を広げ上空へと飛び上がっていった。ちなみに妻と子ども達は温泉の順番を待つため狩りの練習中だ。


「はぁあ〜……ナツ、肝を冷やしたぜ。お前ってやつは後先考えねぇんだから」


「……」


「ナツ?……いや、悪かった。お前も怖かったよな?」


一瞬の沈黙のあと、ナツはニヤリと笑った


「あぁ!カスハラ客を丸め込んだこの快感!イエーイ大勝利!」


「……イエーイ」


ラーウェルと拳を突き合わせた。


本日の依頼は鉱石集め。小さなピンク色の石が時折落ちているので、レオクシスが戻るまでの間に拾い集めておく。


魔石って言ってたけどこういうのも浴槽の材料になるのかな……


ブワッ


下から風が巻き上がり、レオクシスが着地。そして――


ズゥウウンッ


すぐ隣に落下したのはドラゴンの体にコウモリの羽が着いている魔獣である。


「いやああああ!何ィ?!」


「供物だ。温泉に浸からせろ」


「いやいや私グリフォンじゃないんで!こんなの貰っても食べれませんから!」


「フン、知らんのか?冒険者ギルドで買い取ってもらえばかなりの額になるぞ」


レオクシスは鼻高々に笑う。


「えぇ……どうしようラーちゃん?」


「こ……ここ、これは……ワイアーンだぞナツ!」


「ワイアーン?このプテラノドンみたいなやつがレアってこと?」


「レアなんてもんじゃねぇ、本来Sランクの討伐依頼なんだよ!」


「……ってことは」


「あぁ、普通はありえな」


「金貨100枚ってことじゃーん!」


「……」


「ありがとうございますレオクシスさん!今すぐ温泉を用意致しますので今しばらく〜!」


「うむ。なるべく早く頼む」


湯船を溜めた後、私はアイテムボックスにワイバーンを押し込んだ。


そして遂に――


「ジャーン!クギノキの浴槽ゲット!」


美しい木目に艶めく手触り。ゆるりと鼻腔を擽る、木の香り。


ドワーフって素晴らしい。

鍛冶屋で渡された浴槽に頬擦り頬擦り。


ああ〜ヒノキの匂いだ〜


「ラーちゃんっ今夜硫黄温泉浸かってみよう!」


「おうよ!楽しみだなぁ!」


ちなみに私にはもっと楽しみなことがある。ワイバーンは想像以上の高値、金貨110枚で買い取って貰えた。ということは――


銭湯建設、いけるかも!


◾︎◾︎◾︎


魔獣は好んで人間を襲いません。主食は魔物。魔物は人間を襲い敵意剥き出しです。討伐対象。


次回は銭湯建設……と言いたいところだが……











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