7話冒険者パーティとの別れ
ゲルガーは水を飲んで体を冷まし、一晩経ったところで無事回復したようだ。
「いやぁ、驚いた。気を失ったのはウィラの下着を皆の洗濯物と一緒に天日干しにした日以来だ」
この人本当に馬鹿なんだ……
「すみません。私のスキルのせいで……」
「気にしなくていいのよ。ゲルガーが勝手に入ってたんだから」
「おうよ!もっともっと強くなりたかったが、やはり一朝一夕とはいかないもんだな。だからこそ冒険は面白い!」
「あはは……」
「それとナツ、お前のスキルについて分かったことがある。これを見てくれ」
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ゲルガー(冒険者)
天空の剣パーティ
Lv 547
HP 15000
MP 2000
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「あれ……レベルが上がってない」
「そうだ。三時間は浸かっていたが変化なし。つまり一日に上げられるレベルには上限がある。そして長く浸かりすぎるとMPが減少するらしい。俺は元々魔法適性がないから、少し気怠い程度で問題ないぞ」
「そっかぁ……便利スキルかと思ってたけど意外と制約もあるんですね。なんか実験台にしたみたいですみません」
「マケを譲っていただき、温泉にまで浸からせていただけましたし。それにゲルガーは引くほど頑丈なので大丈夫ですから」
イクスは眼鏡を押し上げて笑う。
リーダーの扱い雑だなぁ……
「さて、私達はこれから王都へ向かいますの。ナツはどうします?」
「私も依頼達成報告がしたいので一度街に戻ろうかなって。新しい依頼を受けてどんどんお金稼ぎたいし!」
「では途中まで一緒に行きましょうか」
街に戻り、冒険者達とはここでお別れだ。
ちょっと寂しいけど、王様に挨拶したらもう次のダンジョンに向かわなきゃいけないって言ってたし……有名冒険者は大変なんだなぁ
「それじゃあナツ。お前が銭湯を開くのを心待ちにしてるからな!」
「ナツ殿、お元気で!」
「老いぼれは長くは待てんぞ。また近いうちに入りたいものだ」
「ふふ、はいっ!一番客になってください!」
「ナツ。どうか貴方の命が脅かされる事のないように……こちらは餞別ですの」
ウィラから受け取ったのは巾着。中には金貨が5枚。
「えっこ、これ」
「少しですがナツの夢の手助けになれば、と」
「こんなにたくさん……い、いただけません!」
「ふふ、マケは本来このくらいの値段はしますし、温泉にまで入らせていただきましたもの。私達はナツの初めてのお客様。どうか受け取ってくださいませ」
「ウィラさん……ありがとうございます!」
強くて優しい冒険者パーティ"天空の剣"。彼らと過ごした一晩が私の異世界での"夢"をくれた。
「よぉしっ銭湯建設に向けて、頑張るぞー!」
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「ウィラさん達に貰ったお金と、キノコを引き取ってもらったお金……合わせて所持金は金貨6枚と銀貨6枚。あと半分ってとこだけど、どの依頼も宿代くらいにしかならないなぁ〜」
「多少危険だがDランクの依頼やってみるか?」
「あ、受けれるんだね」
「自己責任でワンランク上までなら受けられる。Dランクの依頼をクリアすれば、冒険者ランクも引き上げられるしなぁ」
「あんまり危なくないの探さなきゃ……えっとDランク……あ!これとかどう?木の実集め!」
「キノコを採った場所よりも奥だからキングゴブリンが出てくるかもしんねでな。俺の魔法で退けるくらいはできるぜ。ナツが剣を振れたら楽勝だな」
「あんまり自信ないから怯ませてる間に逃げる方向性で。基本は隠密で頑張ろう!」
「お前なぁ……」
私は呆れるラーウェルを連れ森の奥へと足を運んだ。
「そういえば私って魔法は使えるのかな?」
「魔法もスキルだからな。スキルを会得すれば使えるぜ。ただ適性の有無がある。天空の剣のウィラは魔法使いだから適性バッチリ。逆に勇者のゲルガーは適性無しって感じだ」
「私は?」
「転生者はスキルを得るまで分かんねぇな」
「ほほう。とりあえず今は剣で頑張るしかないってことね〜……あ!ラーちゃんあれじゃない?!真っ赤な木の実!」
「リコの実な。取ってきてやるよ」
頼りになる使い魔ラーウェル。羽ばたいて木の実を収集だ。
早く硫黄温泉入りたいなぁ〜
温泉に想いを馳せる私の背後で、大きな瞳が怪しく光った。
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不穏な空気!次回、ナツの前に恐ろしい〇〇が……




