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寒視察 泥顔の諭吉 光る靴

 大都市には自衛隊が入ったらしいが、僕の住む小さな都市まで来たのはあの地震から5日後のことだった。

 商店街ではいまだに断水が続いている。住宅地では停電が多い。

「わずかな補助金で、オール電化にしたら、何も使えんようになった。プロパンにしときゃ煮炊きだってできたのによ。」

「得だってゆうから太陽光にしたら、冬の日差しじゃろくに発電できない。」

「家はバッテリが水に浸かって、そもそも発電できないよ。」

 政府に踊らされたな。ブームだった薪ストーブも肝心の薪が濡れたら使えない。電気だって安いからと民間に変えたところは電力の確保ができずに復旧が遅れているらしい。


 いつだって官は無責任で嘘つきだ。が、それ以上に金に目がない。一週間経って総理大臣が視察に訪れた。こんな小さな街に来るなんてと思ったら、与党の重鎮の地元ということらしい。本人はほとんど地元にいない。こっちは息子まかせになっている。


 県や市の職員がぞろぞろとついて、さらに記者らしい連中がカメラを構える。顔に泥をつけてスコップを持っている。が、足元の長靴は真新しく黒光りしている。まあどうせ足元は映らないんだ。連中にとっちゃあの顔が札束に見えるんだろうな。よいしょして、いかに多くの支援金を引き出すかが腕の見せ所だ。もっとも議員にとっちゃ僕たちは投票用紙ってとこか。

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