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psychic(サイキック)  作者: 萌氏
16/16

前半戦はまずまず

強豪だ。と航が言うので結奈はハラハラしながら試合を見ていたのだが、素人目に見てもこちらが圧倒的に強かった。

陸翔が2年生ながら10番を付け、大活躍していた。瞬く間にハットトリックを決めてしまった。愁平は守備の要らしく、敵の猛攻を幾度も防いでいた。

結奈はコーチの隣で、点数と決めた人物を記録していたのだが、コーチに「陸翔と愁平が相手にしてるのは3年だぞ。」とさらりといわれて目を見張って試合を見ていた。

航は陸翔のアシストで目立たなかったが、小さい体をすっと敵と敵の間に滑り込ませて点を取って行った。

七海はビデオでまんべんなく全体を撮り、その妹生粋は部分々々立派なカメラで撮影していた。




「お疲れ様です!」

結奈は保冷バッグからスポーツドリンクを取りだし、選手に配った。

4-0でこちらが勝っている。

「ありがとう。」

と陸翔が笑って受け取った。

「どう?初マネの感触は。」

「思ってた以上に楽しい!」

「生で見るのは初めてか?」

航が飲み終わったドリンクを結奈に渡した。

「いえ。弟の試合をたまに見に行ってたので。でも、小学生の時のしか見てないから、こんなすごいのは初めてです。」

「そうか。」


「ずる。してるだろ」


突然、そんな声が聞こえた。

こちらのテントから少し離れた所にある、相手チームの声だった。

「ぜってー、能力使ってんだろ。」

「わ、ずるー。」

「てか、ルール違反だろ。」

「レッドカードだせよ、審判。使えねー。」

悪意のこもったその声に、結奈は歯噛みした。


陸翔は透明になんてなっていないし、愁平も雨を降らせていない。


他の部員にも聞こえているであろうその声に、チーム内がシンとした。

「なめやがって・・・能力なんか使わなくても瞬殺だっつーの。」

航がそう歯噛みした。

後半はどうやら、混沌としそうだ。と七海が呟いたのはどこまで聞こえたのだろうか。

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