浮遊の使い手とその代償
ベンチを出すなどの雑用を一通り終わらせて結奈はほっと息をついた。
ぼうっと眺めるグラウンドでは四つのチームを作って総当たりをするミニゲームが始まっていた。適当に左側のチームを応援していると、右側のチームから「こっちも応援してよー」と声がする。
結奈がクスッと笑っていると、
「あーヤダヤダ。何青春してんのよ、結奈ちゃん。」
生粋のわざとらしい高い声が聞こえた。「生粋!」結奈が思いっきり上を見上げると、生粋が口角を左側だけ上げてこっちを見下ろしている。
「よ。」
「や。」
軽く挨拶をかわすと生粋はあたりをきょろきょろと見渡して結奈に
「下。」
とだけ言う。結奈が手で大きなマルを作ったのを確認すると生粋は息を少し吐いて意識を集中させた。
結奈も生粋の言葉どうり下を向いた。自身のスニーカーの先をじっと見つめる。
次の瞬間生粋の体が宙に浮いた。生粋の来ている制服のスカートがバッとめくれ上がったかと思うと、生粋は結奈の隣に向けて急降下してきた。
結奈は風と音にビックリして生粋の反対側へよけた。
降りてきた生粋は「ぶつかりゃぁしないわよ。」と軽く言って見せる。
「で、でもちょっと怖くって・・・・・」
「いい加減になれなさいよ・・」
生粋がため息交じりに返すと結奈は、
-〝浮遊の能力〟なんてそういないから慣れるのが難しいの!
と心の中につぶやいた。
生粋はこの能力があまり好きではないみたいです。
生粋「Yes」
萌氏「誰!?( ゜Д゜)」
ほらね。




