シュークリーム、あぐ。
おそすまん
少しして平坂さんがあつあつのシュークリームを持ってきた。
「はい、カフェIMAMURAのシュークリームです。
ではごゆっくり〜」
そして平坂さんは、
邪魔者は退散しますよ、と早々に去っていった。
置かれた皿の上には、
普通のシュークリームが乗っていた。
出てきたシュークリームは、シュー生地が二段になっているタイプではなく
カフェでは少し珍しい、スタンダードな
シュー生地にカスタードが入っているタイプだ
「あれ?これがあったかいシュークリーム?」
湯気が出ていたりしていないので、見た目では暖かそうには見えない。
「そうだよ、いいから食べてみて。」
「うん」
光莉はシュークリームを手に取ると、
はむっ、と一口口にした。
同時にサクッと音がしてシュー生地が割れ、
中から暖かくさらにとろとろになったカスタードが
口の中に入り込んでくる。
「ん〜!」
光莉はほっぺに手を当てて美味しそうに、
シュークリームを味わっている。
光莉が、場合によっては俺を殺すヤンデレだということを忘させるくらいのとろけ顔だ。
それに見惚れていると光莉が
「佑樹くんも早く食べなよ。」
「うん、光莉がかわいすぎて」
「もぅ〜」
相変わらずの自分でもわかる馬鹿ップルな
やり取りをして、
シュークリームに向く。
俺は慣れた手つき?でシュークリームを取ると
いつも通り頬張った。
うむ、やはりうまい、
何度も食べているだけあって俺にしては安心する味だ。
カリッとしたシュー生地に甘々なカスタード、
口の中でそれらが混ざり合って、
甘い、美味い。
「あ、佑樹くん、ほっぺにクリーム付いてるよ
待ってて今取るから。」
光莉は椅子から立ち上がってこちらに来ると、
俺のとなりの椅子にちょこんと座って、
ゆっくりと俺のほおに顔を近づける。
そして…
あぐ。
ん?
噛まれた…
ほっぺを噛まれた…
さらに…
ほおに口を密着させた状態で、舌で器用に
ぺろっとクリームを舐めた。
光莉の口の感覚が俺の口の内側ではなく、
外側から感じる。
何とも不思議な感触だ。
まだ噛んでいる。
俺は少し、
光莉はクリームを食べる目的で
ほおを噛んだのではなく、
光莉は俺を食べるつもりで
ほおを噛んだのではないか、
つまりカスタードは軽い味付けなのではないか。
という妄想をして
光莉にこのまま捕食されてしまう
んじゃないかと
興ふnゴホンッゴホンッ、心配していると、
光莉は俺のほおを一回歯を当てて噛み、
舌で肌を触りながら、
とても名残惜しそうに口を離した。
「あ!あ、ごめん?、
なんか美味しそうに見えちゃって、
思わず噛んじゃった。」
「ああ、うんいいよ」
(むしろそのまま喰べられたかった。)
「え? 」
「いや?、なんでもない。
ほら、シュークリームまだ残ってるよ?
食べよう。」
すんごい今更ですがどうやら
カフェIMAMURAって実在するらしいんですよね…
僕はこういう名前ほぼ直感で決めるので
知らなかったんですが
店名使っていいのやら…




