第9話 異世界生活
【夢の異世界編】
冬夜「ここって・・・?」
そう、そこは冬夜が以前に大量のアンデッドを討伐した港町の街並みだった。
冬夜「なんで、ここに・・・」そんなことを呟いていると、後ろから声をかけられた。
衛兵「おい、お前らそこで何をしている!」
振り返るとそこには衛兵らしき人がいた。どうやら怪しまれているみたいだ。
面倒くさいことになりそうなので、さっさと逃げることにしよう、冬夜はすかさず銃に手をかけた。
しかし、ここで一つ問題があることに気づいた、それは銃を撃つと音が出るということだ。
もしバレたら、仲間を呼ばれて捕縛されてしまうだろう。
冬夜「どうしたものか・・・」
すると、メアリが一歩前に出て言った。
メアリ「私はここの住人です、この人は冒険者で、森の中で私を助けてくれたんです!、多数のゴブリンに追われてここまで逃げてきたのです」そう言って事情を説明してくれた。
冬夜「そうなんです、怪しいものではありません」
冬夜は銃から手を離し、両手を胸の高さまであげて、手のひらを衛兵に開いてみせた。敵意はないことを伝えたかったのだ。
衛兵「そうか、だが念のため武器を見せてもらおう」
冬夜「えっと、これでいいですかね」
そう言って冬夜は剣とアイテムポーチを渡した。
衛兵「これは、確かに本物だな。疑ってすまなかった」
どうやら無事に信じてもらえたようだ。その後、簡単にこの街のルール説明を受けて解放された。
冬夜「ふぅ〜、助かった。ありがとう」、冬夜は彼女に礼を言った。
メアリ「いえ、当然のことをしたまでです」
冬夜「そういえば、今回は雪籐に会わなかったな・・・この子のお陰か?・・・どうやら俺には君の助けが必要のようだ」
メアリ「命の恩人のお願いですもの、なんでも聞きますよ!、今後はメアリとお呼び下さい」
冬夜「ああ、頼りにしてるよ、メアリ」
メアリ「よろしくお願いします、ご主人様」
冬夜「あのさ、ご主人様って呼び方なんとかならない?」
メアリ「私の命はあなたのものですから!」
冬夜「え?・・・」、いずれこの子にもいい人が現れれば俺から離れていってくれるだろうと思い、次の言葉を飲み込んだ。
それから冬夜達は街に向かって歩いていた。
メアリ「ご主人様って異世界から来たんですよね、この世界について何か知っていることはないですか?」
冬夜「いや、何も知らないんだ。どうしてこんなことになっているのかすらわからない」
メアリ「そうですか・・・」
冬夜「とりあえず、まずは情報収集から始めようと思っている」
メアリ「わかりました、でも私にもいろいろ聞いて下さいね、答えれることがたくさんあると思います。」
こうして冬夜は異世界での生活を始めることになったのであった。この世界に来てから数週間程経った。この世界についてメアリや情報収集によって俺はこの世界のことについてある程度わかってきた。まず、この世界には支配者と呼ばれる存在がいるらしい。
そして、この国では異世界から召喚の儀式が定期的に行われている。この異世界からの召喚が冬夜のいた世界に影響しているのではないかと推測できた。そして、異世界からの召喚された者は冬夜以外にもいるということだ。
まだ会ったことはないのだが、他の勇者がどんな人達なのか少し気になるところだ。冬夜の存在が召喚された者になっている理由はおそらくレベルが上がった際にステータスに追加されたからだと思われる。そして、ステータスを確認してみるとレベルは3になっていた。
メアリのお陰で雪籐に会わずに済んだ、きっとこの子には、強力な加護スキルがあるんだろうな・・・ひとりだったらまた雪籐に嬲り殺されているのだろうな。
後の話になるのだが、メアリには強力な加護スキルがあることがわかった。
まぁ、そのおかげでレベルやステータスもすこしづつではあるが、上げていくことができた。
冬夜「そろそろ出発しようか」
メアリ「かしこまりました」
冬夜たちは街の方へ向かって歩き出した。
メアリ「街に着いたらどうするんですか?」
冬夜「まずは宿を確保したい」
メアリ「それなら、私のオススメがありますよ」
冬夜「本当に?」
メアリ「はい!」
冬夜「ならそこに行こうかな」
そんな話をしていたらあっと言う間に目的地に到着した。