第10話 久々の安息
【夢の異世界編】
冬夜達が着いた場所は、大きな街の入り口だった。
周りには石畳の道がずっと続き、建物は中世ヨーロッパを思わせるような作りの建物が多かった。
そして、多くの人が行き交っている様子はまるで映画のワンシーンのように感じられた。
こんな所があるんだな・・・。
冬夜「すごい人だな・・・」
メアリ「ここは商業の街でもありますからね。いろんな人がいます」
冬夜「なるほど」
冬夜達はしばらく歩いた後、一軒のお店に入っていった。
中に入るとカウンターがあり、受付の女性がいた。女性は20代後半くらいで綺麗な人だった。
女性「いらっしゃいませ、当店のご利用は初めてでしょうか」
冬夜「初めてです」
メアリ「街に来ると私はよくここに来ます。ご主人様、私がいつも指定している、お部屋でいいですよね?」
冬夜「そうだね、それで大丈夫だよ」
女性「かしこまりました、2名様ですね」
冬夜は返事をしてお金を払った。その後、手続きを済ませた後に部屋の場所を教えてもらい移動した。
冬夜「ここか・・・」
案内された部屋に着き、扉を開けるとそこには大きなベッドがあった。
メアリ「ご主人様、こちらへどうぞ」
メアリはそう言ってベッドの端に座って手招きしてきた。冬夜はそんな彼女の隣に座った。
メアリ「今日はこのあとどうしますか?」
冬夜「うーん、特に予定はないんだよな・・・」
この街に来た目的は宿の確保と情報を集めることだけだ
別に急いでやることもないし、明日以降に回してもいいか。
冬夜「ああ、そうだ、メアリには話しておかなければならないことがあるんだ」
メアリ「なんですか?」
冬夜「出会ったばかりの人に話すようなことじゃないんだけどさ」
冬夜「この先、俺になにかあった場合のことなんだ・・・」
メアリ「やめてください!」
冬夜「!?」
メアリ「私の目の前からいなくなるなんて絶対許しませんから!・・・」、メアリは頬を膨らませて怒っている。
冬夜「ははっ、わかったよ、じゃ、今の状況だけはわかってもらいたいから説明するね」
冬夜「召喚された者である俺は、雪籐という男に常に狙われている」
冬夜「雪籐は俺のすべてと相対する者で・・・俺を殺すことで俺に成り代わることを目的とする者なんだ・・・、言うなれば表と裏、いや、もっと正確には俺の半身といったところか・・・」
メアリ「そんな・・・」
冬夜「そして、もうすでに俺のスキルや能力は雪籐に奪われている、あとは成り代わりだけで、その時やつの念願は叶うってことなんだ・・・」
メアリ「私が、私が、ご主人様を守ります!」
冬夜「うん、君と一緒にいる間は守られているようだ、そしてその気持ちは嬉しい、でも残念なことに状況は良くない。やつの最後の仕上げが何なのかはわからない・・・が・・・その仕上げが叶うまでは生かされているようなんだが」
冬夜「だから今後も、ずっとやつには狙われる続ける・・・」
冬夜「もちろん簡単にやられるつもりはないし、この運命には抗うつもりだけど、万が一俺が倒されたときや、俺が自身を見失ったときには君の手で、この冬夜という男を葬ってほしい・・・」
メアリ「嫌です!、嫌です!、絶対だめです!、私は何処までもあなたについていきますから!!」、涙を浮かべながらメアリは冬夜を睨む。
冬夜「!?」
冬夜「え?・・・」、(こりゃ、ほんと簡単には死ねないな・・・)、冬夜はメアリの頭をくしゃくしゃっとなでて、自分のベッドに寝転んだ。
冬夜「最初に言ったろ?、簡単にはやられるつもりはないさ・・・」
メアリ「ぶぅっ・・・」、頬をふくらませたまま、涙目でこちらを睨んでいる。
冬夜「よし、まずは寝よう」
メアリ「えっ?!」、冬夜の遺言のようなセリフ後の素っ気ない寝る宣言に彼女は驚いていたが気にしないことにした。
冬夜「悪いな、疲れてて、もう寝るよ・・・」
メアリ「はい・・・、わかりました」
それから冬夜はすぐに眠りについた。




