特級商人
「なにそれ?って顔をしておるな。特級商人とは商業ギルドが全力のサポートをすると決めた商人に与えるランク...ランク的はAランク商人の上じゃな。」
「Aランクの上って...Aランクの商人ですらえぐい量のサポートがなかったか?その上って想像も出来ないな。」
Aランク商人、俺が図書館でみた本から商業ギルドのランクの最上級だと勘違いしていたもので、 Aランク商人へのサポートはかなり手厚かったはずだ。
「そうじゃなぁ...もし国が特級商人に喧嘩を売ったりしたら...商業ギルドはその国を離れるかもしれんの。」
「なっ...そんなことしたら所属してる商人から文句がでそうだが?」
「文句は多少出るじゃろうが、皆ついてくるはずじゃ。特級商人に喧嘩を売るような阿呆な国で営みは皆しとうない。特級商人という位はそれだけ「特級」なのじゃよ。」
「まじかよ...」
思わず俺は驚きのあまりしばらく固まってしまった。
なぜなら、商業ギルドが国から離れる、それはその国が終わることを意味しているからだ。
どういうことか?何故国が終わるのか?
それは、この世界の経済のシェアの7割強を商業ギルドが占拠しているからだ。
その驚異のシェア率の高さは、
世界中の商人が商業ギルドの元に集まっているから...
商人になるのに最も簡単な方法が商業ギルドへの登録だから...
っといった理由があげられる。そして、この商人達ほぼ全員が商業ギルドマスターの命令ならと、その命令に従うのだ。
つまり、商業ギルドのギルドマスターは世界経済の7割をやろうと思えば自由にころがせる。
世界経済の7割もあれば、それはもう世界を支配しているも当然だ。
だって、国から商業ギルドが無くなると言うことは、国の経済が止まることを意味するため、国は商業ギルドに逆らえないのだから。
そして、その世界経済の7割の支配者が目の前のムーミュだというのだから、ほんと笑えない。
「だから、表立ってあなたにばかなことをしようとするものは出てこないはず...あっ...じゃっ☆」
...世界経済の7割の支配者がコレで大丈夫なんだろうか。
「表立ってって、バカなことしてくる奴は全部は消えないのか。」
「うむ。完全にはな...そればかりは仕方あるまい。世の中には理解の範疇を超えた大馬鹿者がいるからの...」
...そうムーミュ遠い目をした。
「心当たりでも?」
「厨二病の妹が私の部屋をよく分からない液体どうしを混ぜた液体で魔法陣かいて魔王召喚の儀とかして爆発したり、暗黒ノートとかいう黒色のノートに妹が考えた言語でよく分からない文字をつづってそれを商人に売り出させたり、それが変にヒットして謎の宗教が生まれてたり...」
なかなか拗らした痛々しい妹を持ってんな!
「ぁぁ...いたたた!聞いてるだけでやべぇ、後で思い出して悶えるやつだよそれ!」
「私はもう毎日気が気じゃないよ...あっ...ないんじゃ☆」
...ん?
「ムーミュも大概厨二病な気が...」
「はえ?」
「その「なのじゃー」ってやってる感じがさ。」
「...え...うそ...うっあああ!!!」
あっ...ムーミュが急に、頭を抱えて急に苦しみだした...そうだよね。自覚したら辛いよね。
「うぅ...いいもん。なのじゃはあいでんててーだもん。」
「おっおう。そういうことにしとこうか」
「......ジトーッ」
...世界経済の7割の支配者のジト目はめっちゃ可愛かった。
厨二病になったことってあります?
...え...ない?
もしかしたら気づいてないだけで厨二病なうかもしれませんよ。