ポンコツなギルマス
一旦仕切り直すことにした。
「えと、それでなんで呼ばれたんです?」
...と本題をさっさと切り出した俺に、ムーミュは不満そうな顔をしながら...
「あー、素を出したらどうじゃ?素はもっと男らしいとみえる。」
...まじかよ...まだ元男であることまではバレていなさそうだが...
ぽんこつかと思ってたが商業ギルドのマスターなだけあって人を見る力はかなり高いようだ。
「...何故バレたんだ?」
「勘と言うやつじゃな。これでも何人も人を見てきたからねー...あっ...じゃっ☆」
気を抜くと直ぐに素に戻るようで慌てて「じゃっ☆」で誤魔化そうとする、やっぱりムーミュはぽんこつなのかもしれない...
「無理に「じゃ」って使う必要あるのか。」
「私威厳がないから威厳をだそうかなって。」
「めっちゃぽんこつにしか見えん。」
「はっ?ひど!わたっ...わらわぽんこつでないわ!」
...うん。ぽんこつじゃね?
「はぁ、話を戻すのじゃ...そなたの商品とりーとめんと?が経済の混乱を招く危険性があるのじゃ。」
「トリートメントってそんなにやばいもんだっけ...」
「とりーとめんと?によって...」
どうやって売り始めて2日で、俺の商品のトリートメントを知ったのかは知らないが、ムーミュの話をまとめると、
今まで多くの学者が髪の質をあげる研究をしてきたが、ロクに科学技術の発達のしていないこの世界では大したものは作れなかった。
そこに見違えるレベルで髪の質をあげるトリートメントが登場した。これは革命とも言えるレベルらしく、ムーミュの予想では今後トリートメントの需要は凄まじい速度で上がり続けるらしい。
でも、トリートメント作れるのは俺だけで...つまり普通に考えて需要に供給がまったく追いつかない。
それによっていくら商業ギルドに所属していても、転売、模造品を作成する、水で薄めて売る、製作者である俺を狙った犯罪、など悪どいことをするものが続出するだろうとのこと。
「んー、確かにやばいことは分かるけど経済の混乱までいくか?」
「髪好きをナメてはいかんのじゃ...髪質が良いだけでかなりモテるのが常識じゃぞ?」
そういや、髪がサラサラになったから女の子に告白されたとか言う人いたな。
「ん...え!?...ってことはムーミュすっごいモテたり?」
ムーミュの髪は、撫で心地が良さそうなほどさらさらつやつやしている。
「う...凄くめんどくさいほどモテるよ...おばばがエルフだし...」
「エルフ?」
「うん。あ、うむ。エルフは、顔も良くて髪も地毛でサラサラだから...じゃから、その影響で身長は伸びないのはどうかと思うけど。」
エルフと聞いてムーミュの耳に目がいったが別に長かったりはしていない。髪の質と長寿だけ遺伝したんだろうか。
「えと、それより...トリートメントをどうするかじゃ。今日はすぐに販売が終わったと聞いておるが...」
「あー...」
ギルドマスターだし、話してもいいだろうってことで、トリートメント計画について話してはダメなところ以外は伝えた。
「え...ほんとにそんな量産出来るの?...じゃ?」
「あぁ、売る場所さえあれば問題ないはずだが?」
「うむ。その生産量なら売り場と従業員が居れば何とかなりそうじゃな...よし、そなたを特級商人にすることに決めたのじゃ。」
なんだその特級商人って、図書館で見た本には書いてなかったぞ。
のじゃっ☆
ぽんこつキャラってなんか微笑ましくてかわいいと思いません?




