死にたい
『先日会ったユーザーさんからあまりに酷い暴言を受けたので我慢出来ず、注意喚起も含め拡散します。ユーザー名はKEYといいます。実際に何度か会った事はありますが、自分は皆とは違うといった俯瞰目線で他人を馬鹿にしています。こんな人間いるんですね』
『ちなみにこちらがその時の音声です。人に向かって死ねだなんて平気で言える神経が信じられません。(以下添付ボイス)』
【そんなに死にたかったら、早く死ねばいいじゃない】
【本当にいるんだなと思った。典型的なかまってちゃん。死にたい死にたい死にたい。毎日馬鹿の一つ覚えみたいに。大丈夫? そんな事言わないで。優しい言葉を釣るためだけの低俗な撒き餌。恥ずかしくないの? 見てられなかった。滑稽すぎて見てるこっちが恥ずかしくなる】
彼らと会った翌日、Twitterに喜助が投稿した内容だった。
立派な盗聴だし犯罪行為であるのに、そんな事より自分の正義を振りかざした酷く独善的な正義。
間違っているのは向こうだ。しかし、内容は私の発言だけを抜き取り、肝心の彼女のきっかけ部分など彼らに都合の悪い部分は全てカットされていた。
こんな愚かな内容なのに、非難は見事に私に集中した。Twitteやらjoymuの方には見知った人や、全く知らない人からも暴言を投げつけられた。
なんで。何なのこれ。
クズ。最低。死ね。
簡単に投げつけられる周囲からの暴力的な言葉。
それがどれだけ痛いか。石を投げる人間は、石を投げられた事がない。痛みも知らないから、痛みも想像出来ない。だから簡単に石を投げつける。
味気のない現実からの、一時の憩いの場だった。
だが結局ネットにすら、居場所をつくる事は叶わなかった。
自分は人とは違う俯瞰目線。
確かにそうだったかもしれない。私はどこかでずっと、ネットにいる人達の事を小馬鹿にしていた。でもそれは、逆も然りだった。
馬鹿にされていたのは、むしろ私の方だった。
現実で存在意義がないのなんて、私だって同じなのだ。
――死にたい。
あんなに忌み嫌った言葉が、私の中に込み上げてきた。