第46話 一縷の望み
在原と少女は無事、笠村のもとへとたどり着いた。
笠村は少女をみるとすぐに英語で話しかける。
「Are you that guy's daughter?」|《君があいつの娘か?》
少女は理解できない。
笠村はあえて続けて話しかける。
「daughter?」|《娘か?》
「どぅだー?」
少女は理解できず音韻情報を反響する。
その様子をみた笠村は在原に対して
「Take the money over there and leave. Don't tell anyone about me.」
|《金を受け取って立ちされ。私については他言無用だ》
と告げる。
少女は相変わらず理解できない異国の言葉にこん原と少女は無事、笠村のもとへとたどり着いた。
笠村は少女をみるとすぐに英語で話しかける。
「Are you that guy's daughter?」|《君があいつの娘か?》
少女は理解できない。
笠村はあえて続けて話しかける。
「daughter?」|《娘か?》
「どぅだー?」
少女は理解できず音韻情報を反響する。
その様子をみた笠村は在原に対して
「Take the money over there and leave. Don't tell anyone about me.」
|《金を受け取って立ちされ。私については他言無用だ》
と告げる。
少女は相変わらず理解できない異国の言葉に困惑しているが
在原が立ち去る様子をみて少女を拘束する。
少女に目隠しをして、簡易手錠で椅子とつないだ笠村はどこかへ電話を掛ける。
「The subject has been apprehended. No CIA involvement has been detected.」
暫く英語での会話が続いた。
――同時刻 霞が関
在原と笠村が作戦を遂行する中、大佐と雪乃は日本の中心にいた。
昼間からデモ行進が首相官邸付近を巡回しており、物々しい雰囲気がする。
古いワンボックスカーで移動していた大佐は少し離れた場所に車を止める。
「雪乃、もしこの作戦が失敗したら我々は重要拠点を放棄しなければいけない。」
「はい。バックアップは用意していますが、限りなく規模が縮小するでしょう。」
「そうだな。ひとまずは人々の良心が未だ健在であることを祈ろう。」
暫くすると、警察の機動隊が現れた。
首相官邸付近のデモを鎮圧するためだろう。
大佐は警察車両が過ぎ去ったのを、荷台確認して座席を隔てる壁を二度叩く
それを合図に完全武装の集団が扉を開け、すぐそばの建物へ移動した。
MoRSは数々の部署に分かれているが、中でも武力をもって実働を行う
部隊は厳しく秘匿されており、MoRSの表向き組織図には存在しない
MoRS Paramilitary Multiple Operations Officer 通称MoRSPMと名付けられたその部隊はCIAの準軍事担当官を参考に、より高度に迅速に行動を完了できるように訓練されている。
通常、MoRSPMを使用する作戦で、外部の人間にその行動について知られるような作戦は標的の抹殺にのみ限定されるが、今回は違う。
建物の中に入って1分ほどたったのち、大佐に連絡が入る。
「HVT確保」
大佐はその連絡を受けて車を出る。
建物に入り、最上階へ向かう。
最上階はフロア全体が居住スペースになっており、入り口を抜けるとMoRSPMの人員が大佐に随伴する。
「Colonel, The subject is not speaking. Behavior is cooperative.」
|《大佐、対象は協力的ですが何も話しません。》
MoRSPMはあえて英語を利用して大佐に報告を行った。
「Rojer.」
|《了解》
通路の奥にある扉を抜けると、そこには日本国総理大臣の姿があった。




