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天上のダイアグラム  作者: R section
第3章 価値の器

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第43話 顕現する影

偽造通貨の流通が明るみになってすぐ、殆どのATMやPOS端末では該当の偽造通貨は利用できなくなった。


もちろん、国民は大混乱であり、その影響は計り知れない。


――12月5日 千葉県 有名なテーマパーク


大佐は雪乃と構成員二人を伴い、テーマパークのレストランで食事をしていた。


「えっと...大佐?」

「やめろ、俺らには理解できない。」


構成員の2人は共にこの非常時になぜ娯楽を満喫しているか気になって仕方がない様子だ。


「お二人とも、落ち着いてください。目立ちます。」


こんな状況であるが、終始冷静な雪乃に2人は困惑している。


「ですが...」

「では、雪乃さん一つ聞いても?」


「はい。なんなりと」


3人で会話が進む中、大佐は携帯端末を凝視して何も話さない。


「ではお言葉に甘えて、今回の件ですが調律は可能なのですか?」


「もちろん。それは間違いありません。」


「なるほど。ただ、これは我々のできる領域を逸脱しています。」


「いえ、領域の範疇です。ただ、大佐が考えるは私すら考えつかない第三の選択です。」


「そういう事ですか。」


今回随伴している構成員はあえて男女1名ずつである。


その中の男性構成員である”笠村”は疑問だった。


MoRSがその正体を明るみにして、国家や世界のかじ取りをした方がよっぽど効率的なのではと


以前からそのことについて疑問が絶えなかった。


今回に限っては、そのチャンスとすら思えていた。


ただ、その行為に及ぶどころか遊び惚ける大佐を見て、不信感すら抱きそうになっている。


しかし、雪乃の回答で笠村は理解し思い出した。


我々MoRSは影の調律機関、破壊でも独裁でもない。


第3の均衡こそが本分であると。


「はぁ...なんか笠村まで納得してるじゃないですか」


一方女性構成員の”在原”は取り残されていた。


「在原さん。あなたは今回重要な役割があります。」


雪乃がおもむろに話す。


「というと?」


「在原さんは基本的に頭脳で物事を進行するタイプではありません。代わりに、その対話能力があなたの武器です。だから作戦に起用されました。」


「まあ、そうですけど」


いまいち要領を得ない説明に困惑する在原だったが


「在原、安心しろというか深く考えるな」


「笠村...」


暫くして


「各々、本分を理解したな。作戦概要を説明する。デサンクタムへ」


大佐がついに事態を進めた。



――同時刻 MoRS本部 幽世 指令セクター


時刻は12:00、ちょうど雪乃が在原に説明をしていたころ


しずめはとある構成員と共に、指令セクターにいた。


「しずめちゃん。これから今回の作戦について説明するから一緒に聞いててくれる?」


「浅茅さん。分かりました。」


”浅茅 澪” 女性 28歳 独身


構成員の中でも、役割の大きいものは特殊構成員として扱われる。


浅茅もその一人であった。


MoRSはボランティアで行うものがほとんどであるが、特殊構成員は表向きは一般企業の社員となっているが


その実、一般企業とはMoRSが所有する技術開発企業や資金繰りの企業であり、実際には本部や支部で各々の能力に沿った形で働いている。


浅茅は日本の名家、いわゆる旧華族の出身であり、運動能力と知能共に高水準である。


「皆さん。本日はお集まりいただきありがとうございます。今回本部で指揮を行う浅茅です。」


「お!浅茅さんだ」

「やる気でてきた」


浅茅の挨拶に指令セクターがざわつく、女性の指揮官はめずらしいためだろう。


「お静かに、早速ですが作戦の説明に入ります。まず、作戦名ですが”霧影作戦”とし、通用名を恵比寿とします。」


作戦名には必ず影という字が起用される。


これは、大佐の希望であるが単にかっこいいからではない


我々MoRSは何があっても世に露見してはならない。


そのことを作戦中忘れないためである。


但し、〇影作戦は非常に長い。そのため日本語で3文字程度の通用名という該当の作戦を意味する隠語が用意される。


「霧影作戦の目的は、日本国における通貨の概念を守ること。」


場がどよめく


「皆さんの考えていることに大佐はすでに回答しています。大佐の回答は”この作戦はいわば防衛線である。”です。」


どよめきの理由、それは通貨の価値が大きく変動し、経済活動が停滞することで日本の経済損失が大きくなる。


そうすれば日本の経済に消えない傷跡を残し、確実に国民が困窮する。


であるのに概念を守れと言われ、どよめいた。


浅茅の説明は続く、その裏で大佐は何をするのか


事態は確実に進行している。


──EIRENE:接続確認。調律開始。

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