表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/11

前編

 周りは、見渡す限りの砂漠である。


「置いて行かれましたわっ」

 ”ネムリネコ”は大声を出した。

 黒くて三角の猫耳が、ピコピコ動く。


『アレク様達から伝言があります』

 メイドチョーの姿をしたナビゲーターだ。 

 

『ランク、ssssssssssssssssssss(20個)のパーティーである、”アレクとキャットガーディアンズ”に緊急クエストだそうです』

『この先の砂漠のオアシス都市、”サシャ―ト”に、ワイバーンを神の使いとあがめる、”ハイリザードマン”の軍隊が攻めてきているようです』

『その数約5千』 

『オアシス都市から可能な限り離れろ、とのことです』


「!、ナビゲーターッ」


「心得ております」

 瀟洒な礼をする。

 


『”置き去り“の回数が規定値を越えました』


『チートスキル、”完全自律報復型、移動要塞、クレイジーキャット”が、|完全思考同期型装甲巨兵ドレス”ケットシー”に進化します』


『ふふっ、私を使いこなしてくださいませ、ご主人様』


「……当り前ですわっ、 ()()()の居場所を特定しなさいなっ」


 全高約7メートルの女性型巨大ロボットが召喚される。

 魔女の服装に魔女の杖。

 三角帽子には、ネコミミが生えている。

 目をつぶった美女の顔はどことなくネムリネコに似ていた。

 軽鎧をつけた胸部装甲が前に開く。

 飾り気のない椅子に座った。


「10年前のただ眠っていただけの私ではありませんわっっ」 


 ”マネキネコジャンプ”発動。

 姿を消した。



「マリッサはネムリネコと残って欲しかった」

 リーダーで戦士のアレクだ。

 ダークマターで出来た大剣を構える。


「我が愛弟子に幸多からんことを」

 シーフのゲンゴローである。

 シノビ装備に、右手にムラマサ、左手にマサムネ。

 クリティカル率は、120%を超える。


「……死ねないわっ」

 女魔術師のマリッサだ。

 お腹を愛おし気にさする。

 宇宙世界樹で出来た杖を構えた。


「マリッサさんだけは死なせない」

 女司祭のシスティナである。

 聖戦(ジハード)装備の白い機動甲冑パワードスーツを纏っている。

 アーマースカートに、方形シールド。

 ロケット付きのハンマー装備だ。


「痛みを消してきた……」

 モンクのフルードだ。 

 阿修羅流格闘術の禁忌技だ。

 腕がもげようが、足が取れようが、戦い続ける修羅と化す。


「……おいでイルク……」

 エルフのエルファフィンである。

 長髪がショートカットになっている。

 乙女の髪を犠牲にして、”風の精霊王”を召喚したのだ。


ベルト(弾薬)が何時まで持つか」

 ドワーフのドワイトだ。

 両手にミニガンを装備している。


「……前に同じ場所に、ネムリネコを追きざりにして10年か……」

 ハーフリングのハフアである。

 ニャンタの、70式中戦車の銃座についた。


「ワイバーンのような亜竜に心を奪われおって」

 ドラゴニュートのバハムだ。

 背中に竜の羽、手に竜の爪、半竜状態だ。 


「……この装備を出すとはな……」

 猫系獣人のニャンタである。

 70式中戦車。

 正規軍時代に、上官の命令で町一つ、女子供関係なく殲滅した過去がある。


「いざとなったら置き去りにしてくださいっっ」

 荷物持ちのポータだ。

 あらゆるチート展開が、パーティーを助けるだろう。


 ”サシャ―ト”の町の前に、5千のハイリザードマンが整然と並んでいた。


 

 戦いは苛烈を極めた。

 ハイリザードマンは一人一人が優秀な魔法戦士である。


「ベルトッ、ベルトはどこだ」

 約三分の一くらい減らしたところで、弾切れが起き始めた。


 風の精霊王は、巨大な竜巻を起こした後消えていった。


「うおおおおおお」

 アレクが黒い大剣を振りかざしている。


 ゲンゴローが目の前の敵と、隣の敵の首を跳ねる。

 クリティカル率、120%とはこういうことである。

 

「させないっ」

 マリッサに襲い掛かろうとしたハイリザードマンを、システィナがロケットハンマーで吹き飛ばす。 


「連環獄炎鎖っ」

 マリッサの最上級炎魔法である。

 胎教に悪そうだ。


 70式中戦車には二、三体、取りつかれていた。

「ハフア逃げろっ、自爆させる」

 ……遂にお前たちの所に行けるのか? 戦友……

 ニャンタが自爆ボタンを押そうとした

 その時、


 ドカドカドカドカ――ン


 樽爆弾の絨毯爆撃だ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ