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修行 

短めかもです


「ん?ここは?」


目が覚めて、一番最初にウォーカーの目に飛び込んできたのは見知らぬ天井だった。


「おおぅ、気が付いたかこのやろぉ」


ウォーカーの寝ている寝具の横には、いつもと変わらない飄々とした態度で、にやにやするベルクの姿が。


「むぅ、一発殴り返して、気づいたら壁にたたきつけられてたっ、てとこまではおぼえちゃぁいるんだが、ここは?」


「ここは、医務室だ。

おめぇのいう通りのことが起こった後、気絶したおめぇを俺様が運んだんだぜ?」


「そう、だったのか、、、」


「なんだなんだぁ?その顔はぁよぉ?」


自身がなぜ気づいたら壁にたたきつけられていたのかがわからないウォーカー。

そんな、ウォーカーに疑問を持ったのか、ベルクは話しかけてきた。


「いやなに、なんで、俺は一瞬のタイムラグもなしにやられたのかが疑問なんだ。

どんな、魔法でもヒトガタでも、そんなことが可能なのかってのが疑問なんだ。

お前は、審判の位置からどう見えていた?」


ウォーカーの疑問にベルクは真剣に考えるも、結局出た答えは「分からん」の一言だった。

それから、ウォーカーの頭の中には疑問が渦巻いていた。

ベルクは、自身にくだされた命令を思い出すと、ウォーカーに着替えをするように催促した。


「そうだった!お前とこんな話してる場合じゃねぇんだった!

おい!ウォーカー!そんな、病人の着るような服じゃなくて、いつもの服でもなんでもいいから、着替えろ!」


そんな、ベルクの慌てた様子にウォーカーはため息を一つつくと、いつもの服に着替えた。

そして、ウォーカーの着替えを確認したベルクは、ウォーカーを連れて、医務室を出た。

ウォーカーは歩きながら、端的にベルクの命令の内容を聞かされていた。


「とりあえず、おめぇを魔王様直属部下ってことにして、役職を授けてぇんだとよ」


「あん?部下だぁ?そんなん聞いちゃぁいねぇぞ?」


「そんなもん、今初めて言ったんだ当たり前だろ。

それに勘違いすんなよ、魔王様は別によこしまな考えでこれを決定したんじゃねぇ」


「だったら、なおさら意味が分かんねぇぞ?」


「まぁ、なんだ、魔王軍も一枚岩じゃねぇんだよ。

四天王の皆さん方はまだしも、昔からいやがるの貴族様ってのは、魔王様の弱みを握りたがっていやがる。

そんな中で、どこの馬の骨かもわからねぇような奴に魔王様がやられそうになったってことになりゃぁ、やれ世代交代だの、暗殺だのが起こるかもしれねぇ」


「だからってなんで俺を部下になんかに、それも直属の」


「んまぁ、簡単にいやぁ、あれは採用試験みたいなことにしちまおうって話よ。

しかも直属の部下の採用試験っつーならよ、魔王様が直々に行ったのも、渋々だが納得させられる」


「事情は分からんでもない、、、、つかよぉ、そんなことより、これはなんとかできねぇのかよ?


すれ違う、使用人や貴族と思われる魔族たちが好機の目線をウォーカーに向けてくるのだ。

そんなウォーカーにベルクはいたずらな笑みを浮かべるとある、噂をウォーカーに耳打ちした。


「おまえがお嬢様を惚れさせたって噂が流行ってんだよ、みんなそれについてこそこそやってんだろうよ」


「何だぁ、そりゃぁ?俺のどこにあのお嬢さんとそんな機会があったってんだ?

少なくとも俺から見たら第一印象最悪だったぜ?

目つきがなんだのって」


「ふふふ、お強いお強いウォーカーでもこれまではわかねぇのかぁ」


「てめぇ、、、後で聞かせてもらうぞ?」


「はいはい、それよりもこの中に入ったら、お前は魔王様直属の部下になるんだ、上っ面だけでもきちんとしろよ?」


二人の会話が終わる前に、二人はいかにもな大扉の前についていた。


「あぁ、分かってる」


「おう、じゃぁいくぜ」


ベルクの手によって開け放たれた、扉の中には数十人の身なりのいい貴族と思われる者たちが、大道の両横にひしめき合い。

大道の先には、明らかに貴族とは一線を引いているのを感じさせる四人と、玉座で横にメアを携え笑みを浮かべるゼロムスの姿があった。

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