ざまあみろ
突然だが、俺は俺をそれなりなクズだとおもう。
いや、別に自虐じゃなくてだな。
本当に嫌なやつだと思った。
自覚はある、それは勿論だ。
俺は分かっていてそう生きてきた。
例えばそうだな……
近所で有名な不良が俺の友人に絡んできた時には、俺は知らん顔して通りすぎる。
そして友人に助けを乞われても涼しい顔で赤の他人宣言をするであろう。
他には……
悪友に引き摺られ学校近くのスーパーで悪友が万引きの共犯にしようとしたら、遠慮なく学校とスーパーの店員に悪友に内緒で報告する。
そして捕まっても知らん顔で悪友と別れ家に帰り。
次の学校ではなにもなかったかのようにその悪友に話し掛けるだろうな。
昨日は残念だったなって。
まだあるぞ……
あれは中学の頃の体育大会のリレーだったな。
生憎俺は運動が苦手で、あまり足は速くないんだ。
それで、俺は上手く足が早い奴の後の順番にして。
見事暫定トップの位置まで走ってくれた友人とバトンタッチをした。
まあ、すぐに追い付かれるのは目に見えてる。
仕方ないので追い抜かれる瞬間にバレないタイミングで足をかけ全員転ばせて悠々自適なランニングをして次のやつにバトンを渡したな。
まあ、最後のは少し詰めが甘かったと思ってる。
それはともかく、俺は嫌なやつだとわかってもらえただろうか。
しかし、若い頃は色々やんちゃぐらいするだろう。
若気の至りですむと思っていたんだろう。
それは大きな間違いだと気付いた。
気付いたのはつい数分前……
俺はいつも通り学校をのんびり過ごし、何をしていたんだったか?
そうだ、いじめを傍観したいたんだったか?
いや、俺は個人的にいじめはやる方とやられる方、どちらも悪いと思っている。喧嘩両成敗だ。
つまり俺はこのいじめをやってる奴とやられている奴の両親にチクっていたんだったな。
そしてそいつらの両親がくる前に担任にチクり、下校したんだったか?
そしてその下校途中に悪友に絡まれ金を貸してくれと言われたから警察に通報する降りをして逆に巻き上げて懐を暖めていた所だ。
後ろから数名の叫び声が聞こえたんだ。
男一人と女数名のだな。
振り向いたらそいつらがこっちに走ってきて助けてくれと叫んでいた。
当然知らない奴を助ける義理も、知ってる奴を助ける意味もないから見捨てた。
近くのコンビニ寄って帰ろうとやつらを無視して行こうとしたら誰かに後ろから後頭部を殴られた。
朦朧する意識は置いといて、俺を殴った奴は一人しかいない。
悪友だろう。どこから拾ってきたのか角材持っているし。
そして追い付いた五月蝿いやつら。
そして笑いながらこっちを見る悪友。
そして光に包まれる前に意識を失う直前に奴はこういった。
ざまあみろ
そして俺はおもった。
いや口に出したのかもしれない。
「あっ、そうか。これが世間によく聞く因果応報か……」
───と。
目が覚めたら森だった。
ここから始まるのは。
誰にもわからない。
誰にも知らない。
そんな物語だ。
ぶっちゃけ因果応報じゃなくて自業自得かな?と思います。