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星環プラネリア  作者: たなばたばたばた
19/21

19話 最後の記憶

閲覧ありがとうございます!

今回もよろしくお願いいたします

水星「まず、みな」

太陽「皆、星の状況を報告してくれ!」

太陽さんは水星ちゃんの言葉に被せるように司会を進める。

話聞いてる感じ、わざとだろうなぁ。

だって、太陽さん…暁さんは仕事ができる人間だし、

周りにも気遣えるし…。心痛むけど、仕方がない。

水星「あっ、あのっちょっと、」

太陽「水星!君はどうだい?状況は。」

水星「いっ、いま、今の気温は-160度、ぐらい、です…。」

太陽「うむ、いつも通りだな。それじゃあ皆の者!報告を!」

金星「いや〜またテンションあがりすぎちゃって

風びゅーびゅー!だしアツアツ!!だよ!」

地球「世界中が大災害に…なっちゃって……。

さっき、たくさん泣いたから、雨で、浸水とか……。」

まぁ月くん…偉月くんと一緒に泣いたけど、

多少雨が降っていただけだ。ここは嘘をつかないと……。

月「ぼく、興奮しすぎてね、

昼の気温が平均超えちゃった。130℃ぐらいかな。」

水星「え、あの、ちょっと…!あ、え……」

……もう少しだ。目が潤んできてる。あれは

もうほとんど思い出してるけど、

知らないフリをしているんだろうなぁ…。

木星「回転速度が早かったないつもより…。やばかったよ。」

土星「今日は!やばかったですわ!!

秒速777メートル!でしたわ!わたくし、

イライラしてますの!!」

水星「お、おい…おいてか、ないで…待って…」

天王星「…僕の気持ちが落ち込んでいたからかな。

やっと42年まって、昼が来たのに、すぐ夜に……。」

海王星「なんか、やばかった気がする。」

太陽「ふむ、今日は異常だらけだな!

皆、どうしちゃったの?!困ったら我を頼れよ〜。

それでは私も報告を……。

太陽フレアが怒りそうになった!危ない危ない!」

水星「ぐず……ぅ……ぁ……」

水星ちゃんは涙を流しながらも、まだ耐えようとしている。

…もう、大丈夫だろう。ごめんね…。

今、助けてあげるから…。自分は水星ちゃんに近寄る。

地球「…もう、《我慢》しなくていいんだよ。

《一人》で《背負う》必要はないよ。」

水星「!…あなたに、…あなたたちに!

水星の…”ちせ”の気持ちが分かるわけないですッ!!

だって、だって……。ちせが、やらないと…みんな……。」

…名前までわかっている。これはもう、

記憶を完全に思い出してる。

月「何?自分が動かないと

みんなしっかりしないと思ってるの?」

水星「そ、そうじゃないですか!会議、前だって!

関係ない話はするし、太陽は頼りないし!!」

水星ちゃんは泣きながら、大声で本音をぶちまける。

でも、月くんからしたらそんなのお構いなし。

月「…いや、今日の太陽さん、司会頑張ってるよ?

何、自分が1しっかりしてるとか思ってるの。

…もう、お前は、《いらない子》、だよ。」

そ、それはまずいんじゃ……。

水星「水星、ちせ…《いらない子》…?《いらない子》、

《いらない子》《いらない子》《いらない子》!!

嫌だ!ちせを、《見捨て》ないで!!

《いい子》になるからぁ!!お願い!!《助けて》!!」

だめだこれ!記憶を深堀しすぎてパニックになってる…!

ど、どうしたらいいの……?!と、思っていたら…。

太陽さんが水星ちゃんを抱きしめた。

太陽「…辛かったよね、ごめんね。

でもこれをしないと、水星も、みーんな、救われないの…。

だからね、水星はね、《役に立った》んだよ。

ちゃんと、みんなのために色々してる、

《いい子》なんだよ。」

水星「太、陽、うぅ……。

ありが、とう…《必要》としてくれて……。」

太陽「…落ち着いてからでいいから、

思い出したこと、話してほしいなっ。」

水星ちゃんはそれから、見た目通り、子どものように、

太陽さんに抱きしめられながら泣き続けた。

自分たち、天体たちは静かに見守った。


小糸ちせ(こいと ちせ)!ちせです!

ちせは、お母さん、お父さん。どっちも大好きでした!

…でした。…お父さんが、お星様になっちゃいました。

ちせはよく分からなかったです。

なんでお星様になったの?いなくなったの?

それから、お母さんの様子はおかしくなりました。


お母さんがお布団から出てきません。しんどいのでしょうか?

…部屋、散らかってきたなぁ。そうだ!お掃除しよう!

そしたら、お母さんも元気に……!

掃除機を手に取り、スイッチを押すと……。

「何、してるの?やめてよ勝手なこと!!

何?ママがしっかりしてないのを見下してるの?!」

「ちせ、そんなこと…思ってな…」

「うるさい!思ってるくせに!!」

…そこで、ちせは初めて、お母さんに殴られ、蹴られました。

壁に吹っ飛ばされても、続けて暴力を振るわれ……。

「……あんたなんて、いらない子。」


次の日、学校に行きました。

そしたら先生に呼び出されました。

「そのアザ、どうしたの」って。

「お母さんに殴られたり蹴られたりしたんです」

とちせは言った。そしたら理由を聞かれて……。

その場はそれで終わりました。

でも、言うんじゃなかった、と思いました。


「お母さん!助けて!見捨てないで!」

「…私には、この子を育てれる自信がありません。

…今すぐにでも、殺したくなるんです。

私を犯罪者にする前に、そいつをどっかやってください。」

「お母さん!!お母さーん!!」

ちせがどれだけ泣いても、

大人の人はちせに耳を貸しませんでした。


みんなで暮らす、施設という所で生活することになりました。

最初の頃は、お母さんに会いたくて、毎晩泣いていましたが、

先生に「我慢しなきゃ。嫌われるよ」と言われてから、

必死に泣くのを我慢しました。泣いている場合ではない。

この子たちを…支えてあげないと…。

誰かの役に立っていないと、

ちせは生きている意味がなくなります。

お父さんと同じように…お星様にならなきゃいけなくなる。


「〇〇ちゃん!ご飯中におもちゃ触らない!

〇〇くん!人の食べ物食べちゃダメ!!」

ちせは、誰かを正している時に生きがいを感じます。

役に立ててるなぁって。みんなのために!頑張らなきゃ!


そんな日々を3週間ほど過ごしていると……。

□□ちゃんに呼び出されました。

「どうしたの?そろそろご飯の時間だよ、

今日はオムライスだって!楽しみ!

…お母さんのオムライス、また食べたいなぁ……。」


「そういうとこだよ!!」


「え?」

「ママに捨てられたくせに、

自分に価値があると思いやがって!

ムカつくんだよ!ちょっとは痛い目味わって目を覚ませ!」

ちせは、□□ちゃんに後ろに押されて……。

後ろは階段。押されたまでしか意識はない、です。


水星「…色々、説明ありがとうございます。

ちせは…お星様になっちゃったのですか?」

太陽「…そうだね、お星様になっちゃったね。

水星だけじゃないよ。私たちもみんなお星様になったの。」

地球「…でも、自分たちは消えなきゃならない、

お星様なんだよね。」

水星「それはなぜ…ですか?」

月「みんなが、幸せになるためだよ。

ここにいるお星様はみんな、不幸せ…

《見捨てられた》人がくる場所なんだ。」

水星「それは…消えなきゃ、だめですね……。

幸せにならなきゃ、だめです。

…それで、ちせが最後なんですよね?」

月「そう、だから、もう消える準備…

成仏する準備は完璧だよ」

水星「……消える前に、言わせてください」

太陽「どうしたの?」

水星「今まで足を引っ張って…ごめ、んなさい……」

太陽「いやぁ?私が記憶戻るまではすごく助かってたよ!

……サボれたからな。」

一瞬、太陽さんが前に戻った気がする。

水星「そう、言ってもらえるなら、

嬉しいです…ありがとう。」

地球「せっかくだし、成仏する前にみんなで……」

月「いや、もうあとでみんなで成仏しよう。」

地球「な、なんで……?」

月「みんなを、早く、解放してあげなきゃだから……。

こんなとこにいても、仕方ないことだから……。」

地球「そんなことないよ!!」

月「え?」

地球「みんなで過ごした太陽系は思い出だよ。

だから、最後ぐらい、楽しい思い出作って、

楽しい気持ちでさよならしようよ!」

太陽「いいね〜!何するか、考えちゃうよ!」

水星「楽しいこと…したいです」

金星「いいじゃーん。かけっことかどう?」

火星「金星姉ちゃんがやりたいだけじゃん!」

木星「のんびりお話するのもありかもね。」

土星「おいしいものを食べるのもありですわね!」

天王星「最後までご一緒させてもらうよ。」

海王星「最後ぐらい…ね。」

月「……分かった、ならみんな少し疲れただろうし、

ゆっくりしてからまた集まろう。」

太陽「それってどれぐらいゆっくりするの?」

月「水星での1日ぐらいかな。」

地球「分かったよ、ちなみになんだけどさ。

成仏って、どうやってするの?」

月「そんなの、決まってるじゃん。」


月「信頼している天体とキスをするんだよ。」


その瞬間、空気が固まった。

地球「と、とりあえず詳しいことはあとで……。」

天体たちは様々な表情を浮かべながら、

集まりの場から去っていった。

閲覧ありがとうございました!

次回も数少ないですが、よろしくお願いいたします

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