風邪をひいちゃった 後編
僕は彩がベットで大人しく寝ている間にリビングからパソコンを取ってきて自分の今日の仕事を始める。
彩は何か悪い夢でも見ているのかたまに「うぅ」と魘されている。僕はその度に手を握ってあげたりする。
「美優…」
彩が僕の名前を呼ぶ私はその声に返事をするがただの寝言のようだった。
彩は体調管理はしっかりとしているので風邪をひくのはとても珍しい、僕はこういう日のためによく調べ物をしていたので看病は普通にできるはず。風邪をひいたり体調を崩すと人間は急に寂しくなったり心細くなったりするだから僕は彩の傍をなるべく離れないようにした。
「んん…あれ、寝てた?」
彩は目が覚め起き上がる。
「うん。3時間くらいかな?」
「ずっとここに居たの?」
「うん。約束したからね。」
「なんの?」
「ずっと居るよー。って、お水飲む?」
と僕は聞くと彩は首を縦にコクッと小さく頷いた。
水の入ったペットボトルを渡すと彩はそれを飲み始める。パソコンの隣に置いておいた体温計をペットボトルと交換で渡すと体温計をを脇に挟んだ。
ピピピと体温計が鳴って体温を確かめる。
「うん。十分下がったね。」
「ほんと?起きていい?」
「んー、念の為今日は様子を見ようか。」
「えー!」
彩は子供のように駄々をこねる。僕はそんな彩を見て少しだけ笑顔になる。
「ひまー」
と彩は不貞腐れる。
「じゃあお話する?」
「する!」
本当に小さな子供みたいだなっと美憂は心の中で思った。彩は足を布団の中でパタパタさせながら僕に話しかけた。
「夢の中でね、イルミネーション見る夢みたの。」
「綺麗だった?」
「全然。」
「え?なんで?」
「だってね、隣に美優が居なくて美優がね、私じゃなくて、妹と一緒にイルミネーション見ててね、私泣いちゃったの。」
「なにそれ…夢の中の僕最低だね。」
「うん。ほんと最低。」
夢の中の僕のことなので僕自身では無いのは確かだし僕の最優先は彩だ。生きることはその次に優先される。だから夢の中の僕が最低だとしてもなぜか僕自身に言われてる気がして少しグサリとくる。
「分かった。じゃあ今度彩の体調が回復したら一緒にイルミネーション見に行こう。冬になってきたしやってる所はやってるよ。」
「ほんと!?」
彩がスゴく笑顔になった。その顔を見て僕はとても嬉しくなるこの笑顔を見るために僕が今ここで生きている気がする。
「うん。だからゆっくり休んで体調回復させようね。」
「…もしかしてイルミネーションはただの名目?」
ギクッ…
「…そんなことないよ?」
「反応遅かった!最低、美優!」
「僕、彩とイルミネーション見に行きたいなあ。彩が行きたくないって言うなら他の人…」
と少し冗談を言って彩の方を見ると彩はとても悲しそうで今にも泣き出しそうな顔をする
「なんでそんなこと言うの?」
「嘘だよ?嘘だからね?」
「嘘!」
「彩とじゃないと僕イルミネーション見ても楽しくないなあ。彩と一緒にイルミネーション見たいよ〜。」
「んもー。しょうがないなあー!」
良かった機嫌直してくれたようだ。
「イルミネーション、約束だよ?」
「うん、楽しみにしてるね。」




