LMKW30
[4日目]
バルトロンがバジリオンボルトをショーテルで受け止める。まあ、そりゃ感電するよな。
「あがあばがばあがばば・・・」
髪の毛がプスプスしてるけど多分まだ動くだろう。
俺はその後もバジリオンボルトを連射しながらショーテルの攻撃を回避する。12発撃った辺りでバルトロンも流石に学習した様で、バジリオンボルトを回避しだした。次の手に移るか。
「【バジリオンボルト】。【バジリオンボルト】を短剣に付加、【迅雷剣(魔剣)】!!」
バジリオンボルトを付加して、斬りかかる。ショーテルを打ち込む度にバルトロンにダメージを与える。バジリオンボルトを防いだ時に与えられたダメージよりも少ないが、しっかりダメージを与える事が出来ている。
「ぐうぉおヴォぐううあぐああぁぁぁあああ!!」
「腕が痺れて来たな・・・」
打ち合っていると意外と腕が痛いな。フェイ達も後ろから援護射撃してくれている。
右から迫ってきたショーテルを摩耶が髪の手を風で切り裂く事で防いでくれる。左から来たショーテルは俺が剣で受け止めた。髪からでは電気が通りにくいので本体の腕で攻撃してきた所を俺が受け止める様にしている。
左上からの攻撃はミカヅキが割り込んでカチ上げる。ミカヅキにも攻撃が流れるがその攻撃はアルファが魔法盾で止めてくれた。そして止めた髪をフェイがナイフで切り裂く、そのフェイを狙っての攻撃を摩耶がエルブリットで牽制する。
こんな感じで皆が皆をサポートしながら戦っている。そして、バルトロンのHPが1割を切った所で変化が生じた。
「ぐおおおぉぉ小賢しい!!我が身を煉獄の炎で燃やせ!【秘術:髑髏変化】!!!」
「なあ!?」
「気持ち悪い.......」
バルトロンの肉が爛れ始め、最後は骨だけになった。髪が無くなったのは有り難いがバルトロンのHPが満タンに成り、LVが 80 になったのは戴けない。
『我にこの力を使わせたのは褒めてやろう。だがこの力を使ったからには貴様達に明日は無い。』
「そんな事無いもん!!」
そう言いながらミカヅキが接敵する。斧を大きく振りかぶってバルトロンの頭と言うか頭蓋骨を攻撃するが、軽く右手で止められてしまった。
「ミカヅキ!一旦下がれ!」
「お兄ちゃんまだ行け――」
それ以上ミカヅキの言葉は続かなかった。髑髏の中に浮かぶ赤い光が膨張し、目の穴から飛び出した。目から出たレーザーは一瞬でミカヅキのHPを 0 にした。
アレは危険だと本能が告げていた。俺は咄嗟に焔翔を使い空中に回避した。近くにいた摩耶は助けられたがフェイとアルファもレーザーを喰らってしまった。
「フェイ!アルファ!大丈夫か?」
「........ごめん.......ユキさん........」
「すみません、あと頑張って下さい・・・」
眼下の砂煙が晴れたと同時にフェイとアルファも消滅した。残ったのは俺と摩耶だけに成ってしまった。
「くそ、フェイとアルファまでやられた!」
「白君!!今はアイツを倒す事に集中して!!」
俺が頼りなかったのだろう。摩耶から叱咤を受けてしまった。
確かにその通りだ、今はアイツを倒す事が先決だろう。俺は1度大きく深呼吸して状況を確認する。
敵はLV 80 の恐らくアンデット系モンスター。有効な攻撃は光属性の攻撃だろう。生憎俺は光属性の攻撃は使えない。なら・・・
「摩耶、光属性の魔法は覚えてるか?」
「うん、でも防御魔法だけ。」
「そうか、ならATKとMATKとSPDの付加あと防御魔法でのカバー頼む。」
「うん、分かった。【付加・ATK・MATK・SPD】!!」
摩耶の付加を確認した後、俺はイベントリからロングブレードを取り出す。このロングブレードはドウナの使っていたロングブレードだ。性能がかなり高かったので拾っておいた。
「焔よ来い【焔翔】、焔よ来い【焔翔】。」
焔翔の3重使用。連続使用すると消費MPが40......80.....160......320・・・と増えて行くので、今は3重までが限界だ。途轍もないMP消費のかわりに焔の強さも3倍だ。
俺は摩耶に守って貰いながらMPを7割程回復し、魔剣を使用する。
「【爆裂】、【爆裂】、【爆裂】!!!【爆裂】を異蛇双頭に3重付加!!【灼熱剣(魔剣)】」
今の爆裂で40MPと灼熱剣で200MPと計240MPを消費した。MPはほぼ空になったので再び摩耶に守って貰いながらMPを回復する。フェイの回復薬はやっぱり回復量が多いな。絶対にフェイの為にも勝たないとな。俺はそんな事を思いながらMPを全回復させた。
「摩耶、後は自分を守る事だけに集中しててくれ。」
「分かった。頑張ってね白君。」
「おう!」
俺は一旦地面に摩耶を降ろす。
そして一瞬でバルトロンの眼前まで飛ぶ。俺はすれ違いざまに勢いの乗った一撃をバルトロンにお見舞いする。両手でガードしたようだが灼熱剣の威力を完全には殺しきれていない。
その後も俺はバルトロンに容赦ない連撃を叩き込む。
「うら!てりゃ!だあ!おら!やあ!たああぁあぁあああ!!」
『何故だ?何故、我が押されている?我は秘術まで使ったのだぞ?』
「たあ!うらぁ!でりゃあ!やあ!!」
『負けぬ、我は負けぬぞー!!【呪術:骨復活】』
カタカタと音を立てながらバルトロンが呪術を発動させる。すると、砕けた骨の欠片がバルトロンの元に戻って行く。張り付く度にバルトロンは回復して行く。
「やらせるか!清水、神水、聖水、疎は純なる氷を産み出す素材なり【氷槍】!!【ウィンドシュレッド】!」
俺は氷槍とウィンドシュレッドでダメージをさらに上げる。氷槍で凍った場所は回復出来なくなるようだ。
「まだだ!」
俺は右手に残った魔力の全てを込めて、エアスラッシュを放つ。乗せたMPは270今までで最高威力だ。
右足が凍って動けなくなっているバルトロンにエアスラッシュが直撃する。同時に暴風が起こりバルトロンが粉々になった。だがまだHPは残っている。俺は全速力で飛び、髑髏を真二つに割った。
『バカな、我が負けるなど、ありえ、ぬ・・・』
そう言い残しバルトロンは消滅した。
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戦闘終了
「撃破ボーナス」
・0 EXP+0 EXP 0/0
「BOSS撃破ボーナス」
・23000 EXP+5980 EXP 2/2
「ドロップアイテム」
・無夢の骨 ・呪われた髑髏 ・盗賊の首領の帽子
※ クエスト『盗賊団の討伐1』をクリアしました。
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更新遅くなりました。今日はお昼の間忙しく執筆が止まっていました。これからもう1話、気合で書き上げます。少し遅れた場合は申し訳ございません。