輝いて見える
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あの日、大勢の人の前で婚約破棄を言い渡された忌まわしい場所ーー「大講堂」のはずなのだけど……
「始業式の日は胸が苦しかったのに」
何も感じない。始業式なんてつい1週間前だったのに……不思議。
「あれ?前はあんなに近づくのも嫌だったのに……」
私の手を握り、半歩前を歩くディックも不思議そうにわたしと同じ感想を口にした。
「ふふっ」
なぜかはわからないけど、「彼と思考が被った」と思ったら嬉しさから笑いが溢れた。
「ん?」
そんな私をディック見つめてきたので、
「私も同じこと思ってた」
と笑って伝えた。さっきとは違って、思ったことを素直に伝えられた。
「そっ、そうか」
ディックは私の手を握っている手と反対の手を頬に移動させると、指先でぽりぽりとかき始め、視線をやや上に逸らした。
「ディックって照れたり、なんか恥ずかしいと感じた時って視線を上に逸らすわね」
最近になって気づいたディックのクセを指摘。
「……ああ!早く踊りてえな!みんなどんな反応するかなあ!」
私の指摘に目を丸くし、その目で右手を見つめると、サッ!とズボンのポケットに入れ、視線を床へと動かした。
「そして、図星をつかれると視線が必ず下へ行く」
さらに指摘すると、
「……お前、エスパーか?」
と聞かれた。
「今のは当てずっぽうで言ったのだけど合ってたの?」
「……さーて!本番が始まるなぁ!気張って踊りますかあ!!」
事前に割り振られている定位置に到着した瞬間、ディックは私の問いに答えず、一歩下がると準備体操を始めた。
「わかりやすい……と、そろそろ本番ね。気を引き締めないと!」
指揮者がタクトを振り上げ、それに合わせてオーケストラが息を吸い込み、
「んじゃ、楽しみますか!」
「ええ、誰よりも楽しみましょ!」
私とディックは互いの手を取り合い、体を近づけると頷き、楽器が奏でる音の波にのる。
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