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奇跡編

「私は神である」


「春だな。もうそんな季節か」


「おい、テメーそりゃどう言う意味だ!」


「言わなくてもわかんだろ!


変なのが湧く季節って意味だよ!」


「お前!まさか私の事を信じてないのか!?」


「アンタが嘘ついてるとは思わねーよ。


ただアンタが思う『真実』が世の中じゃ受け入れられねーだけだよな」


「私をとことん信じていないな?


どうすれば信じてくれるのか?」


「面倒くせーな。


俺は『お前の事を信じたい』なんて一言も言ってねーじゃんか!」


「私が信じて欲しいのだ!」


「うわっ!


かまってちゃんかよ!


参ったな・・・。


バイトの時間があるから早くどっか行って欲しいんだけど。


そうだ!


神なら『神の奇跡』起こせるだろ?


アレ起こしてみろや。


そうすりゃ信じてやるよ」


「あー・・・『神の奇跡』ね・・・。


結構大変なんだよな。


出来れば起こしたくないんだけど。


他何かないの?」


「あっそ。


別に見たくもねーや。


アンタが『神って事を証明したい』って話だったよね。


別に俺はバイトの時間に間に合えばそれで良いや」


「わかった!


じゃあ明日!


明日絶対『神の奇跡』見せるから!」


「何で明日なんだよ?


今見せてくれよ」


「どこでもかしこでも簡単に奇跡が起こせると思うなよ!


準備だって必要だし、モーゼだって海がないところで海割れる訳ないだろう!」


「わかったよ。


じゃあ明日どこで奇跡見せてくれるんだよ?」


「えーっと・・・じゃあ『石田のローソンの前』?」


「だからそりゃ一体どこの『石田』だよ!


もっと神聖な場所で奇跡起こせよ!


何で『ローソンの前』で奇跡起こすんだよ!


しかも自信無さげに疑問形だし!」


「聖地なんて『奇跡が起きた場所』であって、奇跡が起きるまでは何て事がない場所なんだよ!」


「じゃあ『石田のローソンの前』が聖地になるのか?」


「お前が私を崇めるなら『石田のローソンの前』が聖地になる可能性は高いな。


じゃあ明日『石田』のバス停に朝の9時集合な?」


「ちょっと待て!


どこの何県の何市にある『石田』だよ!?


行っちまった・・・しょうがねー。


前にローソンのある近所の『石田』ってバス停、ネットで探すか」





~翌日 朝9時 石田 バス停~

「おぉ!よく来たな!『神の子』よ!」


「何が『神の子』だ!


『石田』見つけるの無茶苦茶大変だったぞ!


さあ、こんだけ苦労したんだからちゃんとした『奇跡っぽい物』見せやがれ!


一晩やったんだから、ちゃんとしたトリック仕込んだんだろうな!?


チープなモン見せたら承知しねーぞ!」


「チープかどうかはお前が自分を鏡で見て判断しろ。


お前の身体の変化を『チープだ』と言うなら私にはお手上げだ」


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