ネカフェ編
「持ち込み自由。シャワー完備か・・・」
終電を乗り逃してネカフェで一晩明かす事となった。
ビジネスホテルに泊まるよりも、タクシーで家に帰るよりも断然ネカフェで一晩明かした方が経済的だ。
しかし目移りしてしまいどこに入って良いのかわからない。
正直カラオケが出来ても一人でカラオケをするきにもならないしダーツなんて夜通しする気もない。
だいたいインターネットダーツって何だ?ダーツが何でインターネットなんだ?
いい加減どこかに入らなくては休めないし眠れない。
俺は目の前のネカフェに入る事にした。
ネカフェのブースには当たりと外れがあるらしい。
俺は横になって寝るために『フルフラット』のブースに入った。
しかし、寝ようにも隣からすごい鼾が聞こえて来た。
起きてメディアの音をだしている内はまだ気にしないようには出来た。
しかしいざ寝ようとした時、やはり強烈な鼾の音がどうしても気になった。
フロントに席を替えてもらおうとしたが「只今満室のため席の移動は出来ません」との事。
そうは言っても席にはいたくない。
席にいたら鼾を大音量で聞かなきゃいけない。
「参ったな」と思いながら俺はネカフェの中をウロウロする。
テラス席で腰を下ろそうにも、その席も満室で埋まっていて下ろせない。
満室でウロつけない。
鼾で自分の席にも戻れない。
俺はドリンクバーの前で途方に暮れる以外になかった。
すると店内の一角に空いている席の一角があった。
その席はガラスに囲まれている。
「禁煙席か・・・しょうがない。
一晩くらいタバコは我慢するか・・・」
俺はガラス戸を開けて入って行った。
良い香りがする。
香水でも撒いてるのかな?
いや、香でも焚いてるのかな?
タバコの臭い消しだろうか、喫煙者は非喫煙者にここまで迷惑をかけているのだろうか?
タバコの臭いは香水や香で多少は紛れるかも知れない。
でも、非喫煙者で「香水や香の臭いが苦手だ」という者は我慢するしかないのだろう。
よし、決めた!
たった今から禁煙だ!
「明日から・・・」がズルズルやらない原因になってしまう。
俺の決意は固い。
今までに「禁煙に五回成功した」なんてヘラヘラ笑ってたけど、本当は禁煙に四回失敗したのだ。
もう六回目の禁煙はない、これで終わりにする。
そのためにも、この禁煙空間で一晩すごしてやる。
あ、そういやフロントに禁煙席に移るって一声かけないと。
「えーと、禁煙席は只今満席ですが・・・。
あ、女性専用フロアであれば空席はございます」
先程、入って行ったガラス張りの部屋の前に立て看板があり、こう書かれている。
『この先は女性専用フロアとなっております。
男性の方は決して入室しないでください。
男性の方が入室した場合、一切の責任は当店では負えません』




