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スマホ編

 両親が厳しく高校生にもなってスマホどころか携帯電話すら持たせてもらっていない。


 「持たせてもらえないなら自分で作れば良いじゃない」という事で、高校で科学部に所属している僕は自分なりに色々調べてスマホを作成する事にした。


 僕だって本当にスマホが作れると思っている訳じゃない。


 せめてアマチュア無線チックな物が作れれば良いな、と思っている・・・それで僕の作った物を見て「そんなにスマホが欲しかったんだ」と両親に思わせてスマホを買ってもらおうという下心もあったりする。


 第一段階では見た目はスマホで機能としてはトランジスタラジオのような物を作る事とした。


 「スマホのような見た目」という事が一番大切な事だ。


 見た目がスマホに見えないと両親に全く「スマホが欲しい」というアピールにならない。


 材料は秋葉原で買ったスマホと携帯電話とラジオのジャンク品。


 まともに動くとは思っていない。


 目的は別にある。


 動くわけがない・・・はずだった。


 スマホもどきの液晶には『メル友募集中 090-○○○-○○○○ 男 22歳 橘祐樹』という文字が浮かんだ。


 科学部の部長に見せると「親父に聞いた昔のショートメールの文面みたいだな。


 ホラ、30文字以内だろ?


 それに携帯番号の真ん中の部分が3ケタだろ?


 携帯番号が増えるまでは昔、携帯番号の中央は3ケタだったらしいよ。


 それに昔は『090』から始まるデタラメな番号にショートメールを送ってメル友探したらしいよ」


 部長は「まるで昔からショートメールが来たみたいだ」なんて冗談めかして言っているけれど僕には妙に生々しくリアリティのある部分があった。


 『橘祐樹』僕の親父と同姓同名だ。


 そして22歳という事は、母親の妊娠を知って責任をとって結婚する寸前だ。


 もちろん産まれた子供は僕だ。


 そして中心が3ケタなので多少は違うが昔から携帯会社も携帯番号も変更していない親父と携帯番号が酷似している・・・というかほとんどそのものだ。


 わかっている。


 こんな偶然があるわけがない。


 仕組みは僕にはわからない、わかる訳がない。


 でもハッキリ言える事がある。


 このスマホもどきは17年前からショートメールを受け取っている。


 そしてこのスマホもどきはスマホや携帯を改造した物で受信機能だけではなく、送信も出来るはずだ。


 つまり僕は17年前にショートメールを送る事が出来るはずだ。


 僕は17年前の親父とお袋とメル友になった。


 お袋の古い携帯番号を調べるのは骨が折れたが、親父の古い携帯にはお袋の古い携帯番号が登録されており、何とかお袋ともメル友になる事が出来た。


 僕はどうにか「生まれてくる子供にスマホをもたせるように」と二人を洗脳しようとした。


 だけどどんな文面を送れば良いのだろうか?


 スマホなんて影も形もない時代を生きる二人をどのように説得するのがベストだろうか?


 そうだ、スマホのGPS機能だ。


 子供にGPSつきのスマホを持たせる親も少なくないらしい。


 不安を煽って、家族への監視機能がスマホにある事を知った時それに飛びつくんじゃないか?


 それだ、そうしよう。


 17年前の親父には「アンタの彼女、僕とメル友になってるよ。これって浮気じゃない?」


 17年前のお袋には「君の彼氏、彼女がいながら僕を女だと思ってメル友募集してたよ」というショートメールをそれぞれに送った。








 「男女産み分けのコツは男女がラブラブだと男の子、アッサリしていると女の子が産まれやすいと言われています」テレビの産婦人科医が言う。


 なるほど、ラブラブだった両親が僕の送ったショートメールが原因でケンカしてしまったから・・・ 

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