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【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
魔石を削ってできたカス。
これを桜香の炎で加工すると、ドロドロに溶けた液体へと変わった。
炉の熱気が肌を焼く中、わたしは次の工程へと移る。
「その棒で何をするんだ……」
トーチカさんが、いぶかしげに目を細める。
わたしはスキルで事前に加工しておいた鉄の筒を用意した。
ドロドロに溶けて赤く発光する液体の先端に、静かに鉄の棒を突き入れる。
そして、大きく息を吸い込んだ。
「ふううううっ」
筒の端から思い切り息を吹き込む。
すると、液体の先端がぷくうっと膨らみ、まるでシャボン玉のような丸い球体が形作られていった。
「な、なんだこれはっ」
「ガラスだよ。ガラス」
「が、ガラス。ガラスだとっ。ば、馬鹿な……あれは、加工がとても難しいはずだぞ……」
機械化されていないこの異世界では、ガラスの加工は極めて難易度が高い。
ゆえに、貴族の屋敷や王族の城といった、身分の高い者たちが暮らす場所にしか窓ガラスなどは使われていない。
ところが、だ。
魔石を原料にしたガラスは、こんな素人の子供ですら簡単に加工できる。
濡れた布で拭き、くるくると棒を回して形を整えるだけで、あっという間に美しいグラスが完成した。
「じゃーん。どうかな」
「し、信じられん……ごほごほっ」
トーチカさんは杖を取り落としそうになりながら、わたしの作ったグラスを見て目を丸くしている。
「こんな素人のガキに、加工できるほど……簡単なんて」
「魔石を必要とされる温度まで上げるのが難しいんだけどね。でも、その後の加工は凄く簡単なんだよ」
魔石は微弱ながら魔力を帯びている。
そして魔力は、術者の精神力に大きく作用するものだ。
魔石を削ったカスは、その特性上、精神、つまりイメージの力を非常に反映しやすい。
だからこそ、頭の中で思い描いた形へと自在に加工できるのだ。
「それに見てよ。この美しさっ」
「……まるで、芸術品のようだな」
カツン、とグラスを指で弾くと、澄んだ高い音が工房に響き渡った。
魔石が本来持っていた属性の色が、そのまま透明なガラスの色として定着している。
光に透かすと、ただのガラスよりも遥かに美しく、幻想的な輝きを放っていた。
「ほらね、カスにだって使い道は。って、どうしたのっ」
わたしが振り向くと、トーチカさんの顔はくしゃくしゃに歪んでいた。
深く刻まれた皺を伝い、ポロポロと大粒の涙をこぼしている。
「すまなかった……。勝手に自分と重ねて……カスだと見下していた……」
「トーチカさん……」
ポツリと漏らした彼女の言葉に、わたしは静かに目を伏せる。
気持ちは痛いほどよくわかった。
これまでも、同じような事例を何人も見てきたからだ。
老いて捨てられた者は、自分自身を無価値だと思い込んでしまうのだろう。
「大丈夫。無価値なんかじゃないよ。君もこのグラスのように輝けるからっ」
わたしが完成したばかりの温かいグラスを手渡す。
トーチカさんはそれを大切そうに両手で包み込み、ボロボロと涙を流しながら、何度も深くうなずくのだった。
【お知らせ】
※9/6(日)
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