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侵略!アルバン独裁王国!その27

お疲れ様でございます


い か ん ―――


またうっかり閑話休題ばっかり書き続けるところでした


閑話休題、野球編の冒頭を書き出したところで、ハッと気づきました


これ始めると多分、そのままソフィのなつやすみに入ります


本編が進まねえ…


さておき、本日のキララ、どうぞ

こちらはナイジャン、改めて新フェルナンド城 ―――


新といっても建て直した訳ではなく、名前が変わっただけで元の古い城のままである


そしてこの城には、夏での問題点が一つ有った



あっついわ…



寝室のベッドの上で、フェルナンドは寝付けずに寝返りを打っていた


湿度はそれほどでもないのだが、日光に晒され続けた石の壁が熱を持ち、夜になっても城内の室温を30度以上に保っているのである



このままでは脳ミソがだってしまう…


そう判断したフェルナンドは、とりあえず馬を駆って海まで走り、すっ裸になって海に浸かって体を冷やした


大きめの波が来て、バシャッと顔にかかるフェルナンド ―――



しょっぺえ…


…塩ならこんなに、ここにあるのにな…



海水から製塩する方法は昔からあるが、これには大量のまきが必要となる


水分が全部蒸発するまで、海水を火にかけていれば出来る


だが国民が日々暮らし、冬を越すのに必要な量の薪を確保する為には、塩を作る為の薪が足りない


塩さえ手に入れば、生のままでは腐る魚を売り物になる美味しい干物にする事が出来る


塩無しで干すと、ナイジャンの環境ではちょっと腐臭がして食えたものではない代物になるのだ


隣のカルナックから岩塩を買えるといえば買えるのだが、一壺で銀貨5枚とかいうお高い代物であり、こんな物を使って干物を作っていたのでは商売にならない



フェルナンドは打ち寄せる波に洗われながら、星空を見上げて悩み続けていた ―――


そのまま寝そうになったら波を被って海水が鼻に入ったため、フェルナンドは帰って寝る事にした



そして翌日 ―――


コン、コン…


「入るがよい」


解決の糸口が見えない問題に、またもやヤダー、と天井を見上げて顔を左右に振っていたフェルナンドだが、スクッと姿勢を正した


「フェルナンド様、アルバン宰相ダリ様とアキラ様がお見えです」


「オオ、ここに通してくれ」


「はい」


そうして執務室へと入って来た二人 ―――



「どうもフェルナンド殿。その後は如何(いかが)でしょうか?」


「ようフェルナンド。冷たい麦茶とわらび餅を持って来た」


「ようこそダリ殿、アキラ殿。まずは席の方へとどうぞ」


手でうながされて席に着くと、挨拶や世間話などを始めるフェルナンドとダリ ―――


アキラはティーカップとわらび餅のお皿とフォークが無いので探しに行った



「…なるほど、塩ですか…ちょっと難しいですね」


フェルナンドから塩を手に入れたい、という話を聞いたダリは悩み始めた ―――


アルバンから薪を供出する事は出来るといえば出来るが、経済が豊かになってきたアルバンはこれから人口が増え始めるところである


先々を考えるのであれば、限りのある燃料は減らしたくない


「ですか…いえ、これはご無理を申してしまったようで…私にも分かってはいたのですが…」



二人して困った顔をしていると、ティーカップとお皿とフォークを持って来たアキラ ―――


「どうした二人とも、そんな顔して。お茶にしよう」



冷たい麦茶 ―――


市販のものではなく、自分で焙煎ばいせんして香ばしさMAXになったところで火を止めてすぐに淹れた逸品である


飲んだ後に僅かに残る焦げの苦みがハードボイルドなアキラの主張であり、魔族的にはそこがたまらない



わらび餅 ―――


市販のわらび餅粉ではなく、自分でわらびの根をって来て作ったものである


叔父の家が所有する山に自生している為、勝手に採って来ている


きな粉をまぶして黒蜜をかけており、正直甘い



「これはアキラ殿、お手をわずらわせてしまったようで…では、頂きます」


暑い日にグビグビ飲む冷たい麦茶と、同じく冷たくて甘いわらび餅は美味かった ―――



それから海水から塩を作りたいが薪が足りない、という話を聞いて考え始めたアキラ ―――


ダリにはティンと来るアイディアは無かったが、アキラにはティンと来た


「どれ、ちょっと俺ん家に行こう。やり方を見せる」



ゲートを潜ってアキラん家に行く三人 ―――



アキラがPCを起動して検索を始めてしばらくすると、その画像が出て来た


フェルナンドはベルタを連れてお買い物から帰って来たザムダとバッタリ出会っていた ―――



え…誰?…



NewニューClearクリアーのスニーカーを脱ぎながら、フェルナンドを見ているザムダ ―――


「どうも初めまして。ナイジャンが国王、フェルナンドと申します。貴女あなたのお名前は?」


「アッ、ハイ。カザロフのアスモデウスが傘下、ザムダと申します」


「オオ…どうぞよしなに…そちらの子は?」


「ベルタです。はい、ベルタ?」


「ベルターーー!!」


笑顔で手を挙げて、元気に自己紹介するベルタ ―――



ンー…前歯が一本無いな…


ちみっこか…


かわいい…



それからトテトテとテーブルに走り、梅干し風味のラムネを空けて一つ持ってフェルナンドに差し出すベルタ ―――



「ウン…ありがとう。頂くとしよう」


食べてみると、しょっぱいというか甘いというか、微妙な味だった ―――


「あった。これだ」


アキラはそれの名前を忘れていた為、検索に手間取っていた



流下式枝条架塩田りゅうかしきしじょうかえんでん ―――


竹を細かく割いたものに少しずつ海水を掛け、風で乾かして海水の塩分濃度を上げるという製塩方法である


濃縮されたのち、平らな塩田で日に干された海水が更に濃縮される事により、塩を作る為に要る薪は比較的少量となる



「…こんな物が…これはどうやったら作れるのですか?」


画像を見ながら説明を受け、真剣な眼差しでアキラを見るフェルナンド ―――


「ウン、まず大量の竹が要るな。それから塩田の底には黒いシートを張るんだ。こうしてやると熱が溜まって水分の蒸発が早まる。どれ、竹の方は俺が切って来よう」


アキラは大量の竹が生えており、切ってくれた方が有難いという場所を知っていたので、そこに行って有るだけ切ってまずはカザロフへと運んだ ―――


バゲンを通じて大勢の大工を呼ぶと、まず一本自分で竹を割いて枝条架の見本を作り、みんなに見せた


それからしばらくすると、流石にこんなに要らないだろって数の枝条架が完成した ―――



「出来た。これを組んで上からポタポタと海水を垂らすんだ。そうしてやると風で乾いて海水が濃くなる」


「なるほど。その後は?」


「黒いシートで作った塩田に、その濃縮された海水を流して日光に晒す。こうしてやるとどこまでも温度が上がっていって蒸発し、更に濃縮される。その後、火にかけてやれば塩の完成だ」


「オオ…」


あまり雨が降らない気候であるナイジャンでは、薪になる木が少量しか育たない


だが雨が降ったのでは、折角濃度を上げた塩田は台無しになる


ナイジャンとは、塩を作る為には最適の環境だったのである



それからしばらくのち、ナイジャンでは塩の生産が始まった ―――

キャラ設定・フェルナンド ―――


アストリア王国が第一王子、ウルブリヒトの長男です


次期アストリア王となる事はほぼ確だった為、徹底した教育を受けて育ちました


弟のエドガルドはそれを支える為、軍務の道を選び、アシュフォードは私のポジションってどこなんでしょうね、と悩んでいました


身長178㎝、体重68㎏、灰色のちょっと長い髪におヒゲ、軍人かってくらいに厳しい顔つきですが、これは己の責務を自覚している為であって、中身は別に怖い人でもなんでもありません


早く結婚して子供を作れとウルブリヒトに急かされていたフェルナンドでしたが、お見合いしたのは何を企んでいるんだコイツ、といった目つきでこっちを見て来る女ばかりだったので全員お断りしてまだ独身です

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