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カザロフ兵団副団長、選抜試験!その11

お疲れ様でございます


ンー…


天気が悪いと外出する気がなくなりますね


まあ雨が降ってくれないとダムの水源地が干からびて困るんですけど


あとコンビニ飯がやたら高いなと思っているそこのアナタ、ご飯を炊いておにぎりを作ってみて下さい


丁寧にラップをして密閉性を高めると、冷凍してチンしてもいけます


さておき、本日のキララ、どうぞ

キュレーネが目を開けると、そこは救急治療室であった ―――



「…ここは?…」


「気がついたか。まずはゆっくり動いて体の調子を確かめるんだ。あとコイツをやろう」


アキラが差し出したのは、さっきまで作っていたクマのぬいぐるみであった ―――



わあ…でっけえ…


フワフワ…かわいい…



「そいつは試作品2号でな。友達の子供の為に作ってたんだが、ちょっとデカくなり過ぎた。出来は悪くないと思うんだが」


あんまり聞いてなかったキュレーネは、ぬいぐるみを抱えてボフッと顔をうずめてみた


目が覚めたらこんなに嬉しかった事など初めてである



「大丈夫そうですね。じゃアキラさん、帰りましょう」


「ああ、お前ん家でいいか?」


「はい。じゃあニルス、夕飯前には戻るから」


「はい、行ってらっしゃい」



ヴーーーン、と地上へのゲートを開いて、その中に入って行くアキラとポチ ―――


あっ…ぬいぐるみのお礼がまだ…


ナチュラルかつ流れるようにベッドから立ち上がったキュレーネは、ごく自然に3人目としてゲートを潜っていった ―――



あっ?…


止めるのが間に合わなかった…


すみませんポチさん…あとは自力で何とかして下さい…



キュレーネが持つ18の不幸特質のうちの一つ、問題児トラブルメーカー ―――



誰にも悪意など無かったし、誰も望んではいなかった面倒事 ―――


だがしかし、起きてしまうものは起きてしまうのである



「じゃあな純平、終わったらまた送るから電話してくれ」


「ハイ、」


両腕をカギの字に構え、グググ、と力を込めるポチ ―――


するとどうだろう、その姿は見る見るうちに人間へと変わり、見目麗しい銀髪の青少年が姿を現した



見ちゃった…


呆然として立ち尽くすキュレーネが、ボトッと熊のぬいぐるみを落とす ―――



ン?…


なんでこの、こっちに来ちゃってるの?…


首のかしげ角度80度、無言でキュレーネを見つめるアキラと純平 ―――



「…あの…違うんです。ただこの子のお礼が言いたかっただけで…見てません…」



ウン…


見たか見てないかって認識があるって時点で、アナタもう知っちゃってますよね?…



途端に純平の肩を抱え、小声でボソボソと喋り出すアキラ


「…どうする、純平…色々バレちまったぞ…」


「どう、って…まずは一旦落ち着いて考えましょう。とりあえずアキラさん家にこの人を連れて行って、見てて貰っても良いですか?こっちの用を済ませてすぐ連絡します」


「OK了解。じゃあ俺の方は来ちゃったもんはしょうがないか、って感じで時間を潰しておく」



コクリと頷いた純平、手を挙げてキュレーネへと話しかける ―――



「あ、キュレーネさん、俺ちょっとこの近くで用があるんで後で合流します。とりあえずアキラさんと一緒に居てて下さい」


「あっ、はい」


そう告げると純平はどこかへ向かう素振りを見せつつ、適当にその辺に隠れた ―――



「よし、じゃあキュレーネ、着いて来てくれ。俺達は物資の調達だ…その前にその翼なんだが、地上こっちだとちょっと目立つな。何とかならないか?」


「えっと、隠しておけば良いんでしょうか?こうしておけば…どうでしょう?」


キュレーネが翼をたたむと見る見るうちに小さくなっていき、背中に収まってあざのような模様へと変わった ―――


「問題無いだろう。後はそうだな…その恰好もなんとかしておこう…なんか返り血とか付いてて通報されかねない気がする。ちょっと待ってろ」



スマホを取り出して電話をかけ始めるアキラ ―――



プルルルルル…プルルルルル…


「はい。アキラ?」


「ようザムダ。今ちょっと時間取れるか?面倒見てやってほしいヤツがいるんだが」


「何それ?アタシじゃないと駄目なヤツ?」


「女なんだ。冥界あっちから来た。服を見立ててやってくれ」


「ンー…良し、分かった。ところでアタシ、気になってた革ジャンがあるんだけど」


「やれやれ…あんまりたかってくれるなよ?じゃあすぐに迎えに行く」



ゲートを開いて虚空に消えたアキラは、速攻でザムダを連れて戻って来た ―――



「こいつだ」


「やあ、私はザムダ。アンタは…」


ザムダ、絶句 ―――


さっきってきましたって感じの血糊ちのりが顔やら服やらにベットリと付いている ―――


「ウン…これ多分、人に見つかったら5秒で通報されるヤツだわ…一旦帰るわよ?」



そんなこんなで3人してアキラん家に戻り、現在キュレーネはシャワーを浴びている ―――


「ちょっとアキラ、何なのよアイツ…お尋ね者をかくまうってワケ?…」


「いや、アイツはまたすぐ冥界あっちに戻る。その辺は気にしなくていい。とりあえず、知らない人が来たけど地上観光楽しかったね感を演出してくれ。何事も無く純平が戻るまでの時間を稼げたらそれでいい」


「OK了解、ところで純平って誰?」


ああもう、そこからだった…


「アッさんの所で仕事してる俺のダチだ。冥界での名はポチ、銀髪だ。もうあれこれ説明している時間が無い、以上だ」



アキラがそう言い終えるや否や、ガラッと風呂場の扉が開く音がした ―――



ハッ、と反応したザムダが速攻で風呂場へと向かうと、全身濡れたままで大事な所だけ手で隠したキュレーネが出てこようとしていた ―――



「ちょ、待っ!!ハイこれがタオル!まず拭いて!これがドライヤー!髪はこっちで乾かす!服を着て!」


それからバタバタと走って行ったザムダは、自分の下着の上下と服を取って来てキュレーネに押し付けた


「あ、どうも…こうでしょうか?」


顔にパンツを押し当ててグググと引っ張り、パン!と覆面のように装着したキュレーネ ―――



違う、そうじゃない…


それじゃ変〇仮面だ…


ワザとか?…天然なのか?…



一発で腹筋を貫かれたザムダは、細かく震えながらその場に崩れ落ちた ―――

体にくっついた悪霊おぶつですか…


私のが取れるのはいつなんでしょうね


誰彼構わず迷惑をかけるのが生きがいな模様です

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