カザロフ兵団副団長、選抜試験!その7
お疲れ様でございます
たまに脳内再生される曲が2つほどあるんですが、誰の何て曲なのかが分かりません
それなんて曲?…
一向に答えが出る気配はありません
さておき、本日のキララ、どうぞ
「煉獄に渦巻きし荒れ狂う炎、今ここに顕現し我が敵を討て!出でよ、炎の処刑人!!」
詠唱と共に両手で持った剣を頭上で大きく一周させ、キュレーネの足元をめがけて振り抜くワイス
渦巻く炎が迸り、キュレーネが立っていた場所に巨大な火柱が立つ ―――
「斥力の羽根」
横っ飛びに炎を避けたキュレーネが翼を広げた瞬間に一直線でワイスの目前へと迫り、手にした槍を突きに行った
ガキン!! ―――
刀身に掌を当て、剣を縦にして前に突き出し、十文字槍の横から出た刃に当ててそれを受け止めるワイス
「フフ…このまま試合場の外まで押し出してあげましょう」
グイグイと槍に力を込め、ワイスを退がらせていくキュレーネ
「…オボエタゾ…」
突如、ワイスの剣の柄に着いたドクロが声を発した
「!?」
「集エ集エ、未練ノ塊。命ノ灯、掴ムベシ。怨霊ノ手」
この声は正に、悪霊…
嫌悪感から全身に鳥肌が立ったキュレーネの足首が、ガシッ!と見えない何かに掴まれた
「ウッ!」
ガシッ!ガシッ!ガガガガガガッ!! ―――
次々とキュレーネの五体を掴み、その自由を奪ってゆく見えない無数の手 ―――
「クックックッ…どうだ、身動き一つ取れまい…もしこれが試合じゃなかったら、お前の精神が崩壊するまで弄んでいるところだ…さて、さっさと場外に落としてやるとしようか」
よっこらせ、と固まったキュレーネを押し、グッ、グッ、と一歩ずつ場外へと向かうワイス
「ちょっと待って?…さっきの剣は何なの?」
「まあ知るまいな。そいつは落としてから教えてやろう」
「あら、良いの?試合が決まれば歓声で誰にも聞こえなくなるわ。今なら皆聞いてる」
おそらくワイスはこの剣を自慢したいだろう ―――
そう踏んだキュレーネの、乾坤一擲の賭けである
何を考えているコイツ…だがしかし言われてみればその通り、ここは一つ商品の売り込みをしたうえでコイツを落とすのが正解だろう…
邪悪な囁きなら年間数本は製作できる…いや待て、そこをきっかけに他の商品も売れるかも知れない…そうなれば資金不足で開発が頓挫していたアレとかコレとかも作れる…
「フッフッフッ…よくぞ気づいたな、キュレーネよ。そうだ、これがこの剣、邪悪な囁きの力だ…」
剣を高々と掲げ、ゆっくりと周囲に見せつけて回るワイス ―――
「さっきのオボエタゾ、というのは、武器を打ち合わせる事でこの剣がお前を敵として認識した、という意味だ。その後は剣が全自動でお前を攻撃してくれる。攻撃だけではないぞ?この剣は主が危なくなれば、守ってもくれる」
「「オオ…」」
良し、聞いてる聞いてる…
「この邪悪な囁き、我がワイス商店にて取り扱っている…安い代物ではないが、なに、命と栄誉の値段と思えば決して高くはない筈だ…我こそはと思わん者は、まずはお手に取って確かめてみてどうぞ…」
「「ウーン…」」
もう一押し足りないか?…
特典…そうだ、何か特典を…
ワイスがそんなこんなをしている間に、見えない怨霊の手を一つずつ浄化して動けるようになっていたキュレーネ ―――
「セイッ!」
ワイスの背面から肩車の体勢で飛び乗るキュレーネ、そのまま天を仰いで両手を振り上げると、ワイスの頭を両脚で挟んだまま後方へと一回転した
リバースフランケンシュタイナー ―――
一回転して相手の後頭部をマットに突き刺すという、非常に危険な大技である
ガコン!と良い音がして意識が飛んだワイスは、よっこいしょ、と両脚を持たれてそのまま場外に捨てられた
「しょ、勝負あり!勝者、キュレーネ!」
突然の幕切れに、言葉もない会場 ―――
それを意に介する事もなく、ペコリと一礼してさっさと試合場を後にするキュレーネ
悪霊に触ってしまったからさっさと身を清めたいのである
「シグナス、今の試合はどう見る?」
「そうだな…実力的には恐らくワイスの勝ちだったろう。さっさと試合場から落としておけば良かったものを、なんでそうしなかったんだか…」
「そいつは俺にも分からん。ところで4人出揃ったな。シグナスとベルサリオ、俺とキュレーネだ。じゃあ決勝で会おうぜ」
「ああ、決勝で会おう」
そう言ってその場は分かれた二人だが、控室に戻ってみると4人とも同室だった
軽く気まずい空気を無かった事にしながら、シグナスとアランは黙ってお茶をすすっている ―――
オウフ、物資が色々切れている
買いに行かねば…




