カザロフ兵団副団長、選抜試験!その5
お疲れ様でございます
なんでしばらく書かなかったのかって?
状態が悪過ぎたからです
さておき、本日のキララ、どうぞ
「今度はシグナスとフィッツの試合か…ニルス、一杯賭けないか?」
「じゃあシグナスに」
「同じか。何手目だと思う?」
「初手で決まると思います」
「フフッ…賭けにならないな」
ポチとニルスの見立て通り、フィッツのフェイントを無視して真っ直ぐ突いたシグナスの剣はフィッツの喉元で止まった ―――
「ウッ…!」
「勝負あり!勝者、シグナス!!」
一礼して試合場を下りるシグナスとフィッツ
フィッツが下を向いてとぼとぼと歩いていると、こっちを向いて立っているサリーナの靴が目に入った
下を向いたまま、ちょっと待ったハンドを差し出すフィッツ ―――
「…いや待て。何も言うな…少なくとも俺は、お前が負けた時に言葉で死体蹴りするようなマネはしてないぞ?」
「ひょっとしてアンタ、一丁前にへこんでるのかい?」
華麗に勝って女の子達に良い所を見せたかったフィッツは、実際へこんでいる
「…ウッセー…俺はお前と違って繊細なんだ。もういいか?」
「戦ってみてどう感じた?」
「…ありゃ何回か戦ってみたら勝てるってタマじゃねえ…ポチさんより強えかもな」
「…さっき少し話したんだが、自分の事を剣聖と言いそうになった。本当はシグナスじゃなくてシグルドかも知れない」
まじで?…
剣聖シグルドといえば子供の頃に物語で聞かされた、はるか昔、魔界統一戦争が始まった頃の英雄の名の一つである
あとなんだっけ…不滅のアムストラウス…神竜ゾディアック…精霊王イシュヴァルド…
伝説の中の登場人物じゃないか…
「へッ、冗談きついぜ。まだ生きてる訳がねえ。大方そうやって自分の名前を上げてやろうって魂胆だろ。真に受けるなそんなもん」
手をひらひらさせ、聞いてられっかと言わんばかりにフィッツは帰って行った ―――
帰って次は弓の練習、良い矢だけを選んで矢筒に差していく
残念ながら得意の騎射は試験項目ではなかった為、立射の勘を磨いておくつもりである
「次の試合、ベルサリオ対ガベル!両者前へ!」
くわっと欠伸をし、気だるい様子で前に出るベルサリオ ―――
まだ12時間マラソンの疲労から回復しきっておらず、なんとか、といった様子のガベル ―――
開始の合図と同時に飛び込んだベルサリオの前蹴りを踏ん張って耐えることが出来ず、ガベルは丁度ピッタリ試合場から落ちて失格となった
「勝負あり!勝者、ベルサリオ!」
「ぐむ…足さえ万全だったなら…」
「そこは参加者全員同じ条件なんだから文句言うな。俺はお前を負かさなくて済んでホッとしている」
ガベルがブン、と振ったパンチを綺麗に躱し、次は自分が試合場に上がるアラン
「じゃあ、俺が副団長になったらアラン様って呼べよ?」
「さっさと負けてこい!」
「では次の試合、フリーダ対アラン!両者前へ!」
さて、俺の相手は女か…
軽装の革鎧に片手槍と盾…速さと距離の取り方で勝負してくるタイプだな…
「始め!!」
アランの見立て通り、フリーダが槍を構えると槍の穂先から盾までが遠い
その向こうにある体を打とうと無理に踏み込めば、盾で防ぎつつ、槍で突きつつ相手は下がっていくだろう
試しに何合か打ち合ってみると、やはりフリーダは自分が絶対的に有利な間合いでしか勝負して来ない、といった立ち回りをしてきた
アランの片手剣と盾では、一方的に攻撃される展開にしかならないのである
「…めんどくせえな。そういうの嫌われるとか思った事ない?」
「キライで上等だね。あたしゃ自分が勝ちゃそれで良い」
「そうかい、そいつは気が合うな。俺もだ…よっ!」
声と同時に、盾をフリーダに投げつけるアラン ―――
これを盾で弾くフリーダ、視界が塞がれたその一瞬にアランは投げた盾の内側に隠し持っていた柔らかくしなやかな鞭をフリーダの足首に目がけて放った
「ウッ!!」
巻きついた瞬間にグッと引き、体重をかけてその鞭をグン、と蹴るアラン
片足を持ち上げられて引っ張られる形となり、トッ、トッ、と跳ねたフリーダはアランの足払いを食らってその場に倒れた
それと同時に、喉元に突きつけられる片手剣 ―――
「勝負あり!勝者、アラン!!」
敗北を認める気は無かったフリーダだが、動く前に審判の宣言が上がった事でその体からは力が抜けていった
「アランって言ったね…次があったら徹底的にブチのめしてやる…」
「やれやれ、とんだじゃじゃ馬だな。味方同士でそういうの止そうぜ?」
飄々(ひょうひょう)とした態度のアランに、負けた悔しさが増す一方のフリーダ ―――
やっぱりコイツ殴ってやる…
そう決めた瞬間に後ろから首根っこを掴んでグイッと持ち上げられた
「こら、何をする気だ。お前の試合は終わったんだ。潔く認めるがいい」
「はなっせ、この!誰だー!!」
「ようシグナス。助かるぜ」
片手をスチャッと上げて応え、ジタバタもがくフリーダを地面に押し付けて上に座るシグナス ―――
「は、な、せ…!」
「今放したらまた殴りかかるからダメだ。そら、次の試合が始まるぞ」
「では次の試合、ワイス対キュレーネ!両者前へ!」 ―――
回復中...




