参上!魔法中年ドリィーミィー☆彡プリン その15
日々、お疲れ様でございます
皆様の一日の労力は、国を支える根源となっております
そんな方々がいるから、我々は豊かでいられるのです
私はせめて、楽しい時間をご提供できればと存じます
本日のキララ、どうぞ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ―――
山、一つ分の土砂が崩れてゆく
そうじゃないかとは思っていたが、やはり家の中で振って良いような代物ではなかった
グリ、ホントありがとね
山があった場所の近くまで飛ぶと、そこにアキラとグリがいた
「アキラさ~ん!グリ~!」
名前を、呼んでしまった
ちょっと奥さんっぽく呼んでみたのだが、分かって貰えるだろうか
「あ、キララー!こっちこっち」
違う、そうじゃない
欲しかったのは、お前の返事じゃない
「…さん付けなんて、止めてくれ。戦友なんだ、呼び捨てで良い。俺もそうする」
闘魂剣から、込められた闘気を抜きながら、アキラが答える
試し斬りはもうお終いらしい
どうやらアキラさんの望みは、タメ語かつ呼び捨て
察しの良いキララは、直ちに対応した
「なら、アキラって呼ぶわ。…これからよろしくね」
スッ、と、無言でアキラが拳を出してきた
キララは訳が分からず、きょとんとしている
「…拳を出せ。戦友同士ってのは、こうやって挨拶するんだ」
おずおずと握り拳を差し出したら、ゴツッと合わせられた
意外と結構、痛かった
アキラの拳は、硬いのだ
だが悪い気はしない
彼のような猛者が、自分の隣で一緒に戦ってくれるのだ
危なくなったら全部押し付けても、多分問題ないだろう
「キララー?丁度良いところに来たね。次は君のプリティー☆彡ステッキについて説明するよ?」
そう、それをもっと早く聞いておけば良かった
攻撃手段を持っていれば、戦闘機を恐れて逃げずに済んだ
痴漢にも、拳で触らないで済んでいただろう
「これ、どうやって使うの?私、アキラみたいな真似出来ないわよ?」
「大丈夫さ。これは、きみ用にぼくが作ったんだから。これは、きみの感情を増幅して相手に当てる武器なんだ。今、きみが思っている事を強く念じて、プリティー☆彡ステッキを振ってみて?」
なるほど、そういう事か
アキラさん、好き
そのでっかいヤツを、私に向けて振りかざしてください
キララはアキラに向けて、プリティー☆彡ステッキを振った
「ハアッ!!?」
アキラの様子が、おかしい
大きく口を開けて、こっちを見ている
下を押えて、もじもじし始めた
どうしたの?
ひょっとして、勃っちゃってるの?
なるほど、これが私のプリティー☆彡ステッキか
ダジャレじゃないけど、素敵じゃない
自分に、実力がある
それを感じる時のキララは、決まって悪党の顔になって笑う
さて、誰に何を込めて、このステッキを振ってやろうか
誰か、気に入らない奴とかいたっけ
笑いながら、パシパシとプリティー☆彡ステッキで掌を叩くキララ
それを眺めながら、グリはこう思っている
ヤベー奴に、ステッキ持たせちゃったかも知れない
いかん、意識が遠のく
睡眠は大事です




