未来観光 洋服店
「ハイカラじゃ~」
洋服店の中に入るやいなや木下は目を輝かせた。
そこら中に小さな色とりどりの滝のように服がそこら中にかかる。
今川とともに店内を回っている間もずっと目を輝かせる。
「なにか着てみたいものがあったら遠慮なくいいなさい。最低でも上下三着ぐらい買いたいとは思っているんだが・・・」
「先生,何か言いましたか?」
今川の話を聞いていない木下の手にはすでに上下三枚以上の服がかかっていた。それを見て木下はため息をつく。
「先生,これって大きさはどうするんじゃ?」
「服のなかに白い布がついてるだろう。そこをみて自分に合うものを買えば大体は大丈夫だ」
木下は服の中をごそごそとあさり,白いタグをみて「お~こりゃ便利じゃ~」と感嘆の声を漏らす。
「それでも大きさが心配ならあっちに試着室があるから試しに着てみなさい」
「試着したいです。案内してくださいますか?」
今川は木下を試着室へと案内をする。その間も木下は目を輝かせながら掛けられた棚の服を見ていた。
「さあ,この中で着替えなさい」
今川はそういうと「わかりました!」と靴を雑に脱ぎ捨て,兎のように手に抱えた大量の服とともに木下は試着室の中に入りカーテンをシャッと勢いよく閉めた。木下が着替えている間に今川は脱ぎ捨てられた靴をそろえておく。
それから数分後カーテンが勢いよく開いた。
「先生,どうでしょうか!」
木下を見た瞬間今川は言葉を失った。
揺れる木下の艶やかな黒髪
白色の少し大きいサイズの青い長袖
晴朗のような淡い青色のロングスカート
こし当たりに巻かれ後ろで大きくちょうちょ結びがされている白く細い帯
今川の目にはスローモーションのようにその光景が映った。
「先生,似合ってますか!?」
あっけにとられている今川は木下の言葉に目が覚める。
「あ,ああ,とても似合っている。正直とても驚いた」
「よかったです。じゃあまた着替えますね!」
そしてまた勢いよくカーテンが閉まる。
その間,今川は心を落ち着かせる。
それからカーテンが開くたびに木下は様々な洋服で身を飾る。色は赤,黒,ピンク,白,青など,種類はロングスカート,ジーパン,ワンピースなど・・・色も種類もさまざまだが完璧なコーディネートであった。
そして,結局・・・
「こちらすべてで10万2457円です」
こやかな表情で女性店員が地獄の金額を告げる。
結局,木下が試着したものをすべて買ってしまった。木下の買いすぎだから減らしますという提案を断ったのはまぎれもなく今川であった。
「先生,本当に大丈夫なんですか」
「すいません・・・分割払いでお願いします・・・」
「はい!わかりました!ではこちらにカードを挿して暗証番号をお願いします」
今川は恐る恐る店員の指示通りカードを挿し暗証番号をゆっくりと入力する。
大きな「チャリンッ」というお金の音が鳴った。
店を出る際,この恐ろしい金額分の服を買うと出口で5人の店員が見送りをしてくれることを初めて知った。木下は礼を続ける店員ににこやかに手を振る。
「未来ではカード一枚で買い物をできるんですね」
木下は最初に試着した白と青の服をそのまま着ていた。最初の和服は洋服店の紙袋の中に丁寧にたたまれてはいっている。
「先生,なんでこっちを見ないんじゃ」
「・・・・・」
その後数分間今川は断固として木下のほうを見ることができなかった。
こんにちは!春桜 結分です!
恋愛ですね!はい!それにしても服の相場がわからず調べてみるとめちゃくちゃ高い!周りが金欠になる理由がよくわかりました。(私とくにおしゃれとかはしたことがないので。しいて言えば黒い帽子を絶対にかぶるぐらい)
あとちょっと隠し要素を入れました。ヒントは日本海海戦です。たぶん人によっては読んでるときに気づいたと思います。
では,前回の下着に続いて今回のめちゃかわな洋服,時は満ちた!次回から完全なデート編です!
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!




