未来観光 下着
朝、ご飯の用意をしていると後ろの扉が開いて木下が出てきた。
「おはよう、よく眠れたかい」
はいっと、少し眠たそうに返事をした。
「あの、昨夜はすいません」
「なに、謝ることはない。私だって君と同じ立場なら同じようにしていたよ」
今朝ご飯を出すから座っていなさい、というと木下はすぐそばに席に座った。
「手伝えなくてすいません。私が作るべきなのに」
朝ご飯を食べながら木下は言った。
「君の時代は女性が家事をするのが当たり前だったが、今は男性も家事をするんだ。遠慮することはない」
そして、今川はみそ汁を飲み切る。
「今日は休日ですることもない。今日は君の洋服を買おうと思っている。いつ帰れるか分からないから着替えはあったほうがいいだろう」
「洋服ですか!いや、そんなものを私が着るなんてできません」
「君が生きていた時代にも女性の洋服はあっただろう。それに君は世間体というものを気にしているようだがこの時代は洋服が普通だ」
その言葉をきいて木下の心が揺れ動く。
そこで今川はもう一押しする。
「せっかく未来の日本に来たんだ。ハイカラを感じてみてはどうかね」
今川と木下の姿は女性用の下着売り場にあった。
洋服店に行く途中今川にふと嫌な予感がした。
「そこで聞きたいことがあるんだが君は下着を着ているか」
「私は下着なんて高価なものは身に着けません。というか着ている人は少ないですよ」
今川の最悪の予想が当たってしまった。このころ下着の文化が入ってきてすぐのことであり下着を着ていない女性は多くいた。服の試着をするにあたり途中で全裸になる工程を踏むことはできない。その工程を避けるためにはまずこの少女を中齢男性である今川が下着売り場に連れて行かなければならない。
目の前では木下が恥ずかしそうにメジャーで胸囲を測ってもらっている。今川はその前で顔を赤くして頭を抱えていた。どこを見ても下着,下着,下着・・・。女性とのかかわりが少ない今川の心はじわじわと壊れていく。
「お客様にはこのサイズかと思います。色はどのようなものをお好みでしょうか?」
「色?先生,色は白以外にあるんですか?」
俺に聞くな。
「白以外にもあるらしい・・・。青色とかピンク・・桃色とか。柄もあるらしい・・・」
「先生はやっぱり詳しいですね」
「語弊のある言い方をするな!私は歴史の先生だ!」
今川が急に顔を上げて大声を出したせいで木下がびくっと身を引く。「すまない・・・あとは店員さんにききなさい」と言って今川はまた頭を下げる。
店員は少し固まり,
「で,ではこちらにお客様に合うサイズの様々な種類の下着を用意していますのでご案内いたしますね」
「・・・はい」と弱弱しく返事をする木下を案内しながら店員は「あの人も疲れていたんですよ,気にしなくてもいいですよ」と慰める。いや,あのいいかたはさあ・・・ねえ・・・疲れじゃないじゃん。
数十分後,一人の店員がメンタルが粉々になった今川に「お連れ様が選び終えましたのでお会計お願いします」と耳元でささやいてきた。「はい・・・」と弱弱しく立ち上がり会計を済ませ店を出る。
「先生・・・疲れているのにすいません」
「いや,あの言い方は語弊があるだろ。私が訂正しなければ危うく私は女性下着に詳しい男となっていたところだ。」
「あー,ということは疲れているわけではないのですね!」
「その通りだ。では次は洋服を買って来よう。ちなみに下着はきたのかね」
そう聞いた途端木下は顔を真っ赤にしてうつむく。
「先生・・・見ますか」
「そういうつもりで言ったわけではない!ただ試しに服を着るときに困らないようにだ」
「あ,そういうことですか」
そんな話をしていると洋服店へと到着した。
こんにちは!春桜 結分です!
戦争というセンシティブな内容を扱った後がこれだよ。
実際はもっといろいろ入れたかったんだけど下着しか入れれなかった。
次は洋服店!これでやったスタートラインです!大変すぎる!
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!




