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FIRE  作者: 白龍
第1章 燃える戦士
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第1話 捕らえる者 6―3

「こっちこっち!!」


そう言いながら康弘に案内されたのは、大学内の校舎の離れた場所にある同好会や部活動の部室があるサークル棟…のさらに奥地のほぼ山の中にある小さな山小屋だった。


いや確かにこの大学はこの大きさゆえに、人里を少し離れた山のふもとに作られてるけど…まさかこんなとこに山小屋があったなんて…。


「どうだ?凄いだろ?先生に部室はここしかないって言われてさ…すごく付いてると思わない?」


「あー…レ、レトロな感じでいいと思うぜ?」


「だっろー?俺ここ凄く気に入ってさぁ…」


…いや気づけよ康弘。

ここまでくるのにサークル棟通って来たけど…

目で見るだけでもここより遥かにいい設備の部室がめっちゃ空いてたぜ?

なんで康弘のサークルだけこんなとこになったんだ…。


「まぁ、立ち話もなんだし、まずは入ってよ!」


「お、おう…」


そうやって小屋の中に招き入れられる。

ギィと軋んだ音を立てて、小屋のドアを開けている時、

俺はその不気味さに流石に息を呑んだ。


だが入ってみると、中は思ったよりも綺麗にされていて、清潔感のある内装だ。


ただ…なぜか端っこに不自然に置かれた白骨模型や、頭上に円盤、

その下には宇宙人のグレーの模型…備え付けのカーテンは幽霊のデザインだったり…どこを見てもオカルトな雰囲気が漂っていた。


「ようこそ!我が超常現象探究部(仮)へ!!」


俺がなんだここはと聞くより先に、康弘が大きな声で今までの全ての疑問を解決する答えを大声で言ってきた。

ああ…だからか…だからこんな山小屋なんかに…。


「…どんな活動するんだ?」


俺は頭の中で大体の活動を予想しながら、真ん中にあるテーブルにしまってある椅子に座ろうとしながら、もしかしたら思っている答えとは違う活動をするかもしれないと少し康弘に期待して聞いてみる。


「ふっふっふっ…聞きたいか?広嶋」


「まぁ、参考までに」


「よかろう…それでは答えよう!超常現象探究部(仮)とは!!」


ああ…このノリうぜーな。

そういや昔から康弘は幽霊·UMA·宇宙人といった「異端」的なやつが好きなんだっけ…。

とか思いながら、必死に超常現象探究部について語る康弘の話を目の前の椅子に座りながら聞き流す。



「この世のあらゆる不思議な現象、もとい生物は一体どれほどいると思う?…それはもういっぱいさ!!」


「把握しきれてないのかよ…」


「あれは小学3年の時…僕は見たのさ!!…謎の飛行物体を!!」


「ふーん…」


「それだけじゃない!!その年の夏に家族で山登りし、そこで遭難しかけた俺は巨人に助けられ、一命を取り留め、クリスマスにはサンタさんに会えた…」


自信満々に語る康弘の話はどれも胡散臭い体験ばかりで、どうも信じられない。

だが嘘をつくような奴でもないので、ここは親友として信じてやるのが得策だろう。


「そしてある日思ったのさ!!この世の中には不思議なことで溢れ、楽しいことがどこかで起きていると!…だから俺は何度も命を救われたこの現象…『超常現象』に恩返しできないかとな!!」


いや、お前まだ1回しか救われていないだろ…。

と落ち込むような野暮なことはいわない方がいいので、心の中で留めておく。


「そして念願叶ってついに、俺はこの『超常現象探究部』を設立したのさ!!…ここまで本当に長かった…」


そうしみじみと語る康弘。

確かにその意欲と熱意は凄いと素直に思う。

でも、康弘…考えてみてくれ。

この創世寺大学は「ジェネレイド」の管理する大学。つまり科学技術の最先端を目指す人々が集まる場所なんだぞ…。

そんなところでそんな非科学的な現象を探求するサークルがあったら、面汚しと言われても文句は言えないぞ…。


「それで広嶋をここに呼んだのは…」


そう言いながらニヤニヤと俺を見る康弘。

嫌な予感しかしない。


「君に是非とも、この超常現象探究部に入っていただきたいのだ!!」


「嫌だわ」


俺は康弘の熱い眼差しから目を背けながら断る

やっぱりか…そんなことだと思った…。


「な、ななな…なんだとゥ!?」


康弘はお笑い芸人並みの過激なリアクションをしながら白骨模型に抱きつく。

なんだ…そのアクティブな反応。


「お前、俺の熱弁を聞いてなかったのかぁ!?」


「聞いてた。聞いてた上で断った」


「なにぃ!?」


さっきから発言が少年漫画みたいな感じだ…康弘って普段はもっと普通だけどな…好きなことになると変なスイッチ入るんだよな…。


「お前は超常現象にロマンを感じないのかぁ!?」


ダァン!!と部屋の中心にある机に両手を叩きつけ主張する康弘。


「いやロマンもなにも…そもそもオカルト系に興味ないしな…」


「オカルト!?超常現象はオカルトでは無い!様々な不思議は人々を救うための糧になる美学!希望となる道しるべになるに違いないのさ!」


いよいよ康弘の言ってることが意味不明になってきた。

こいつはほんと…信じやすい性格なんだよな…色々と。


俺が大怪我したあの時も、滑って転んだと言ったら信じた奴だもんな…。

…まぁだから一緒にいて居心地いいんだがよ。


「とにかく、俺は入るつもりないから」


そう言って、その場を立ち、小屋から出ようと扉に手をかける。


「待て友幸!…ならこの写真を見てくれ!」


出ていこうとする俺を、康弘が写真を見せながら静止する。


「だから…俺はそんなの興味は…」


振り向きながらそう言いかけて、康弘が見せてきた写真が目に入った。


「…なんだ、これ」


そこに写っていたのは二本の木に張り巡らされた大きな「蜘蛛の巣」に捕らわれた女性だった…






3年間放置して申し訳ありません。

自分の気力が続かず、大学が忙しかったことから投稿できずにいましたが、これから頑張っていきますのでよろしくお願いします!

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