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[31万PV達成!感謝]長慶さんに転生してしまった!  作者: 天の樹
孫次郎の『徒然日記』⑥土佐の『天領化』

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土佐の天領化12


――1534年、師走下旬。


 土佐国・再編完了。


 徳島城・政所。

 阿波、讃岐、伊予、土佐の代表者たちが一同に集まった。


 朝廷使節の代表が書状を読み上げる。


「土佐国、天領編入処理完了」

「旧国人領の再測量終了」

「岡豊・本山・安芸・津野の境界確定」

「軍事権限は全て阿波統制機構へ移管」

「徴税基準は阿波式に統一」

「港湾規格、単位制度、帳簿形式、全て移行完了」


 紙が置かれるたびに、空気が静かになっていく。

 それは「勝利報告」というより、

 “天領化システムへの接続完了報告”だった。


 続いて別紙。


『土佐再編後の主要構造』


 本山氏:内陸防衛・治安維持担当

 安芸氏:東部港湾・交易監督

 津野氏:山間交通・測量管理

 吉良系諸族:行政補助・徴税補助

 一条氏:文書・寺社統制補助


『廃止された権限』


「独自裁判権(完全廃止)」

「独自関所設置権(廃止)」

「独自升・尺制度(廃止)」

「私戦権(停止)」


『導入された制度』


「阿波式統一法体系」

「帳簿優先裁判制度」

「単位統一(尺・貫・升の標準化)」

「職能学校の設置(鍛冶・造船・測量)」

「水軍統合運用網」


 最後に一行。


『長曾我部領域は天領直轄へ移行済』


 朝廷使節の代表が書類を閉じる。


「以上、土佐完了」



 数日後、京・内裏。


 朝廷より派遣されていた朝廷使節が四国から京に戻る。

 代表が膝をつく。


「土佐、天領化完了仕りました」


 公家たちが息を呑む。


「……早いな」


 次に、報告書が開かれる。

 その中身を見て、公家たちの表情が変わる。


『単位統一』

『裁判制度統一』

『港湾規格統一』

『教育体系統一』

『水軍再編成』


 誰かが呟く。


「これは……占領ではない」


 別の公家が続ける。


「制度の接続だ」


 さらに別の者。


「国が変わったのではなく、国の動き方が変わっておる」


 その言葉に、場が静まる。

 帝(後奈良帝)は書を見ている。

 長く読まない。

 しかし、一箇所だけ指で止める。


『私戦権の停止』


 帝は静かに笑う。


「戦が“許可制”になったか」


 朝廷使節団の代表が答える。


「はい」


 帝は少しだけ目を細める。


「ならば、乱は減るであろう」


 そしてもう一言。


「だが、人は変わらぬ」


 その一言が、この世界の本質だった。



 同時刻。徳島城。


 私(長慶)は机に突っ伏していた。


「終わった……のかな?」


 小一郎(篠原長房)が容赦無く即答する。


「終わっていません」


 海雲が補足する。


「土佐が終わっただけだ」


 私(長慶)は顔を上げる。


「次は?」


 海雲は地図を開く。


 指でなぞる。


「四国全体の調整だ」


 私(長慶)はため息をつく。


「また会議増えるじゃん」


 海雲は笑う。


「それが“国を作る”ってことだ」


 風が吹く。

 徳島の港の灯が揺れる。

 戦は終わったのではない。

 “形を変えただけ”だった。

 そしてその中心にいるのが、まだ十二歳の少年だった。


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