表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/57

男気発揮っ!

 俺は戦場を後にして帰宅した。

 家に帰って部屋で休んでいると。


 トントン

 ガチャ


 妹のヒナが入ってきた。

 パジャマ姿のヒナ。

 ちょっとモジモジしている。

 なんだろうか?


「お兄ちゃん」

「なんだ?」


「私の友達の頭、撫でないで」


 あっ、そのことか・・・

 

「なんで?皆嬉しそうだったけど」

「それは・・・その・・・とにかくなんでもっ」


 もじもじ度が増す妹。

 何か慌てているようなヒナなので、ポンポンっと俺は妹の頭を撫でる。

 優しく諭す。


「まぁ、落ち着け」


 ニパーっとおとなしくなる妹のヒナ。

 

「私は撫でてもいいけど、友達はダメっ」


 むむっ。

 どうやら焼もちかな。

 ヒナは中2にもなって甘えん坊だからな。

 俺がヒナの友達にポンポンしたのが気に障ったのだろう。


「分かった、次からはそうするよ」

「うん。ちゃんとお願いね」


「あぁ、約束する。ヒナの友達の頭は撫でない。ヒナだけにする」

「約束だよ」

「あぁ」


 俺は妹の頭を撫で撫でしたのだった。

 






 学校。

 クルミと学校に行き、教室に。

 俺が机に付くと・・・・美波さんが寄ってくる。

 

「隼人君隼人君~、あれ、持ってきた?」


 美波さんは小声で俺に耳打ちする。

 くくくっ、勿論持ってきましたとも。

 アレをね。


「ふふふっ、あぁ、物は用意した。どうぞ」


 俺は松茸が2個はいった袋を渡す。


「ありがとー、大事にするね」

「いや、大事にしないで食べてね」


「うん、大事に食べちゃう」

「頑張って」


 子袋の中身を確認し、「よしっ」っとガッツポーズする美波さん。

 どうやら隼松茸のファンになったようだ。

 美味しいからね。


 袋から顔を上げる美波さん。


「そういえば隼人君、昨日はどうだったの?ガーデンに行ったんでしょ」

「あぁ、部に入ることにした」


「やっぱりか~」

「あれ、驚かないの?」


「うん、なんとなく予想してたんだぁ~」


 ほーう。

 クルミの反応とは違うな。

 美波さんとはよくLINEしてるから、なんとく分かったのかも。


「で、どうだった?四季姫にはあったの?綺麗だった?」

「多分だけど・・・七星先輩と春乃宮先輩にはあった」


「会ったんだぁー、いいなぁー、2人とも美人だよね」

 

 ふむ。

 どうやら2人とも四季姫だった模様。


「確かに、ちょっと普通の人と違った空気があったな」

「あたしとも違う?」


「勿論」

「はぁー」


 ため息をつく美波さん。


「でも、美波さんは美波さんで良いとこあるよ」

「なんか無理やり褒められたー。で、あたしの良いとこってどこですかっ?」


 うわぁ・・・

 まさか質問された。

 ただのお世辞だったのに・・・ 


 えっと・・・っと考えていると。


「あれ、ミカ何貰ったの?私にもちょーだいなっ。くださいなっ」


 おっ。

 クルミが寄ってきた。

 なんだかデジャブ感があるぞ。


「前と同じものー」

「えー、松茸ー。いいなー。隼人、私1回しか貰ってないよー」


 そういえば・・・そうだっけか。


「クルミも欲しいの?」

「うん。またお弁当つくってあげる」


 しかしな~。

 今はなるべく多く松茸を備蓄したいからな。

 このままホイホイ上げるのは問題な気がしてきた。

 ずるずるお願いを聞いていると、なんだか人間関係に的によくないと思うのよ。


 よーし。

 ここは心を鬼にしよう。

 いくらかわいい彼女でも、ダメなものはダメと言おう。

 NOと言える日本人になるのだ。

 俺は男気を発揮する。


「クルミ、ダメだっ!」

「ふへっ?」


「今栽培中だから、難しいんだ」


 俺は男らしくきっぱりといってやった。

 どうよっ?

 俺の男気はっ?惚れ直したかな?


 チラッとクルミを確認すると・・・

 すっごく不満顔。

 プックラと頬を膨らませている。


「ずるーい。ずるいよー。ミカは2回で私は1回だよ。そんなのおかしいよっ」


 あれっ・・・間逆の反応。

 なんだか怒ってる。

 それに確かに。

 いわれるみると・・・・不公平なのかもしれない。

 

 プイッと顔を尖らすクルミ。


 うん。

 俺が悪かったかな。


「じゃあ、明日2本持ってくるよ。それで終わりね」

「いいよぉ。許してあげる」


 よかった。

 クルミの機嫌が直ったようだ。


「隼人君、あたしにもちょーだいなっ、くださいなっ」


 美波さんが調子にのりだした。


「ダメだっ!」

「えぇぇぇぇええええ、そんなぁ~」


 クルミの真似か・・・

 プックラと頬を膨らませて不満顔する美波。

 プイッてされた。


「うんうん、隼人、それでいいよ。ミカも控えめにしないと」

「あー、それ、クルミがいうのー」


 チラチラこちらを伺う美波さんだが・・・俺は心を曲げなかった。


 松茸は絶対に渡さんっ!

 うちの松茸はなっ!

 娘を守る親父のごとく気合を入れる。


「二人とも、控えめになっ!」



 俺達の朝が過ぎて言った。




新連載始めました。 (こちらは数話で完結予定です)

宜しければどうぞ。

『3日後、婚約破棄されます。』

※ページ下部にリンクがございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拍手ボタン設置中。一言感想を送ることができます。

 

短編投稿しました=冒険系ざまぁです。↓
生産職の俺は彼女を寝取られたので、パーティーを抜けて自立することにした

 

新連載~【ヒグマ格闘編】とは、3章から話の展開が異なります↓
妊娠した私を婚約破棄するって、気は確かですか? 【連載版:全国ご当地グルメ編 】

 

新連載です~ (数話で完結予定です)↓
3日後、婚約破棄されます。

 

おすすめ作品→「完成したら」作:乳酸菌
完成したら

 

おすすめ作品の解説です
恋愛短編『完成したら』~よく分かるかもしれない作品解説

 

同時連載中です↓(タイトルあれですが、実は少年漫画っぽい話です)
妊娠した私を婚約破棄するって、気は確かですか?【ヒグマ格闘編(石狩鍋) 】

 

さくっと同時連載中。↓
もう、結構ですわっ!

 

こちらも連載中↓
転生したら吸血鬼さんだった件~チートで世界最強です~

 

【8/4 完結しました】↓
ビューティフルざまぁ~公爵令嬢、悪役令嬢への道を歩む~

 

【8/19 完結しました】↓
彼女が二股していたので、腰が砕ける程衝撃を受けた。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ