挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

ブックマークする場合はログインしてください。
<R15> 15歳未満の方は移動してください。

1000pt以上作品 

生産職の俺は彼女を寝取られたので、パーティーを抜けて自立することにした

作者:赤ポスト
唐突に「ざまぁ」が書きたくなりましたので・・・
さらりと書いてしまいました。
「できたよ。炎ポーション」

魔物との戦闘中、俺はポーションを調合していた。
武具に一時的に炎属性を加えることが出来るシロモノである。

配合したポーションを仲間に渡す。

「エクト、ありがとね」

受け取ったのは、女騎士のティア。
かわいらしい顔ながら、気品がある美人。
細い剣であるレイピア持ち、機動性に特化した軽装武具を装備している。

ティアが剣にポーションを振り掛けると・・・剣が赤く輝きだす。
炎の精霊の加護を受け、剣が炎属性を帯びたのだ。

俺、エクト・ライヴは5大精霊の加護をうけている。
炎、水、土、風、雷属性の精霊から力を譲り受けているのだ。

炎の精霊サラマンダー
水の精霊ウンディーネ
土の精霊ノーム
風の精霊シルフ
雷の精霊トール

そのため、作成難易度の高い属性付加ポーションもなんなく作成することが出来る。
この手のポーションは作成できる人が少ないため高価だ。
だが、俺は容易に作成できるため、うちのパーティーはガンガン使っていく。

魔物との戦闘は、いかに相手の弱点をつくかにかかっている。
魔物が持っている属性の弱点を狙うのは基本戦術の一つ。
だが、各属性の魔法を使うのは難しい。
大抵の魔法使いは1か2つの属性しか使えないからだ。

そこででてくるのが属性付与武器。
魔法が使えなくても、魔物に属性ダメージを与えることが出来る。
誰でも使えるため、勿論需要が高い。
だが、属性武器を作るには高価なクリスタルが必要になるし、武器を作れる鍛治師も少ない。
そのため、属性武器自体もかなり高価になるのだ。

そこで、一時的に属性を付与できるポーションの出番である。
高いといっても属性武器よりもかなり安価なため、ここぞという時に使うパーティーは多い。
レベルの高い魔物をかれば、ポーション代を容易に回収できるためだ。

だが俺はほぼ無料で属性ポーションを作れる。
だからこそ、俺達のパーティーポーションを使いたい放題。
俺達は常に自分達よりも高レベルの魔物を相手にしていた。
常に相手の弱点をつく、適宜適切な属性攻撃さえできれば、レベル差をひっくりかえせるのだ。

「えいっ」

 バシュ

ティアが魔物を切り裂いた。
炎で燃えて、チリと消える魔物。

「やったな、おい」
「そうなのです」

仲間のグラントとウィズが喜ぶ。
グラントは剣士。
剣士と騎士の違いは、サブジョブの差だ。
どちらも剣を主体とした攻撃をするが、補助魔法に何を選ぶかで変わってくる。

剣士の場合、補助に攻撃魔法を選ぶことが多い。
騎士の場合は、回復魔法を選ぶことが多いのだ。

ウィズは魔法使いの女の子。
大きなローブをかぶった不思議っ子。
たまに可笑しなことをするが、魔法の腕は高い。

「エクト、やったよっ!」

ティアが俺の手をとって喜ぶ。
笑顔ではしゃぎ、手をブンブン振り回す。

「お、おう。よかったな。やっぱりティアは凄いな」
「そんなことないよ。エクトのおかげだよ。いつもありがとね。大好きっ!」

ティアが俺をぎゅっと抱きしめる。

「まったく。やけるぜ。仲が良いことで」
「そうなのです。いちゃつかないでほしいです」

ゾロとウィズが遠くから見つめる。

確かに俺とティアはそこそこ仲が良い。
それに俺は彼女に片思いしていた。
今だって手を握られて、抱きしめられて、心臓はバクバクしていた。

ティアは俺にだけは親しく触れる。
他の者にはこんなことをしない。
だから、きっと彼女も俺のことを好きだと思っていたのだ。


「エクトのおかげだよ」
「そっかな」
「そうだよ。エクトのおかげ」

ティアは苦笑いして手を放す。

「じゃあ、皆、帰ろっか。魔物をとれたし」
「そうだな。ザクザクだぜ。運動にもなりやしねー」
「そうなのです。私が魔法を使う機会もなかったのです」

俺達は宿に戻った。







宿に戻ってから。
俺は調合に使う素材を買出しに出た。 

(えーと、買い物リストは・・・・)

暫く歩いて気づいた。

(あっ、ヤバイ。買い物リストをメモした紙を宿に忘れた!)

(あれがないとな~、買い忘れができるかもしれない)

調合に使う素材は多岐にわたるので、常にメモしているのだ。
それだけ膨大になる。

自分の記憶に頼る子ともできるが・・・・それだと心もとないな。

(よし、宿に戻るか)



俺が慌てて宿に戻ると・・・部屋の前にきて気づいた。

(あれ、部屋の中から何か音が聞こえる・・・・)

(話し声……)

(誰か部屋にいるのか?)

俺は疑問に思った。
皆出かけているはずだ。
俺が宿を出る時、皆一緒に出たのだ。

ウィズはお菓子を買いに行くと。
ティアはギルドに依頼を見に行くと。
グラントは武器屋に刀を見に行くと。

どれもすぐに済む用事ではない。

(もしかしたら…泥棒か?)

俺は警戒しながら息を潜める。

わずかにあいている扉から部屋の中を覗こうとすると……

「ティア、やっぱり柔らかいな」
「もう、グラント、触り方がやらしいよっ」

(なんだ、ティアとグラントか……)

(先に戻ってきたんだろう)

扉の向こうから聞こえたてきたのは、知っている声だ。
同じパーティーの2人。

俺が想いを寄せている女騎士のティア。
それと剣士のグラントだ。

(泥棒じゃなくてよかった)

俺はほっと一安心する。


(って、おいっ!まてまてっ!!!)


(なんだ、柔らかいって?)

(ストレッチでもしてるのか?)

(どどどどっ、どこ触ってる?)


俺がドキドキしながら、扉に耳を当てると。

「ティア、触れない方が良いのか?」
「いいよ。グラント、私達付き合ってるんだし。皆には秘密だけどねっ」

「そうだな。ティアとの関係は誰にも言わない。というか、言えない」

(!?)

(えっ?付き合ってる?どういうこと?)

(まさか……2人は……)

(…………)

(いやいや、ティアは俺のことが好きで、いつも抱きしめてくれて……)

(そう。さっきの狩りの時だって、抱きついてきた。大好きっていってくれた)

(ティアは俺のことが好きなはず)

(俺もティアが好きだ)

(そのはずだ……………)

(俺達は愛し合ってるんだから)

(………)

「グラント、わたし、口が寂しいなぁ」
「しょうがない。ほらっ。キスしてやるよ」

(……………)

俺は混乱した。
一瞬頭がフリーズした。

(なんで?)

普段ティアとグラントはそれ程話さない。
話したとしてもぶっきらぼうな感じだ。
ティアがグラントをからかうことはあるけど、剣一筋、孤高の雰囲気を出しているグラントはあまり相手にしない。
だからか、2人が特別仲が良いと思ったことはなかったのだ。

(それなのに…それなのに…)

(今、扉の向こうで……)

(2人でキスするだと……)

(ティア…な、なんでだよ……)


俺はショックに震えた。
俺はティアのことが好きだったのだ。
それにティアも俺のことを好きだと思っていたから。

俺達は愛し合っていると思っていた。
なぜなら、信頼の証にアイテムボックスまで共有しているんだから。
愛は確かなものだと思っていた。

(それなのに…なんで……どうして!?)

俺は衝撃を受けながらも、さらに扉に耳をつけてしまう。

中からは声が聞こえる。

いや、聞こえない。

いきなり2人が話すのをやめた。

物音すら聞こえない。

(キスするっていってたけど……)

(ほほほっ、本当にしてるのか?)

(唇と唇を…してるのか?)

(おいおい、なななっ、中で何してるんだよっ!?)

(……)


だが、何も聞こえない。
それが逆に不安を煽る。
頭の中で、ティアとグラントがキスをしている姿が浮かぶ。

俺はひたすら放心してしまう。



すると暫くして…中から再び声が聞こえる。

「なぁ、ティア、いいのか?」
「何が?」

「お前、エクトに気のある振りをしてるだろ。俺と付き合ってるのに」
「いいのっ!…分かるでしょ?」

「何が?」
「エクトは使える。同じパーティーにいた方が良いでしょ。それにエクトが私のこと好きなの、わっかりやすいんだもん」

「分かってやってるのか?」
「あたりまえでしょ。じゃなきゃ、後ろでコツコツやってるしか能がない生産職なんか、誰も相手にしないよっ」

「お前、性格悪いな」
「悪くないよ。エクトにも優しくしてるじゃん。綺麗な私が、折角生産職なんかの相手をしてあげてるんだよ。逆に褒められても良いよ。表彰もん」

ティアの笑い声が聞こえる

「そんなもんか」
「そうそう。エクトのためにしてあげてるんだから。それにエクトも喜んでるしょ」

「まぁ、そうは見えるけど……でも、ティア、ほんといい肌してるよな。すらっとしてるのに、肌が柔らかい」
「気を使ってるの」

「そうか、俺みたいだな。ほらっ、俺ってキャラ作ってるだろ。硬派な剣士だ、みたいな。でも実は俺、ネガティブだけどポジティブなんだ」
「しらなーい。つまらない話ししないでよ」

「え?今のつまらなかった?」
「うん」

「そうか。それよりさ、ここで2人で会っててばれないか?俺たちの関係が」
「大丈夫。エクトは生産しか能がないから、絶対気づかないよ。多分童貞だし。それにウィズはほら…まだ小さいし、異性に興味がないタイプでしょ」

「まぁ、そうか」
「ほらっ、もっとしようよ」

「ティア、ほんとキス好きだよなっ」


再び声が聞こえなくなる。

姿は見えないので、俺には2人が何をしているかは分からないが…


(………)


俺はショックだった。
俺のモノ、俺の彼女だと思っていたティアが他の男と親しくしている。

(というか恋人!?)

(付き合ってる?)

(え、えええ、えっ!?)

しかも同じパーティーの男。
剣士のグラントと。

グラントは剣一筋。
戦闘では魔物をばっさばっさ斬っていく。
孤高でクールな雰囲気もあわさり、その姿をカッコいいと思う者も多く、他のパーティーの女にも人気がある。
簡単に言うと女にもてる。

だが、ティアだけは…ティアだけは…
俺に好意的に接してくれて、グラントにはそっけない対応だった。
俺はその反応になんともいえない満足感を得ていたのだ。

ティアに愛されていると感じていた。
自分の生産職としての貢献が認められていると思っていた。
多くの女から人気の有るグラントよりも、彼女だけは俺を認めてくれていると。
だからアイテムボックスまで共有したのに。

(なっなっ、なのに…)

(それなのに……)

(それがすべて……嘘…偽り…)

結局、ティアは俺の能力が目的だったのだ。
俺自身ではなく…俺の能力が目当てだった。
俺自身の事なんか…まったく好きではなかったのだ。


(…………)


俺の心と頭は真っ白だった。
空白だった。

ただ耳に入ってくるのは2人の楽しそうな声。
イチャイチャする声と、時折挟まれる無言。

2人の声よりも、無言の時の方がつらかった。
どうしても、嫌な光景を想像してしまうのだ。

それが延々と続いていく。


俺はふと思った。

(どこかに行こう……遠くに行こう…旅に出よう)

(ここにはいたくない……)

(もう…どこかで消えてなくなりたい)

だから俺は、そっと部屋を後にした。

消えてなくなりたかった。



宿の外で同じパーティーの小さな女の子、ウィズにあった。
露天で買ってきたのか、美味しそうに焼き鳥を食べている。

俺を発見したのか、ウィズはヒョコッと顔を上げてこっちを見る。

「エクト、どうしたのですか?なのですか?」
「悪い、ウィズ、俺は暫く旅に出る」

「はい?」

焼き鳥を食べながら俺を見るウィズ。
俺のほうを凝視する。

「エクト・・・なみだ・・・泣いてるのですか?」

俺はその言葉で気づいた。
そう、いつの間にか泣いていたのだ。
涙が流れていた。

「エクト・・・・焼き鳥 ・・・・ほしいのですか?」

ちょっと迷ってから、食べている焼き鳥を差し出すウィズ。

「いらない」

腹へって泣いているわけじゃない。

「こっちですか?」

ウィズがポケットから飴を出す。
ウィズはお菓子すきなのだ。
普段は頼んでもお菓子をくれないが、今回はくれるらしい。
ウィズの優しさかもしれない。

だが、今はお菓子どころではない。

「ウィズ、そっちでもない」
「そうなのですか・・・・・」

困った顔をするウィズ。

俺は泣きながらも決意した。

「ウイズ」
「何ですか?」

「探さないでくれっ!」
「え?」

俺は泣を流しながら告げる。

「俺は旅に出る。皆にそう伝えてくれ・・・・・た、た、頼むぅうう~~~~。うえええええええええーーーーーんっ!」


俺は、泣きながら走り出した。
声が震えていた。
先程見た光景のショックが、今頃になって強く襲ってきたのだ。

目的もなく走り出したのだ、
とにかくここから離れたかったのだ。
ティアとグラントがやっているこの宿から・・・離れたかったのだ。







(はぁーはぁーはぁー)

人知れず走った後。

(あれ・・・・・・ここどこだ?)

見回すと、よく分からない場所にきていた。
ボロイ家とみすぼらしい家が並ぶ。

(あっ、貧困区か)

俺は周りの風景で察した。
街で一番貧しい地域、スラム街となっている場所だ。
治安の悪さで有名だったりする。 

(しかしまいったな・・・・完全に迷った。全然どこだか分からない)

見知らぬ場所、それも治安が悪い場所にいるのは不安だ。
俺は生産職、戦闘は得意じゃない。

どうしようかと迷っていると・・・・

「どうしたにゃ?」

近くに猫耳族の女の子がいた。
姿はほとんど人と同じ。
だが、頭から猫耳をはやし、お尻にはしっぽがついている。

「ちょっと迷子になったんだ」
「ここは危ないにゃ。あたしが目的地まで案内してあげるにゃ」

「そ、そうか。ありがとなっ」
「いいにゃ~」

俺は見知らぬ猫耳の善意に、心があったかくなった。
じわりと目元が緩む。
きっと、仲間の裏切り、衝撃シーンをみたからだろう。

(おっ、そうだ。涙は隠したほうが良いな)

俺は手で目元をぬぐう。
それで表情をとりつくろう。

「それで、どこにいきたいにゃ?」

猫耳に聞かれた。

(そうだな・・・・とりあえず貧困区を出て市街地だな。知っている場所に戻りたい)

考え無しに出てきてしまったのだ。

「市街地まで頼む」
「そうにゃー。まかせるにゃ」
「悪いな」


猫耳と歩いていると・・・・

「げほっ、げほっ、げほっ」

近くでセキの音が聞こえる。
猫耳がセキをするのだ。

(そういえば猫耳、ちょっと毛並みも悪いな。それとアレだ、名前を聞いてなかった)

「そういえば名前はなんていうんだ?俺はエクトだ」
「あたしはリンにゃ~」

「そうかリン。セキ、大丈夫か?風邪でもひいてるのか?」
「これは石化病にゃ。最近この辺りではやってる奴にゃ」

(確か・・・・聞いたことがある。獣人族特有の病気だと。徐々に体が石の用になって死んでしまうと)

「おい、大丈夫かよ?直りそうなのか?ヤバイ病気だろ?」
「難しいにゃ。特殊なポーションがいるけど、中々手に入らないにゃ」

(特殊なポーション・・・・・)

そこで俺はふと思い出した。
確か前に作った事があったはず。
ギルドの依頼で石化病患者を治したのだ。
かなりの高額クエストだった。

俺はアイテムボックスには入っている、石化回復ポーションを手に取る。

「リン、これを使え。多分これで直るはずだ」

リンはポーションを見て驚く。

「いいにゃ?知ってるにゃ、これ、高いやつにゃー」
「いいよ。俺にとってはタダみたいなもんだ」

石化回復ポーション。
通常作成するには高価な素材が必要になるのだが・・・土の精霊の加護がある俺は、容易に作ることができる。

「ダメにゃー。高すぎるにゃー。そんなのもらえないにゃ~」
「いいって。断るな、無理やり飲ますぞ。石化病の怖さは自分がよく知ってるんだろ?」

リンが断りそうだったので、強く出てみた。

「そ、そうにゃ?」

リンは俺を不思議そうに見る。

「ほら、飲んでみろ。金なんてとらない。俺はリンに飲んで欲しいんだ」
「にゃら~、少しだけにゃ~」

俺を疑うリンだが、ゴクッとポーションを飲んだ。

するとリンの体が輝きだす。
毛並みも良くなり、猫耳もピクピク動き出す。  

「にゃにゃ、体が・・・治ったにゃ~!」

はしゃぎまわるリン。
猫耳がピンピンだ。

「よかったな。それよりリン、ここら辺で石化病が流行ってるって、他にも病人がいるのか?」
「そうにゃー・・・・うちの孤児院が大変にゃっ!!!」

(んん!?)

「どういうことだ?話を詳しく聞かせて欲しい」
「じ、実はにゃ~・・・・」

リンは語りだした。
猫耳達が住んでいる孤児院で石化病が流行っているらしい。
幼い子供達が皆寝込んでいると。
後は死を待つのみになっていると。

(それは大変だな・・・・確かに、ポーションは高いので孤児院は買えないのかもしれないが・・・)

「分かった。俺をつれていってくれ」
「?」

不思議顔のリン。
俺の言葉の意味が分からないのかもしれない。
ならっ、分かりやすく言おう。

「リン、ポーションならすぐに調合できる。全員治してやるってことだ」
「え!?いいにゃー。でも、お金がないニャ」

(昔の俺だったらこんな事はしなかったかもしれないな・・・・)

俺はこれまであまり周りに干渉しなかったのだ。

それに同じパーティーのティアが、俺を裏切ったティアがたびたび言っていた。
『無料の施しは絶対にしちゃだめ。相手のためにならない』と。

良い言葉のように思えるが・・・・・
今思えば、俺の能力を一人占するためだったようにも思える。

だからか。
ティアに裏切られてきついからか。
俺はティアがいっていたことと、全く反対のことをしたかったのだ。

なぜなら、俺は自分の能力を、ティアのために使っていたかと思うと腹がたったからだ。
今は、他の者のために自分の能力を使いたかったのだ。

「リン、任せろ。俺は特殊で、調合に金はかからない。それに対価は求めない。人を利用することしか考えていない奴らとは違う」
「そ、そうにゃ・・・・」

迷うリン。
あまりの良い話で戸惑っているのかもしれない。

「ほら、早くしろ。大変なんだろ。遅れると石化病が悪化するぞ!」
「そ、そうにゃー。危ないにゃー、こっちにゃー!」

リンは俺の言葉を信じたようだ。
いきなり走り出した。

俺はリンの後を追い、孤児院に向かった。




こうして俺は孤児院に行き、石化病にかかった孤児達を癒した。
ポーションを配合して治したのだ。

するとものすっごく感謝された。
猫耳族の子供達にワサワサされた。
傷ついた心がわずかに回復したのだった。

人助けはいいものだと思った。
久しぶりの感覚だった。




孤児達が治った後。
俺はリンに話を聞いてみた。

「なぁ、リン。なんで俺に声をかけたんだ?あんなところで。俺、泣いてて、完全に怪しかっただろ」

「それは・・・・エクトが悲しそうな顔をしてたからにゃ。あたしも石化病で、色々悲しいことを考えたにゃ。このままだと死んじゃう、もう一年も生きられない。それにゃら、残り少ない命、少しは周りの人助けようと思ったにゃ。少しでも何かしようと」

「そうか。ありがとうリン。俺の心は救われたよ」
「そういえば・・・なんでエクトは泣いてたにゃ?」

「それは・・・・・・色々だ」
「そうにゃ。でも今は良い顔してるにゃ」

こうして彼女を寝取られたエクトは、孤児院を運営することになった。
リンの優しさが、エクトの心の傷を癒したのだった。




すると数日後。
孤児院の前に見知った顔が現れた。

「エクト、探したのです。大変なのですっ!ティアが、ティアが大変なのです!魔物に殺されちゃうのです!」

元同じパーティーのウィズが叫ぶのだった。


だが俺は言う。


―――「知らん!勝手にしろ。俺は孤児院の運営で忙しいっ!」



その後。
元同じパーティの女騎士ティアは、魔物に襲われて死んだらしい。
原因は、彼女は俺の援護無しで、無謀にも高レベルの魔物に挑んだのだ。

普通はそんなことしない。
しかし、俺の援護があって何度も高レベルの魔物を倒したせいか、自分が強くなったと勘違いしたのだ。

で、負けた。
そして浚われた。
なので正確にはティアは生死不明だ。
だが、魔物に浚われた人間は大抵死ぬか、死ぬよりも悪い目にあっているかだ。



俺は孤児院を運営しつつ思った。

良いことをしようと。

ざまぁ・・・・のはず。


【1/3 追記】
元旦、こたつに入りながらお餅食べていると・・・
う、うぉぉおお・・・・いつのまにかいっぱい感想きてたぁ・・・・
今年初ビックリしました。

皆様、お読みくださり、感想&評価ありがとうございます。

シリーズ一覧に追加しました。
(他の1000pt超え作品はページ上部のシリーズリンクから飛ぶことが出来ますので、宜しければご覧下さい。日間総合トップ5以上の作品は別のシリーズでまとめていますので、ユーザーページのシリーズ一覧からご覧になれます)

連載希望等、色々予想外の反応がありましたので、こちら直して連載化したいと思います。
数日後に投稿予定ですので、宜しくお願いします。
※新しい連載作品については、この作品にリンク付け&活動報告で報告する予定です。

~~~~~~~

【1/6】
連載開始しました。

『【連載版】生産職の俺は彼女を寝取られたので、パーティーを抜けて自立することにした』
※ページ下部にリンク付けしています。

宜しければ、ご覧下さい。
拍手ボタン設置中。なろうユーザーでなくても、一言感想を送ることができます。

 

【1/6 追加】本作品の連載開始です↓
【連載版】生産職の俺は彼女を寝取られたので、パーティーを抜けて自立することにした

 

連載中です↓
3日後、婚約破棄されます。

 

こちらも連載中になります↓【月間異世界転生/転移:恋愛5位】
7人の聖女召喚~料理スキルLV80の俺は、おねえちゃんと世界最強になる

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
感想を書く場合はログインしてください。
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ