周りの反応
次の日。
俺が教室で友達、親友ポジのタカシと話していると。
(タカシは運動が出来て、顔をそこそこ良いので女子にもてる)
「なぁなぁー、隼人、ちょっと聞きたいことがあるんだけど?」
「何かな?」
「あれっ、隼人の彼女さー、朽木さん、胸大きくなってね?」
女子友と話しているクルミを見ながら、小声のタカシ。
ほーう。
もしやと思ったが・・・もう気づいたか。
相変わらず目敏い奴だ。
俺はタカシの洞察力には一目置いている。
「さすがタカシ、よく見てるな」
「ということは、やっぱり?あたり?」
「あぁ、クルミは少し大きくなったらしい。多分、成長期なんだと思う」
「へぇー、朽木さんがね。ずっとあのままだと思ってた」
うん。
俺も同感だ。
クルミの胸の成長は、ストップしたものばかりだと思っていた。
ネットでは、「思春期から4年間」という説が通例なようだから。
高校二年生で成長が止まってもおかしくはない。
ちょうど。
クルミの友達も同じような会話をしている。
「あれー、クルミ、胸大きくなった」
「そ、そんなことないよー」
ワサッ
クルミの胸の揉む女友達。
「きゃっ」
「ほらっ、やっぱり大きくなってる。何々、彼氏に揉んでもらったの?そうでしょ?」
「きゃきゃ、違うって」
「うそだー」
彼女達は刺激的な会話を繰り広げている。
教室の一部の男子がソワソワしている。
まぁ、クルミが楽しそうなのでそっとしておこう。
「なぁー、隼人。いいのか?朽木さん」
タカシがちょっと真剣な顔で俺を見る。
うん?
なんだ?
もしかして・・・
胸を女友達に揉まれているクルミを助けに行った方が良いといいたいのか?
「何が?」
「だって隼人。お前貧乳好きだろ。だから朽木さんを選んだんだろ」
「・・・・・」
沈黙。
ふっ。
どうやら俺は誤解されていたようだ。
別に貧乳好きだからクルミと付き合っているわけじゃない。
ここは誤解を解くべきだろうな。
「タカシ、俺は別に貧乳好きじゃない」
「えっ、そうなのー?まじでっ?うそっ!」
あれっ?
なんか予想以上に驚いているんだけど。
俺ってそんなに貧乳好きオーラがでていたかな?
ちょっとショック。
「いやいや・・・タカシ、なんでそんなに驚いてるんだ?」
「だってよー。てっきりそっち系なのかと思ってたし」
「何故?」
「そりゃー、これまでずっと、まな板とばかり付き合っていただろ」
「ほーう」
うーん。
確かに記憶をさかのぼれば、俺の彼女は皆、微笑ましい胸の持ち主だったな。
特に注意して選んだのではないけれど。
「タカシ、それは偶々だ。偶然が重なった結果だと言っておこう」
「へぇー。まぁ、そりゃそうだよね。やっぱり男なら大きい方が良いよな」
「ふふふっ、だろうな」
「うしっ」
俺とタカシは、クルミが女子友とワチャワチャ楽しそうにしているところを見守った。
っと。
俺は気づいたのだった。
気づいてしまったのだ。
「タカシ」
「なんだ?」
「お前、クルミを変な目でみてないだろうな?」
「あっ、あったりめーよ。馬鹿なこというなよ。親友の彼女だぜっ」
ちょっと動揺しているタカシ。
あやしいー。
とんでもなくあやしいー。
がっ、まぁいいか。
俺はのほほんと休み時間を過ごしたのだった。
明日も投稿です
新連載記念短編、さくっと投稿しました。ぜひどうぞ。
5分程で読み終わるかと思います。
↓
『婚約破棄された、悪役令嬢の劣等生』
※ページ下部にリンクがございます。