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変化の理由

 次の日。

 クルミと一緒に学校に行く。

 昇降口で上履きを取ると・・・

 中にはなにやら紙が入っていた。


 うん?

 なんだろうか?

 紙を取ると・・・

 白い封筒・・・後ろはハートのシールでとめられている。

 

 こ、これは・・・

 もしや。

 あれではないか?

 想い人に送るという伝説の手紙・・・

 ラブレターか!

 多分そうだろう。

 絶対そうだ。

 俺には縁がない物と思っていたが・・・

 意外だ。

 誰かの靴箱と間違えたんじゃないかなっ


「あっ、隼人ももらったんだ」


 隣のクルミが俺の手紙を見ている。


「多分、ラブレター・・・かな」

「そうだね。最近隼人カッコよくなったからね。私、いつかもらうと思ってた」


「俺が、かっこよく?」

「うん。結構かわってるよ」


 そうなのか・・・

 昨日の妹といい、喫茶店の女性店員といい。

 俺の見た目が変わった影響かもしれない。


 でもなぜか?

 俺は自分自身にスキル「成長促進」は使えない。

 なぜ変わったのか・・・

 今いち分からない。


「隼人、どうするの?その手紙?」


 クルミに聞かれて思考がとまる。


 うん?

 どうしよっかな。

 手紙を貰ったことは嬉しいけど。

 今はクルミがいるし・・・興味もある子もいないしな。

 ならっ、答えは決まっている。


「普通に断るよ」

「こういうの面倒だからねー」


「さすが経験者。クルミ様」

「隼人も今にいっぱいもらうよ」


 不吉な予言を告げるクルミ。


「それは遠慮したいな」

「大変なんだから・・・」


「でっ、クルミはどうやって断ってるの?」

「普通にだよ。「ごめんなさい」って言うの」


 そうかー。

 だよね。

 俺も「ごめんなさい」してこようか。

 なんだか大変そうだ。

 とほほっ・・・

 


 




 教室。

 俺は周りを意識すると・・・

 確かに女子生徒にチラチラ見られている気がする。

 廊下でもよく見られた。

 これまではクルミが見られていると思って気にしていなかったが。

 どうやら俺自身が見られているらしい。


 そう思うと・・・なんだか気になるな。

 むずがゆい。

 視線が圧力になってかゆいぜ。


「ドスドスドス、ドスドスドス」


 んん? 

 妙な擬音を口づさみながら近づいてくる人物。

 タカシが来た。

 頭打ったのか?


「どうしたタカシ?」

「ボイパの練習ー。口で楽器っよ」


「そうか、がんばれよ」

「ドスドスドス」


 妙な擬音で返された。


「それと、聞きたい事があるんだが」

「何よー?」

  

「俺ってかっこよくなったのか?」

「隼人かー・・・まぁ、かなりね。クラスでは一番だな。学校でもトップ3には入る」


 な、なんと・・・

 いつのまにかジャンプアップしていた。

 確か・・・昔はクラスで3番だったはず。

 隠れて順位が上がっていたのか・・・


「それ、本当か?」

「うん。気づいてなかったん?」


「あぁ、特に何もしてないから」

「まぁ、朽木さんが傍にいれば気づかないかもねー。彼女程の変化ってわけじゃないから」


 ほーう。

 相対的に変化が少ないからかー。

 なるほどなるほどー。

 でも・・・

 

「俺がクラスNO1か」

「ほらっ、今もチラチラ見られてるじゃん」


 タカシがあごの先を向ける。

 俺がそっちに振り向くと・・・

 「きゃー、結城君、こっち見たっ!」っと、黄色い声があがる。

 なんかテンションあがっている一部の女子。


 確かに・・・

 俺はイケメンになってしまったようだ。

 女子生徒の視線を感じるし。

 どうやら本物かもしれない。


 さてさて。

 変化の理由はなんだろう?

 ここ最近のやったことといえば・・・松茸栽培。


 それと・・・松茸を食べまくったこと。

 それぐらいしかないあ。

 うん、松茸だけだ・・・

 えっ、俺の青春って松茸だけ・・・・

 そ、そんなああぁぁぁあああっ!



 まぁいい。

 っとなると・・・

 まっ、まさか・・・松茸効果か?

 そうかもしれない。

 たぶん自然な変化ではないだろうから。

 スキル関連だと思う。


 俺はとっさに鞄の中にある干し松茸を見る。

 心の中で念じる。


『ステータス・オープン』


種族   :干し松茸

状態   :成体

備考   :回復効果、一部美容効果有


 やっぱし。

 干し松茸の効果だ。

 これを食べたから美容度があがったのだ。

 これが俺の変化の理由か。


 俺は納得したのだった。


「どしたん、隼人?」


 ポカンとこちらをみているタカシ。

 おっと。

 いきなり黙ったから不審に思ったのかも。


「なんでもないよ。ただ、好奇の視線にたじろいでね」

「すぐに慣れるべ」

「そうだといいね」


 俺は本気でそう思った。


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