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ストーカー

 学校。

 毎日の松茸栽培でクタクタになっている俺。

 机につっぷしていると・・・

 タカシが・・・


「隼人・・・知ってるか?」

「何を?」


「朽木さんだよ、朽木さん」

「知ってるよ、俺の彼女だもん」


 そう。

 クルミは俺の彼女のはず。

 俺の勘違いでなければ。


「いや、そういう意味じゃなくてー、今、彼女にストーカーがいるらしいぜ」

「なんですとっ!」


 ビックリだ。

 初めて聞いた。

 確かにここ一週間は松茸ばかりで、クルミと話した記憶は少ないが・・・

 まさかストーカーとは。


「知らなかったのか?」

「あぁ、取り組んでることがあったから」


「植物栽培って奴?」

「うん。はまっていてね。で、一応聞くが、ストーカーってタカシ、お前じゃないだろうな?」


「ち、違うって。バカいうなよ」


 おっ、なんだ。

 妙に驚くな、タカシの奴。

 まぁ、前からノリがいいから・・・不思議でもないか。


「冗談だ。それで誰なんだ、ストーカーは?」

「誰かは分からないんよー。いつもマスクしてるから顔見えないし」


「そうか。うかつだったな」

「朽木さん美人だから。しょうがないじゃん」


「そうだな。俺も今日から気をつけよう。ばっちしクルミをガードする」

「隼人、俺もいつでも力になるじゃん」







 昼食時。

 空き教室。

 いつものようにクルミと昼食を食べる。

 リスのようにメロンパンをかじっているクルミ。

 ちょこちょこ口を動かして食べている。


 じーっと見ていると。


「もぅ・・・あんまり見ないでよぉ、恥ずかしい」

「すまない」


「いいよぉ」

「なぁ、クルミ」


「何?」

「ストーカー被害にあっているのか?」


「んん?」


 キョトンとした顔のクルミ。

 あれっ?

 心当たりはないのかもしれない。


「タカシがクルミがストーカーにあってるって」

「うーん。どうなんだろう。最近はよく人に見られるから・・・ストーカーかどうか・・・」


 なるほど。

 常に大勢の人に見られていれば、誰がストーカーか見分けがつかないのか。

 そういえば・・・

 クルミといると俺も見られることが多いけど・・・

 慣れるとあまり気にならなくなるからな・・・

 分からないこともない。


「とりあえず気をつけた方がいい。夜道には一人にならないようにな」

「はーい。隼人が守ってくれる?」


「松茸栽培していない時はな」

「えー、松茸と私、どっちが大切なの?」


「・・・。勿論クルミさ」

「あっ、いま少し考えたぁー。私って松茸と同じなの?」


「全然違うよ。キノコより、クルミの方が大事だから」

「ふーん」


 パクッとメロンパンを食べるクルミ。

 プクッと頬を膨らませている。

 パンを口の中で噛み砕いている彼女。



 その時。

 俺は見たのだった。

 空き教室の入り口に人影を見たのだった。


「誰だっ!」


 俺は一喝して駆け寄るが。

 さっと身を隠す人影。

 さっと走って後を追うが・・・ちっ、廊下で見失ってしまった。

 素早い奴だ。


 だが・・・

 もしや・・・

 今のがストーカーだろうか。

 俺は疑念を抱いたのだった。


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