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栽培2

 家に帰ると。

 スーパーでもらってきたダンボールに、松茸を10個つめて、華玲さんの家に送った。

 

 今数えたところ。

 松茸の在庫は残り31個。

 これだけあれば当分は大丈夫だけど。

 早く大台の100個に乗せたい。


 俺はすぐさま干し松茸の作成に取り掛かる。

 バケツの中に松茸をいれて浄化の準備だ。



 すると・・・


 ガチャ

 中2の妹、ヒナコが部屋に入ってきた。

 部屋に中、バケツと松茸を見て一言。


「お兄ちゃん、何やってるの?」

「見て分からないか?」


「黒魔術?」

「違う、キノコ栽培だ」


「キノコ?」

「そうだ」


「へぇー、この部屋も緑でいっぱいだしねー」

「あぁ、植物にはまっていてね」


 妹は俺の部屋の中をじっくりと観察している。


「あっ、あのお花ちょうだい。私の部屋にかざるのっ」


 赤い花を指差しているヒナ。


「やめといた方がいい」

「えー、なんで?」


 あからさまに不満顔。


「あの花は世話が難しいんだ。ヒナじゃ無理だ」

「えーあたしにだってできるよー」


「毎日、朝と夜に水を上げて、週に何回かは肥料をあげる。葉の手入れと土の管理も必要だ。できるかなっ?」

「う、ううぅぅぅううう・・・やっぱりいいやー。あたしは見るの専門」


 うんうん。

 それがいい。

 花の管理は真面目にやらないと大変だから。


「でっ、ヒナ、どうしたんだ?」

「あっ、そうだ。お兄ちゃん、勉強教えてー」


 あぁ。

 その話か。

 時々俺は妹の勉強を見ているからな。

 中2の内容なら楽勝だ。


「しょうがないなぁ。キノコの後な」

「えー、えええー、キノコと妹、どっちが大事なの?」


「ふふふっ、はたしてどっちかな」

「何分後?」


 俺の意味深は発言は妹にスルーされた。

 ちょっと頑張って怪しい雰囲気だしたのに。


「10分後」

「うん、じゃあ部屋でまってるねー。ちゃんときてよっ」


「おう」


 ガチャ

 部屋から出て行った妹。


 

 ふぅー。

 中断してしまったが、俺は再び松茸に集中。

 松茸をバケツにいれたまではよかったが。


 さすがに、一つのバケツには、松茸10個が限界だな。

 ぎゅうぎゅうすぎる。

 これでは十分に浄化できない気がする。

 満員電車にみたいになっている。

 

 うーん。

 もう3つぐらいバケツを買ってきた方がいいかもしれない。

 明日、帰りに100金によって買ってこようか。

 俺はスマホにメモした。




 全て終わると・・・

 俺は妹の部屋に向かった。


 「遅いよー」っと妹に文句を言われたが。

 俺は気にせず、妹に勉強を教えたのであった。







 次の日。

 朝。


 バケツに入れておいた松茸を取り出す。

 十分に浄化できたようなので、松茸をべランダに干す。

 昨日と同じように、鳥には注意して網戸の前に。

 母と妹には忘れずに注意しておく。

 「食べないようにと」


 そして学校に。




 教室。


「美波さん、はい、これ」

「何々?プレゼント?」


 俺は美波さんに小袋を渡す。

 彼女は中を見ようとするが・・・

 俺は彼女の手を押さえ、動作を止める

 ・・・小声で注意する。


「これ、松茸だから皆には秘密で」

「あっ、うん。ありがとー」

 

 ちょっと驚き顔の美波さん。

 キョロってる。


「どうしたの?」

「いやー、まさか本気だったなんてねー」


「えー、嘘だと思ってたの?」

「あはははっ、ちょっとね。だって松茸だよ。マツタケ」


「そうかー。まぁ、しょうがないか。本物だから、早めに食べてね」

「うん。すぐ食べるーありがっとねー」


 美波さんと話していると・・・

 近くにクルミが寄ってくる。

 

「何々?ミカに何渡したのー?隼人、私にもちょーだい。くださいなっ」

「クルミには前あげたろ?」


「??」


 疑問顔のクルミ。

 クルミを持ったリスみたいな顔してる。

 コテっと頭をかしげている。


「ほら、キノコ」

「あー、マツタケ。おいしいよねーあれ。私全部食べちゃった」


「美波さんにもあげたんだ」

「そうなんだー。ミカ、味は私が保障するよ。ばっちし」


「くるみのお墨付きなら間違いないね」

「私のお勧めはねー、松茸ご飯」

「あぁ、あれは上手かったな。クルミは料理上手いからな」


 うんうん。

 クルミの料理は中々だった。

 意外な程上手だった。 

 てっきり、料理できないかと思っていたのだ。


「参考にするね」

「うん」


 俺の松茸は地道に広がっていくのだった。


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