取引
授業中。
華玲さんからLINEがきた。
華玲:お友達と、私のこと話していましたか?
俺:うん
華玲:そうですか
俺:別にへんなことじゃないよ
華玲:といいますと?
俺:ただ家にいったってことだけ
華玲:そうですか
俺:そういえば、松茸食べた?
華玲:食しました
俺:どうだった?
華玲:美味でした。普通の松茸と味が違いました。素晴らしい一品でしたわ。
俺:というと?
華玲:栄養価が高いと思いました。後は・・味も少々違いますし、食べると元気になりますわ。
俺:へぇー、そうなんだー
華玲:気づかなかったのですか?
俺:普段他の松茸食べることないから
華玲:私も多く食べる方ではないですわ
俺:だよねー
華玲:あ、そういえば・・・
俺:?
華玲:昨日くれた松茸ですが、売ってもらうことは可能ですか?
俺:売るって、お金で買うってこと
華玲:はい。家の人が気に入りまして
俺:美味しかったんだ。育ててよかった
華玲:とても美味でしたわ。
俺:嬉しいよ
華玲:それで、どれほど降ろせるでしょうか?100個程大丈夫ですか?
俺:100?
華玲:はい
俺:100って、松茸100個?
華玲:はい
俺:そんなに食べるの?キノコ好き?
華玲:違います。家の人がなるべく多くほしいそうですので。
周りの人におそそわけしたいのです。
俺:うーん
華玲:どうしました?
俺:ちょっと時間かかるかも
華玲:何個なら大丈夫ですか?
俺:10個程ならすぐに。後はこれからしだいかな・・・
華玲:ではっ、10個お願いしますわ
俺:うん
華玲:値段は松茸の相場+αで。珍しい品種ですので。
俺:いくらぐらい?
華玲:1本1万円程でいいですか?
俺:おおっ。凄いっ。いいよ。すぐ売る
華玲:ではっ。なるべく早くお願いしますわ
俺:家に送れば良い?
華玲:はい。それでお願いしますわ
俺:お金は手渡しだとアレだから・・・銀行口座にお願い
華玲:はい
俺:後で口座番号送るねー
華玲:お願いします
俺:やったー
これでお小遣いを稼げた。
部屋の中で植物を育てるのは中々お金がかかるからね。
お年玉貯金もなくなるところだった。
っていうか・・・
思ったんだけど。
俺のスキル「成長促進」って・・・
使いようによっては簡単にお金が稼げるんじゃないだろうか。
珍しい植物。
育てるのが難しい植物を育てて売れば普通に儲かる気がする。
別にお金が必要ってわけじゃないけど・・・
儲かりますなー。
じゃんじゃん稼げるかも。
うーん。
じゃ。
家に帰ったら珍しい植物でもリサーチしてみようかな。
お金があれば植物をいっぱい買えるし。
と思っていると。
美波:もしもーし
あっ。
美波さんからLINE飛んできた。
俺:なんぞえ?
美波:誰とLINEしてるの?
むむっ。
俺の斜め前の席にいるのに・・・
どうやら俺がLINEしていたことに感づかれたようだ。
いつも一体どうやって・・・
美波さんはタカシ同様、目敏いのかもしれない。
俺:華玲さん
美波:ふぇええええっ!
美波:なんでなんで?どうしてぇぇえええええ?
俺:荒ぶりすぎ
美波:だってぇー意外だもん
俺:そうかなー・・・特に普通だけど。同じクラスだし
美波:仲よかったっけ?
俺:うーん。普通
美波:だよねー。話してるとこみたことないしぃ~
俺:かなー
美波:でっ、何話してたのぉ~
俺:えっ?
美波:教えてちょ
俺:松茸の話
美波:マツタケ?
俺:マツタケマツタケ
美波:キノコ好きなの?
俺:俺、松茸育ててるんだ。それで欲しいって
美波:えーいいなぁー。あたしも欲しいーーでっす
俺:いいよ、2本ぐらいなら
美波:いいのっ!
俺:うん
美波:だって、松茸ってお高いんでしょ?
俺:無料でいいよ。2本だし。
美波:わぁーい。ありがと~隼人君大好き~好き
俺:嘘
美波:ガーン・・・
俺:嘘っていったの嘘。今度あげるよ
美波:ふぅ~セーフ
俺:でも秘密ね。松茸のことは、あまり数ないし
美波:おっけー。あたし口堅いから
俺:あまり広まると大変だから
美波:うんうん、秘密にする~
俺:そういえば、ここら辺でキノコ生えている場所知ってる?
美波:キノコ
俺:うん。森とか公園でみたとか
美波:どうだろう~すぐには思い出せないから
俺:思い出したら教えて
美波:おっけぇー
俺:よろ~
俺は授業を受けながら、美波さんとLINEを続けたのだった。
頭の中では、松茸を栽培する場所を考えながら。
なるべく多く栽培し、売ろうと思っていたのだ。
※やばいなー。うん
隼人、全然授業聞いてない・・・