華玲家
放課後。
俺はクルミと一緒に帰る。
華玲さんとの待ち合わせ場所に行く前に、自宅によって松茸を補充した。
手ぶらで華玲さんの家を訪れるのもなんだと思ったので、お土産に。
待ち合わせの駅に着くと、華玲さんが待っていた。
彼女は人気味の中でも目立つ。
独特の雰囲気、お嬢様オーラがあるので。
「華玲さん、今日はよろしく」
「急にゴメンね、私も行くって言って」
「大丈夫ですわ。お2人で来ると、初めから思っていましたから」
「あっ、そうなんだ」
「よかった」
「ではっ、行きましょうか。家はこちらですわ」
俺達は華玲さんと歩き出した。
俺はふと気づいた。
華玲さんは綺麗な歩き方をすると。
姿勢が良いというか・・・
なんだろう・・・芯がぶれない感じだ。
お上品な感じの歩き方。
高貴だ。
「なんですか?結城君」
あっ。
しまった。
ジロジロ見ていたら・・・
華玲さんと目があってしまった。
「隼人さー、華玲さん見すぎ。そういうの、ほんとやめてっ」
隣ではクルミに注意される。
「けっ」って顔して、不貞腐れているクルミ。
これは・・・・どうみても誤解されているな。
「いや、クルミ。誤解しないでほしい。綺麗な歩き方だと思っただけだよ」
「あっ、それ私も思ったー」
「別に普通ですわ。昔バレエをやっていましたから。それの名残でしょう」
「へぇー、なるほどー、凄いね」
「バレエかー」
クルミが唸っている。
なんだろう。
今からバレエでも習うつもりだろうか・・・
「私もバレエやれば、華玲さんみたいになれるかなー」
呟くクルミ。
「朽木さんは今でも十分綺麗ですわ」
「えっ、私がー?」
「はいっ。大半の人はそう思っていますわ」
華玲さんに褒められてタジタジのクルミ。
何故か俺の方を見る。
「大丈夫、クルミは綺麗だ」
「そ、そうかな・・・」
ますます縮こまるクルミであった。
なんとも微妙な間になったので。
「家、もう少しでつくの?」
俺は話を変えた。
「はい、あの家ですわ」
華玲さんの指差す先には・・・
大きな家。
デカイ門があった。
ドーンって感じの存在感。
いつのまにか高級住宅街に来ていたが・・・それでも周りの家から浮いている。
「おっ、大きいねー。家じゃなくて施設だね」
「すっごく大きい家。華玲さん、本当にお嬢様だったんだ」
「そうですか。皆さんの家もこれぐらいでしょ?」
「いやいやー、俺の家はこの10分の1ぐらいだよ」
「私の家もー」
「まぁ、狭い家ですが、気にせずにどうぞ」
「おじゃましまーす」
「失礼しまーす」
俺とクルミは華玲家の門をくぐった。
デカイ玄関につくと、俺たちは客間に通された。
高級そうな家具が並んでいる。
壁には絵画が飾ってある。
人物画をいくつかかざってあるが・・・
あれは華玲さんの親族だろうか・・・とてつもなく貴族っぽい人の絵があるのだ。
教科書で見た西洋中世貴族の絵。
ナポレオンっぽい。
俺が絵に見とれていると・・・
「この絵はお爺様ですわ。ヨーロッパで爵位を受けた時ですね」
「そ、そうなんだ・・・爵位か・・・」
「へぇー、今でも貴族っているんだ」
俺とクルミが唸っていると。
あっ。
そうだ。
俺は忘れずに鞄から松茸を取り出す。
「華玲さん、うちで取れた松茸。昨日取ったばかりだから新鮮だよ」
「ありがとうございます。結城君の家は・・・松茸栽培をしているのですか?」
「いやっ、俺が個人的に栽培しているんだ」
「そうなの。昨日隼人と一緒に松茸食べたけど、すっごく美味しかったんだよ」
「そうですか。後で食べさせていただきますわ」
松茸をメイドさんに渡す彼女。
「ではっ、バラ園に移動しましょうか。こちらですわ」
「楽しみだな。バラ園」
「だねーなんだかすごそう」
俺達はバラ園に移動した。
どんなバラを見られるのか・・・ワクワクいっぱいだった。




