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キキョウの謎

 俺は調理した松茸を部屋に用意し。

 スキルを使う。


 その検証を繰り返した結果。

 重大な事が分かった。

 松茸1本で、スキルを2回使えるようだ。 

 中々の成果だった。


 俺は直ぐに松茸のネット出品を取り下げた。

 このアイテム、松茸はかなり使えるのだ。

 なるべくストックしておく必要がある。

 それに・・・

 スキルを使えば松茸を成長させ、松茸を作れるのだ。

 少しでも松茸を備蓄しておけば、松茸が途切れる事はない。

 

 できれば・・・

 乾燥させるか何かして、常に常備しておきたいところだ。

 毎回焼いて食べるのは大変だから。

 俺は松茸の調理を方法を調べたのだった。




 すると・・・

 干し松茸にするのがいいようだ。

 作り方は簡単。

 『水につけて浄化→太陽光で乾燥させる』

 これが大まかな作り方。

 自宅でも簡単にできるようだ。

 

 今日は遅いので出来ないが。 

 明日の朝一でやってみよう。

 今夜は松茸を水につけて準備だ。


 風呂場でバケツに水を汲み。

 部屋の中においたバケツの中に、松茸をつけたのだった。

 まずは3本程でテスト。

 松茸はいっぱいあるので焦る事はない。



 水つけが終わると・・・

 今日は休む事にした。


 松茸狩りに、野良犬との戦い。

 中々ワンダフルな経験。

 なんだか眠くなってきたのだ。



 俺はベッドに入り寝ることにした。







 次の日。

 俺は朝早くおきて松茸をベランダに干した。

 一応鳥にも注意して、網戸の前に。

 鳥に食べられたら元もこもない。

 

 母さんと妹にも注意しといた。

 勝手に食べないようにと。


 


 学校に向う。

 クルミからは昨日の夜連絡が来ていたので、久しぶりに一人で登校。

 クルミは『松茸弁当を作るのに時間がかかる』ようだ。


 教室につくと・・・

 チラホラと人。

 今日はいつもより早く来てしまったので、タカシも美波さんもいなかった。


 なので。

 俺は校内を回ることにした。

 植物の身周りだ。

 元気がない植物がないかチェックする。


 校内、図書室、花壇と見回っていると・・・

 プール脇の花壇で意外な人を発見した。

 相手もこちらに気づいたようだ。


「結城君、ごきげんよう」

「華玲さん、おはよう」


 朝一にもかかわらず、見事にセットされた縦ロールに俺は感心した。

 

「今日は早いですね」

「あぁ、特に理由は無いけど、華玲さんはここで・・・何を」


「何だと思います?」


 うーん。

 花壇の前だから・・・

 

「花の世話?」

「あたりですわ。私は園芸部に入っていますから」


 あー。

 そういえばそうだった。

 聞いた事がある。

 お嬢様の華玲さんにはお似合いだと思った。


 花壇の花を見ると・・・

 優しい印象の花・・・コスモス

 細い幹にベル型の花・・・キキョウ

 母の日で御馴染みの花・・・カーネーション


 色とりどりの花が咲いている。

 見たところうまく育てているようだ。


「元気な花たちだね」

「私が育てていますから」


 前に華玲さんは、趣味は園芸といっていたが。

 中々しっかりとやっているのかもしれない。


 だが・・・

 一つ元気がない花があるようだ。

 枯れそうになっているキキョウがある。


 俺の視線に気づいたのか・・・


「あの花はダメですね。上手く育ってくれませんの」


 華玲さんは諦めているようだ。

 

 だが・・・

 そうなのか?

 数々の花の状態を見てきた俺にとっては・・・ 

 なんとかなるようにも思ったのだ。

 

 俺は心の中で念じて見てみると・・・


『ステータスオープンッ!』

 

種族   :キキョウ

状態   :花、損傷中

成長段階:2/5

HP    :3/50

備考   :根に傷有。直ちに対策する必要有。


 うん?

 あれっ。

 損傷中表記。

 それにステータスに備考なんかあったっけ。

 なんか増えてる。

 根に傷があるらしい。



 ならばっ、調べてみようか。

 元気のないキキョウの根元を穿り返す。

 土を掻き分け根を確認する。


「な、何をやっているのですか?」

「大丈夫、任せて」


 華玲さんの注意をしりぞけ、土を掘ると・・

 あっ。

 おうー。

 根に鉛筆が刺さっていた。

 どうやらこれが原因のようだ。

 根を貫通している。

 

 俺は鉛筆を引っこ抜き、ステータスを見ると。

 

種族   :キキョウ

状態   :花、回復中

成長段階:2/5

HP    :3/50

備考   :無


 おっ。

 損傷中が消えた。

 それに備考きれいさっぱり。

 後はこのまま放置しておけば回復していくのだろう。


「華玲さん、これで大丈夫だよ、鉛筆が根にささっていたみたい」

「そうですか・・・。で、ですが、一体どうしてそんなことが分かったのですか?

 土の中のことなど」


 あっ。

 うん。

 よくよく考えてみれば変かも。

 ステータス見たからだけど・・・

 そうとはいえないので。


「よく見ると鉛筆が地面から出ていたよ。多分、風で土が飛ばされたんだと思う」

「そ、そうですか・・・おかしいですね。私がさっき見た時はそんなことなかったのですが」


「まぁ、キキョウの問題が分かってよかったよ」

「ですわ」


「そういえば結城君。うちのバラ園にきたいといっていましたね」

「うん」


「今日の放課後はどうですか?」

「いいの?今日で良いのかい?」


「はい。来てくれて構いません」

「ありがとう。では、伺わらせてもらおう」


「一緒に帰って目立ちたくありませんので、家のある駅で待ち合わせしましょう」

「了解、東洋ラン楽しみ」


「はい。ではっ、私は他の花壇の世話もありますので」


 華玲さんは花壇を後にした。

 俺は教室に戻った。

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