回復アイテム
「はぁーはぁー、逃げきれたね。お犬さん追ってこない」
「だなー」
俺とクルミは森を抜け。
近くの公園のベンチに座っていた。
鞄の中には大量の松茸がある。
「隼人ー、松茸どうするの?」
「食べる。残りは・・・・直倍所に持ち込むか、ネットで売るよ。クルミも好きなだけ持って帰って良いよ」
「じゃあ、3本もらおっかな。お菓子がわりに食べるね」
「生は危険だから、気をつけてなっ」
「うん、じっくり焼いて食べる」
「それと日持ちしないだろうから、なるべく早く」
「大丈夫、心配しないでー。私も少しは料理するんだから。
あっ、そうだっ!明日私が松茸弁当つくってあげる」
「それは嬉しいな」
「じゃあ、今日はそろそろ帰ろうか。あまり遅くなるのはいけないから。家まで送るよ」
「いいのー?」
「あぁ、野良犬が追ってくるかもしれないから、注意しないと。犬の嗅覚はなめちゃいけない」
「そういえば・・・隼人。スキル使ったのにお腹減ってないの?」
「あっ、ほんとだ・・・」
何故だろうか?
LV2に進化したからか・・・・
それとも松茸を食べたからか。
分からない。
だが良いことだ。
「よかったねー」
「うん。じゃあ行こうか」
俺はクルミを家に送ってから、帰宅した。
◇
家につくと。
夕食を食べてから自分の部屋に。
俺はとりあえず松茸をネットに出品しといた。
椅子に座って考える。
スキルを使っても疲れも空腹感を覚えなかった理由を。
だが・・・
考えても分からないので。
とりあえずもう一度スキルを使うことにした。
部屋の花。
つぼみ状態のひまわりの葉を触り、祈る。
『花が咲きますように』
『花が咲きますように』
『花が咲きますように』
・・・・・
10回ほど祈ると。
パカッ
花が咲いた。
そして・・・・
「きゅるるるる~」
急激にお腹も減った。
疲れも来た。
どうやら・・・
スキルがLV2に上がったから疲れなくなったわけではないらしい。
すると・・あれか。
松茸か。
キノコパワーか。
マジックマッシュルームか。
俺は松茸を取り出す。
台所にいってフライパンで調理。
すぐに食べる。
すると・・・
うぉっ。
うおおおおおっー。
見る見るうちに疲労が回復していった。
あっ。
分かった。
分かってしまった。
何故スキルを使っても疲れ&空腹を感じなかったのか。
多分・・・
この松茸を食べていたので疲労や空腹を感じなかったのだと。
この松茸こそが、スキルの疲労&空腹回復に役立つのだと。
つまり。
スキルに対する回復アイテムなのだと。
ふふふっ。
これは良い発見だ。
実に使える。
スキルを飛躍的に活用できる様になる、転機かもしれない。
俺は微笑んだのだった。
10/3 (月)22時に短編投稿しますので、宜しければご覧下さい。
「君の名を呼ぶとき ~人を好きになる瞬間」
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